東京・恵比寿のとあるカフェ。通りを歩いていると聞こえてくるのは、ティーンたちのリアルな取り留めのない話と、楽しそうな笑い声。おしゃべりしているのは、以前「気になる10代名鑑」にも登場してくれた、村田夕奈さん(17)、小春さん(18)、ももさん(19)の3人です。さて、今日はどんな話題で盛り上がっているんでしょうか?
今回のテーマ:「ティーンが考える、テレビがつまらなくなった理由」
昔はドラマの真似してた
夕奈:この前、公園で子どもがNetFlixの『イカゲーム』ごっこしてたんだよね(笑)。あの「だるまさんがころんだ」のシーン。
小春:あれってR15指定じゃなかった? 内容が内容だから、ちょっと恐いね(笑)。でも、もうごっこ遊びの対象は、TVドラマじゃないのか〜。
もも:うちらが子どものときは、四六時中テレビの前にいたのにね。あのころの娯楽は、ほぼテレビしかなかった。
夕奈:わたしも。わざわざ台本とか作っちゃって、クラス全体でごっこ遊びしてたな~。懐かしい。
小春:でも、ネトフリやYouTubeに面白い作品が多いっていうことは、テレビっ子のわたしでもわかる(笑)。新しいものが日々更新されていくし。
なんでテレビを観なくなっちゃったんだろう
もも:そう考えると、「宝探しアドベンチャー 謎解きバトルTORE!」とか「クイズ!ヘキサゴン」みたいに、スタジオにいろんな芸能人が集まって、わちゃわちゃやってるバラエティは減ったよね。
出演者にフォーカスするっていうよりは、ランキングやお店訪問が増えてきちゃって、ちょっと砕けた情報番組って感じで、あんまり面白くなくなった。
小春:めっちゃわかる~! 「はねるのトびら」とか「ピカルの定理」みたいな雰囲気って、“THE・バラエティ”っていう感じだけど、すごく減ったよね。
もも:情報番組だったら、正直SNSと価値は変わらないから、観る意味あるのかなって思っちゃう。年代でいうと、テレビが面白かったのって、2013年くらいまでかなぁ。うちらが小学生くらいのときが黄金期。
夕奈:「奇跡体験!アンビリバボー 」も、昔はけっこう怖いのやってたけど、最近は丸くなったよね。心霊やミステリー系はだいぶ減った。いまじゃ、どのチャンネルつけても、全部食べ物っていう(笑)。
イジリがすぎるな~
もも:最近の感覚だと、芸能人の発言とかコメントが、ちょっと過剰だなって感じることもある。ここで終わらせていれば、面白かったのに……って。
小春:確かに、同世代だったらぜったいこんなこと言う人いないだろう……ってことは多いな。イジリが過ぎると、見ていてイヤになっちゃう。
夕奈:同じギャグを多用しすぎじゃない?って思うことも。もう笑いのツボが、テレビじゃなくなってきたんだろうな。
もも:かといって、YouTuberがテレビ出ればいいってわけでもないんだよね。推しているYouTuberがテレビ出ると、恥ずかしくて観てられない(笑)。
夕奈:めっちゃわかる! YouTubeだと成立している笑いが、バラエティの中だと違和感がビンビン出ていて……(笑)。
小春:同じ場所では共存できないよね。もう独立したジャンルって感じ。
ドラマは追うのがダルい
もも:ドラマはドラマで、もう毎週は追えなくなったな。イッキ見にすっかり慣れちゃって。
夕奈:わかる。1日中部屋にこもって、途切れ目なくバーッて観るのが幸せなんだよね。
もも:小学生のときは、毎日同じ生活サイクルだったから、一日の最後の楽しみとしてテレビがあったけど、もうそんなこともない。替わりの娯楽もいっぱいあるし。
小春:わたしは1クールで4作くらいはドラマ観てるけど、それでも集中力がなくなってきたなっていうのは感じる。テレビ観ながら、ずっとスマホいじってるもん。家族と仲良く観てるときもスマホいじっちゃって、なんか罪悪感が……(笑)。
夕奈:テレビはスマホ片手に観ちゃうよね。『あなたの番です』みたいに考察が面白いドラマは、Twitterも面白かったから、スマホなしで観るなんて考えられない。
もも:考察って、みんな好きだよね。アニメも伏線回収が流行っているし、Twitterで感想が言い合えるのは楽しい。
長さはそこまで重要じゃない
夕奈:でも、1話1話の長さはあんまり気にしないかも。韓国ドラマは1時間半以上とか平気であるけど、それでも面白いのだっていっぱいある。まあ、わわたしが芝居オタクなところもあるかもだけど(笑)。
もも:わたしは正直、アニメやYouTubeの動画の長さに慣れてるから、長いのはちょっと……。でも展開とテンポ次第かな。
あと、ここ数年でハマった唯一のドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子~』とか、お父さんが熱心に観てる『孤独のグルメ』みたいに、1話完結がありがたい。
小春:じゃあ、ももの推しが出てるドラマだったら?
もも:もちろん、推しが出てたら、何がなんでも観るでしょ! 内容が微妙でも、応援する気持ちで毎週追うわ(笑)。
今回のカフェは・・・JOE TALK COFFEE(恵比寿)
恵比寿駅から徒歩2分。今年3月にオープンしたコーヒースタンドで、「日常の・ありふれた」を意味する“常套句”に由来する店名の通り、フラッと立ち寄れる気軽さが魅力です。特に、毎日店内で焼き上げるカヌレはSNSでも大評判。バニラ香るプレーン味と、自家焙煎コーヒーを使用したコーヒー味の2種類を楽しむことができます。
登場したティーンのスナップ
Text: Atsuko Arahata
Photo: Kaori Someya