「気になる10代名鑑」の103人目は、糸岡来望さん(17)。幼いころから「いい子」と言われることに違和感を覚え始めたのをきっかけに、子どもたちが言葉の固定観念にとらわれずに生きられる社会をつくるべく、イベント運営や発信活動を行っています。そんな糸岡さんの想いを伺いました。
■糸岡来望を知る10の質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「神奈川県出身の17歳です。県内の女子高に通いながら、『小学生の教育』『固定観念』といったキーワードを軸に、活動をしています。いろんな団体や企業の方と一緒に、イベントの企画や運営をしています。
あと、『I am I』という個人プロジェクトも立ち上げて、固定観念に対する自分の意見をSNSで発信しています」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「昔から『いい子だね』って言われる機会が多くあって。もちろん、褒め言葉として言ってくれてたんだと思うんですけど、そうやって言われているうちに、自分の中で『いい子にならなきゃ』って考えるようになっちゃったんです。いわゆる、いい子症候群ですね。
自分自身も苦しんだからこそ、言葉の持つ固定観念に捉われず、自分らしく行動する大切さを、もっと教育を通じて伝えていきたいと思ったんです」
Q3. 具体的にどういった活動をしてきましたか?
「たとえば、今年の3月には、既存の教育に問題意識をもつ高校生の団体と一緒に、小学校4年生から6年生を対象とした林間学校を箱根で開催したりしました。子どもたちに、新たな出会いのきっかけや挑戦できる環境を提供して、そのなかで本当の自分の良さを見つけてもらえたら嬉しいなって。クラウドファンディングでたくさんの方からの支援をいただいて、無事に開催することができました」
Q4. 活動を通して発見したことは?
「ただ漠然と『いい子だね』と褒めるのではなくて、『こういうことができているところが素敵だと思うよ』と、向き合って伝えることの大切さです。当たり前だけど、相手を思いやる気持ちや、相手を知ろうとする気持ちが必要ですよね」
Q5. 生きるうえでのポリシーがあれば、教えてください。
「自分を大切にすること。2022年の私の抱負でもあります。自分の体はもちろん、好奇心や疑問に思うことなど、自分らしさを大切に生きようと思ってます」
Q6. 幸せや生きがいを感じる瞬間はどんなとき?
「やりたいことが形になったときや、自分の考えを『素敵だね』と言ってもらえたとき。また、私と違う意見を持っていたとしても、考えを否定せず、『その考えはなかった』と言って受け入れてくれることも嬉しいです」
Q7. 宝物があれば、教えてください。
「手紙です。もらったときの喜びはもちろん、読み返すたびに元気がもらえます。デジタルで完結する時代にわざわざ手書きでお手紙をもらえることが嬉しいし、あたたかい気持ちになります」
Q8. 趣味はありますか?
「ディズニーが好き! 今年に入ってから、すでに4回行きました(笑)。ディズニーのアトラクションに込められたストーリーや裏話を知ることも好きで、本で読んだり、YouTubeで調べたりもしています」
Q9. 今後の展望は?
「小学校教育に関わりたいです。もともとは小学校の先生に憧れていて、いまも選択肢のひとつではあるけど、教師ではないかたちで、教育に携わることもできるんじゃないかな、と考えてます。
子どもたちが、『自分は自分でいいんだ』と思えるきっかけをつくりたい。言葉に縛られて苦しむ子どもがいない世界をつくりだせたらって思います」
Q10. 同じ時代を生きる10代にメッセージをお願いします。
「『こうするべき』『こうでなければいけない』という言葉があふれる世の中だけど、自分の好きなことや自分自身を大切にして生きてほしいです! ときには真面目に考えすぎないようにすることも、いいんじゃないかな」
■糸岡来望の今日のファッション
「学校の制服がセーラー服でスカートが多いので、私服ではメンズの服を着ることが多いです。女の子っぽさをできるだけなくしたくて、少し大きめの服や、腰周りが隠れる服を選んでます」
■糸岡来望のSNS
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Photo:Eri MiuraText:Ayuka MoriyaEdit:Takeshi Koh