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人生の第2章は絵本作家!SILENT SIREN山内あいな「軸はひとつ。夢はいくつでも」

人生の第2章は絵本作家!SILENT SIREN山内あいな「軸はひとつ。夢はいくつでも」

これまでの2回のインタビューで、自身のアイデンティティとも言える「バンド」や「読者モデル」の原点を語ってくれた、山内あいなさん(33)。

SILENT SIREN山内あいなが活動休止について語る。「休むことは終わりじゃない」
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シリーズ「あの人に聞く、“私の10代”」。今回迎えたのは、ガールズロックバンド・SILENT SIRENのベーシストで、絵本作家の顔も持つ山内あいなさん(33)。 ジャンルの異なるファッション誌で読者モデルをしていたメン […]
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「読モバンドと言われるのが嫌だった」SILENT SIREN山内あいなが振り返る、新たな道を切り拓く苦楽
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前回のインタビューでは、音楽活動を始めた10代を振り返り、「ときには休むことで、自分の本当に好きなものが見えてくる」と話してくれた山内あいなさん(33)。 今回は、読者モデルとして活躍した10代の思い出、そして前代未聞の […]
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第3回では「好きなことを仕事にして生きている」と話す山内さんだからこそ言える、好きなものや夢への向き合い方について、教えてくれた。

山内あいな。1988年7月3日生まれ。株式会社SAYN取締役。SILENT SIRENベース担当。2019年キャラクター絵本出版大賞コンテストに入賞し、絵本作家デビュー。愛称は「あいにゃん」。

バンド活動の傍ら、絵本作家としてデビュー

SILENT SIRENとしての活動を昨年12月で休止。いま、自身の活動の軸は何かと聞くと「自分の中では、絵かな」と答える山内さん。そもそも、SILENT SIRENが多忙を極めていた2019年に、絵本作家としてデビューに至った背景とは?

SILENT SIRENの配信番組で、絵本制作企画がスタートしたのがきっかけ。その番組では、いつもメンバーが幅広く好きなことをやらせてもらってたんですけど、プロデューサーさんから『あいにゃんは絵が好きだし、絵本作家を目指してみたら?』と言ってもえらえて。

ずっと興味はあったのですが、どうすれば絵本作家になれるのか、全然わからない中で、素敵なお声掛けをいただけて。そのおかげで、『本気を出して頑張ってみよう』と決意できました」

以前からSILENT SIRENのグッズやキャラクターデザインなどで、イラストを手掛けていた山内さん。プロデューサーからの声も後押しとなり「キャラクター絵本出版大賞」に応募したところ、なんと優秀賞を受賞

あいにゃんのデビュー作・『にゃんにゃんにゃんたのだいへんしん』

念願の絵本作家デビューを果たし、「バンドデビューに続けて叶った、もうひとつの夢」と話す山内さん。『絵本作家になりたい』という想いは、いつから抱いていた?

漠然と絵が好きっていうのは、ずっと、自分の中にありました。思い返せば、デザイン科の大学に進んで、そういう勉強もしていた時期もあるし。でもそれこそ、バンドでプロになるのと同じように、絵が好きだから絵本作家になれるとは思ってもいなかったです。誰かに背中を押してもらうことって、すごくありがたいですよね」

念願のデビュー作!描いたのは「中学時代に感じた気持ち」

イラストからストーリーまで、すべて山内さんが考え、生まれたのがデビュー作の『にゃんにゃんにゃんたのだいへんしん』。やわらかく淡いイラストが可愛らしい作品だが、ストーリーのもとになっているのは、つらかった中学時代の思い出なのだそう。

「コンテストに応募する前に、周囲から『内容をもっと子ども向けにしたほうがいい』っていうアドバイスをもらったこともありました。でも、『私が絵本を通して、嘘偽りなく伝えたいことってなんだろう』って考えたとき、思い浮かぶのは、やはり中学時代の経験だったんです。

自信がなくて、他人の真似ばかりしていた当時の私に『自分を、そして家族を大事に生きていこう』ってことを伝えたかったんです

その強い想いから、可愛らしくもメッセージが強く届く作品が完成し、評価もされた。さらに、2020年には2作目となる『にゃんにゃんにゃんたのおくりもの』も発表。

 

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「2作目は、自分のまわりにいる人を大切にするべき!という話。これも私の青春時代に感じたことで、子どもだけでなく、10代にも伝えたいこと。

帯タイトルには『転がり落ちそうなときに、差し伸べてくれたその手があったから頑張れたんだ』と、書きました。私ががんばれる理由の根本には『誰かに喜んでもらえることが嬉しい』、『誰かを幸せにしたい』という気持ちがあって。

すごい落ち込んでくれたときに助けてもらったことは一生忘れないし、将来が見えなかったときにサイサイのメンバーに誘ってもらったことも、応援してくれている家族や友人、たくさんのファンがいることも、本当に感謝しています。そういう気持ちを絵本にしたかったんです」

そう振り返りながら、山内さんは、「10代で出会った人との関係は貴重」だとも話した。

10代の、まだ何者でもない中で築き上げてきた人脈って、きっと一生もの。いまの私だと、どうしても『サイサイのあいにゃん』として見られるから、そういう友達が今からできるかって言われたら、難しい。

誰しもが働き始めるとそういうものを背負っていくだろうから、10代で得たつながりは、ずっと大事にしたほうがいいと思います」

軸はひとつ。夢はいくつでも。

バンドメンバーとして巧妙なステップでベースを奏でてファンを魅了する一方、絵本作家としてはやわらかいタッチで、子どもにメッセージを伝えてきた山内さん。多忙を極めるスケジュールの中、ふたつのことにチャレンジしてきた山内さんが、いま思うことは?

「私って、好きなことじゃないと仕事にできない人で、たぶん会社員になってたら速攻でクビだったと思う。でも、バンドと絵本作家の活動をしてきて、『好きなことなら、自分もがむしゃらにがんばれる!』ということに気づけました。

自分の中では、バンドも絵本も、一貫している自分の軸があると思ってるんです。ベースでは、流れるようなやわらかい音を大切にしていました。そして絵本では、丸みを帯びていて、直線的ではなく曲線的なタッチを意識しています。

表現の方法は違うけど、音で表現するか、絵で表現するかっていうだけの違いで、根本では自分の好きなもの追求してるだけだと思ってるんです」

そして、将来の目標や夢を考える10代に対して、このように語った。

目標や夢って、ひとつに絞らなくても全然いいんじゃないかな。ふたつでもみっつでも、いくつあってもいい。

でも、軸は大切にしたほうがいいと思います。『これが自分』っていう軸をひとつ持てば、何をするにしても、無理にセルフプロデュースして、嘘の自分をつくらなくて済む。たとえ世の中のトレンドと違っても、自分に正直にいることが、根本的な自信になって、結果にもつながると思うんです。

中には器用に切り替えてなんでもできる人もいると思うけど、私は軸がないと、全部の自分がブレちゃいそうだから(笑)」

3回にわたって、中学時代の記憶から人生の第2章を迎えた今の気持ちまで、素直な言葉で話してもらった。さまざまな葛藤を乗り越え、自分らしさを貫き続ける山内さんが夢を叶えていく物語は、これから先もまだまだ続いていきそうだ。

Photo:AoiText:Ayuka MoriyaEdit:Takeshi Koh 

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Ayuka Moriya

エディター

1999年生まれ、秋田県出身。東京外国語大学 国際社会学部在学時よりライター・エディターとして主にインタビュー記事の執筆、ディレクションに携わる。Steenzでは、2021年ローンチ当初より「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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