「気になる10代名鑑」の29人目は、身の回りの半径50cmから、SDGsを実現する行動に取り組む学生団体『50cm』で副代表を務める小野由月さん（17）。図書館が大好きで、本を次々と借りては積読しているそう。社会問題に興味を持ったのも、一冊の本がきっかけだったと話す小野さんの今の活動や、これからについて伺いました。
■小野由月を知る10の質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「東京都出身の17歳で、都立高校に通っています。学外では『50cm』という学生団体の副代表を務めたり、女性のエンパワーメントやジェンダー平等を目指して活動する『Girl up Tokyo』という団体に所属したりと、SDGsやジェンダー課題を身近に考える活動に取り組んでいます」
Q2. 活動を始めたきっかけは？
「中学3年生のとき、村田沙耶香さんの『ハコブネ』という小説を読んだのがきっかけです。この本は、登場人物である3人の女性それぞれが、セクシャリティについて悩みや違和感を感じており、その違和感に向き合っていく、というストーリーで。
読んだ後、『自分はなぜ女性なのだろう。そもそも女性の定義ってなんだろう』と考えさせられて、性やジェンダー平等について興味を持ち始めました。高校生になってから、団体に所属している先輩がいたり、SNSで団体の存在を知ったりして、活動を始めていきました」
Q3. 具体的にどんな活動をしているんですか？
「SNSでの発信やイベントの企画運営などです。特に、副代表をしている『50cm』では、代表と一緒に外部の方と話したり、全体への指示をしたり、ミーティングの運営をしたりと、周りを動かすのも私の役目。どちらかというと、人にお願いするよりも、自分でやっちゃうタイプなので、人に動いてもらうのって難しいなと感じます。
あと、イベントには社会課題にあまり関心がない人にこそ参加してほしいのが本音だけど、実際には、そういう人たちをあまり巻き込めていないことも多くて…。日々試行錯誤しながら、活動しています」
Q4. 活動をしてきた中で、いちばん印象的な出来事は？
「私が副代表になる前ですが、『50cm』のメンバーと一緒に『キャリア甲子園』というプレゼンコンテストに参加したことが印象的です。結果としては準決勝で敗退してしまったのですが、とてもいい思い出になりました」
Q5. これから、どんな社会になってほしいと思いますか？
「もっと周りのことに目を向けられるくらい、心に余裕を持てる社会になってほしいなと思います。特にジェンダーに関しては、当事者が不自由を感じることが少なくなるようになってほしいです。
この前、おばあちゃんの家に行ったとき、おじいちゃんは座っているけど、おばあちゃんは台所で料理している、みたいな光景があって。それって、おばあちゃんの時代では当たり前にことですよね。でも私の親は分担したりもしている。だから、少しずつ変わっているのも実感しています」
Q6. どんなときに生きがいや幸せを感じますか？
「山に登っているときです。お父さんの影響で、小さいころからよく山登りをするんです。山の中はとっても静かで、山の中にしかない静けさを感じる。その瞬間が最高。あと、小道に落ちている石や木の実を観察するのも楽しいです。友達と一緒に登ることもあって、最近は御岳山に行ってきました」
Q7. 趣味を教えてください。
「何かを作ることです。絵を描いたり、ビーズや裁縫をしたり、工作や、文章を書くこともあります。今日つけているアクセサリーも、自分で作ったもので、たまに友人にプレゼントすることもあります。将来的にも、文章を書くような仕事をしてみたいです」
Q8. 最近新しく始めた挑戦はある？
「ダンスを始めました。といっても、そんな本格的なわけではないけど。体育の授業でダンスをやることになったので、友人とグループをつくって、練習しているところです。私たちのグループにはダンス経験者がいないので、クオリティというよりはストーリー性を意識して、振りを考えているところです」
Q9. 今後の目標は？
「やりたいことはたくさんあるのですが、パーソナルなこととしては、もっと自分を愛せるようになりたいなと思います。以前、Steenzに出ていたコモモちゃんの記事を読んで、私も自分をもっとちゃんと大切にしたいと思いました」
Q10. 同じ時代を生きる10代にメッセージをお願いします。
「『なぜだろう』と思ったことを大切にしてみてください。些細な勉強や身の回りのこともきっと、何らかのかたちで、社会や地球の問題につながってくると思っています。そうすると、人や環境のためにできること、自分がやりたいことが見えてくるかもしれません。
それに、『自分には知らないことがまだまだたくさんあるんだ』と知っていくことで、人に優しくなれる気がします」
■小野由月の今日のファッション
「古着が好きで、高円寺や吉祥寺、下北沢によく買いに行きます。洋服選びは、朝起きてからその日の気分で決めるタイプ。自分の体が綺麗に見えるような服を選んでいます」
■小野由月のSNS
Photo：Eri MiuraText：Ayuka MoriyaEdit：Takeshi Koh
