Teen's Snapshots

違和感を持ったら、動いてみる。バリ島で日本米を流通させたグリーンスクール卒業生【河上柚子・18歳】

違和感を持ったら、動いてみる。バリ島で日本米を流通させたグリーンスクール卒業生【河上柚子・18歳】

「気になる10代名鑑」1407人目は、河上柚子ゆずさん(19)。15歳で単身バリ島のグリーンスクールに入学し、在学中に農家の貧困問題を解決するために日本米を栽培・流通させるプロジェクトを立ち上げました。自分の心に正直に、違和感を行動に変えてきた河上さんに、活動を始めたきっかけや印象的だった出来事について話を聞きました。

河上柚子を知る5つの質問

Q1. プロフィールを教えてください。

「15歳のときにインドネシア・バリ島にあるグリーンスクールに入学して、高校3年間を過ごしました。今年の6月に卒業して、いまはギャップイヤー中です。来年からはソーシャルビジネスに取り組む会社で働くことを決めました。

わたしの活動の軸は、自分が違和感を持ったことに、自分で動いてみるということだなと思っていて。中学生のころに日本の教育に違和感を持ってバリ島に留学したのも、グリーンスクール在学中にバリ島の農家さんの貧困問題を知って日本米プロジェクトを立ち上げたのも、根っこは同じなんです。

将来的には、日本の教育に関するソーシャルビジネスをやってみたくて、ギャップイヤーの半年間を活用して日本の教育現場を訪れたり、教育に関わる人のお話を聞いたりしています。ギャップイヤーでの学びや経験を届けたいので、InstagramやnoteなどSNSの発信にも力を入れていきたいなと思っています」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

「中学2年生のころに学校の教育に違和感を持ったんです。中高一貫の進学校に通っていたので、中学でもうすでに大学受験に向けて頑張ろうという雰囲気がありました。でもわたしは、まだ大学で何がしたいのかも決まっていないのに、そこに向かうことに意味を見出せなくて。普段の勉強もテストのためだけにやっている感じがして、これって将来役に立つのかなともやもやしていました。

ちょうどそのころ、グリーンスクール卒業生の露木志奈さんが地元に講演にきてくれたんです。志奈さんが高校3年間ひとりでバリ島に留学した話を聞いて、『わたしも挑戦すれば、海外で高校生活ができるかもしれない』と思えて。半年くらい悩んで、留学を決めました。周りはそのまま一貫の高校に進学する子ばかりだったので先生にはすごく驚かれたけれど、いまの日本の教育にもった違和感を伝えたら最後は応援してくれました。

留学してからも、違和感を放っておかずに動く姿勢は変わらなかったなと思います。バリ島に住んでみて、観光地化で農地が減って農家さんが貧困になっている現状を知ったときも、すぐに『じゃあ自分に何ができるかな』と考えました。その結果、卒業プロジェクトで日本米の栽培・流通に取り組むことを決めたんです」

 

Q3. 活動をしている中で、印象的だった出来事は?

「いちばん印象に残っているのは、日本米プロジェクトを通して出会った人たちとのつながりです。最初は何がわからないかもわからない状態で、知識も経験もないわたしに協力してくれる人はいるのだろうかと不安にもなりましたが、実際に農家さんと話したり、詳しい人に質問しにいったりと関係を築いていく中で、提携してくれる農家さんが増えてきたんです。

とくに気づきが大きかったのは、クラウドファンディングです。最初はページの公開さえすれば見てくれた人が支援してくれると思っていたんですけど、ぜんぜんそんなことなくて。どうしたらいいのか悩み自分が支援する立場だったらどうかと考えてみたら、直接話をしたほうが応援したくなるかもと気がついたんです。そこから『5分だけお時間ください』と、いろんな人にDMを送って会いに行きました。その結果、このプロジェクトに関心を持ってくれる人がどんどん増えてきて、無事にクラファンを達成できて、日本米を流通させることができました。

縁が巡り巡っていく感覚をこのときはじめて体感して、人と直接会って話すことの重要性がわかったんです。人とのつながりを大切にする姿勢は、このときからずっと大切にしています」

Q4. 活動を通して、実現したいビジョンは?

「高校生が明確な理由を持って進路選択ができる社会をつくっていきたいです。留学を通して、世界にはさまざまな教育や生き方があることを知りました。一方で日本では、自分の興味や価値観を深く考える機会が十分にないまま、偏差値や大学名で進路を決めてしまう学生も少なくないなと感じています。

その背景には、10代の生活が学校というコミュニティの中で完結しやすくて、多様な大人と関わる機会が限られていることがあると思っていて。若いうちから学校の外の世界とつながることで、多様な価値観に触れながら、自分自身を知る機会がある社会にしたいんです。

わたし自身が違和感を行動に変えられたのは、親の教育が大きいなと思っていて。小学生のころにインターナショナルスクールに行きたいと言ったら、『自分で電話して伝えなさい』『学費は自分で稼ぎなさい』と言って、自分の理想のために勇気をだして努力する経験をさせてくれたんです。

この経験があったから、自分で日本を飛び出そうと決められたし、違和感を持ったときに、自分で変えてしまおうと思えるようになったんだと思います。だからこそ、そんな自分の人生を自分でえらびとるために試行錯誤をする経験を、日本の学生たちにも届けたいです」

Q5. 将来の展望は?

「この半年の展望としては、学生が教育について考えるイベントを開きたいなと思っています。いままで教育については自分の中で疑問を持っているだけで、人から話を聞いたり意見交換ができる機会があまりありませんでした。なので、同じ疑問を持っている人に出会いたいし、そんな人たちが交流できる場をつくりたいんです。

将来の展望としては、課題を見つけたらちゃんと向き合って行動できる人を増やしたいです。教育分野のソーシャルビジネスに取り組むことで、選択肢を自分でつくることのできる人が増える世界を目指していきます。

この先、どんな仕事をしているかはまだわかりませんし、いまは想像もしていないことをしているかもしれません。人生って本当にあっという間なので、大切な人たちのそばで笑って過ごせる毎日を自分らしく積み重ねていきたいです」

河上柚子のプロフィール

年齢:19歳
出身地:石川県能美市
所属:グリーンスクールバリ卒業/ギャップイヤー中
趣味:読書、編み物、銭湯巡り、異文化交流、古着屋巡り
特技:外国語のしゃべり方の真似
大切にしている言葉:Tri Hita Karana(トリ・ヒタ・カラナ)

河上柚子のSNS


Photo:Nanako Araie
Text:Rinna Koike

SNS Share

Twitterのアイコン

Twitter

Facebookのアイコン

Facebook

LINEのアイコン

LINE

KoikeRinna

View More