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自分の生き方を、自分の手で選び取る世の中に。若者が「やりたいこと」を見つける機会をつくる教育者【加藤里桜・19歳】

自分の生き方を、自分の手で選び取る世の中に。若者が「やりたいこと」を見つける機会をつくる教育者【加藤里桜・19歳】

「気になる10代名鑑」の1408人目は、加藤里桜さん(19)。誰もがキャリアを主体的に考えられるきっかけとなるキャリア教育推進事業を運営しています。スピーチコンテストへの取り組みを自己分析のきっかけにしているという加藤さんに、活動のきっかけや教育への想いについて聞いてみました。

加藤里桜を知る5つの質問

Q1.いま、力を入れていることは?

「NPO法人Wisaウィーサでキャリア教育推進事業『SoulSparkソウルスパーク』を立ち上げ、プロジェクトリーダーとしてキャリア教育講座を主催しています。

これまでの日本の公教育では、なかなか子どもたちが将来の仕事や、自分の適性などについて向き合う時間を取ることが難しい実状があったと思っていて。そこでSoulSparkでは、市民活動の領域でキャリア教育の開発と普及に取り組んでいます。

キャリア教育には高額なプログラムも多いなか、SoulSparkでは無料で高校生・大学生が講座やワークショップに参加できる機会をつくっていて。これまでに大手前大学などとイベントを開催しました。自己分析や価値観マッチングなどを通じて、進路について悩みが晴れたとの嬉しい声もいただけています。

わたしは言論活動にも力を入れていて。中学1年生のころから、6年間で作文・スピーチコンテストに80回以上挑戦し、約30の賞を受賞しました。もともと文学が好きで、書くことを通じて、わたしはわたし自身と向き合ってきたんです」

 

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Q2.活動を始めたきっかけは?

「小学校1年生から6年生まで、家族の仕事の関係でアメリカで過ごしていました。帰国後は中高一貫校に進学したのですが、周囲との日本語力の差を感じるなかで、日本と海外の教育の違いについて考えるようになって。

アメリカの高校では、同級生の多くが自分の進路を明確に定めていて、学校側もボランティアやインターンシップを単位として認定するかたちで、生徒の進路選択を支援していました。それが当たり前であることにとても驚きましたし、その一方で、日本では将来何をしたいのかわからないまま進路を選んでいる同級生が多いようにも感じて。日本の若者にはキャリアについて考える機会が足りていないのではないかと問題意識を持ったんです。

当時のわたしは、将来海外大に進学することを目標に、英語を活かせるボランティアをインターネットで探していて。それで、いまもお世話になっているNPO法人Wisa、そしてWisaの理事である横山泰三先生とも親交を深めていきました。キャリア教育を推進したいという自分の想いを事業計画にまとめて先生に伝えたところ、承認していただき、いまのSoulSparkの活動があります」

Q3. 活動で大切にしていることは?

「自分が何を大切にしているのか、何に情熱を持っているのかをナラティブの観点から言葉化していくことで、自分自身への理解を深めていくことを大切にしています。

アメリカにいたとき、英語を身につけるために読書を始めて。次第に文学に惹かれ、中学1年生のときから各地のスピーチコンテストに出場するようになりました。広島・岡山を対象とした『BINGO Visionary Leaders Presentation コンテスト』では、メンタリングやブラッシュアップの機会もあったので、エッセイの書き方やスピーチのコツを体系的に学日ました。

それ以来、スピーチコンテストに出るたび、自己分析を繰り返してながら自分の主張をつくっていくようになって。自然とスピーチコンテストは、わたしにとって大切な自己分析のきっかけになっていたんです。

わたし自身、自分のキャリアのあり方にはすごく悩んできたほうで、教育分野以外にも家畜を育てたり心理学オリンピックに出たり、迷走していた時間もあったかもしれません。だからこそ、一回一回のステップで自己分析を踏んで、専門性を確立していくことが大切だと気づくことができました」

Q4.活動を通して、実現したいビジョンは?

「誰もがキャリア教育を受けることができて、余白の時間を使って自由に探究したり、自己実現を追い求められる社会にしたいです。

そのひとつのかたちとして考えているのが、公教育のためのオンラインキャリア教育プラットフォームです。自己分析から自分に合った仕事や学問分野を見つけるところまでを一貫して扱うことで、若者の自己効力感と自己肯定感を育てていきたいと考えていて。自分に合った進路を選べるようになれば、将来の仕事とのミスマッチを減らし、人生に充実感を持てる若者を増やすことにもつながります。

ひとりひとりが自分の人生を主体的に選択できるよう、これからもSoulSparkとしてできることを続けていきます」

Q5.将来の展望は?

「教育やEdTechについて、さらに学びを深めたいです。

SoulSparkでは、メタバース空間を活用したキャリア教育も構想していて。その実現に向けて、将来的にはイギリスのUCLに進学し、EdTechについて学ぶことも目標のひとつです。

また、わたしは教育だけでなく、人や活動の想いを言葉にして届けることにも取り組んでいきたいと思っています。現在も関西SDGsプラットフォームの新聞制作にライター・編集者として携わっていますが、社会課題の解決に取り組んでいるNPOやNGO、学生団体、行政などには、まだ知られていない活動がたくさんあります。そうした人たちの想いや活動を言葉にして届けることで、新しい出会いや選択肢を生み出せる人になりたいです。

わたしの好きな詩のひとつに、ウィリアム・アーネスト・ヘンリーの『インビクタス』という詩があります。不公平な出来事があって、強い無力感を覚えたときに、わたしはこの詩に励まされました。”I am the master of my fate: I am the captain of my soul”. どんな試練に見えても、自分がどう生きるかを選ぶのは自分自身なんです。

だから、自分自身が人生を選択し続けながら、その選択肢を周囲のひとにも広げられる存在でありたいですね」

加藤里桜のプロフィール

年齢:19歳
出身地:岡山県倉敷市
所属:NPO法人Wisaプロジェクトマネージャー
趣味:旅行・愛犬と遊ぶこと・ショッピング
特技:タイピング・英語・ミサンガ作り
大切にしている言葉:人事を尽くして天命を待つ

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Photo:Nanako Araie
Text:Taishi Murakami

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Taishi Murakami

ライター

2006年生まれ。慶應義塾大学2年。民俗学をはじめ、マーケティングやパブリックアフェアーズなどの領域を横断的に学ぶ。「大切にしたいものをきちんと大切にする」をモットーに、現在はヘルスケア領域での起業に向け邁進中。PRマーケターとしての顔も持ち、事業づくりと発信の二面からひとの営みを優しく未来へつなぐ方法を探求している。

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