Teen's Snapshots

地方では当たり前の川遊びを、都会の子は知らない。山形での地域留学を経て、経験格差のない社会を目指す大学生【ゆの・18歳】

地方では当たり前の川遊びを、都会の子は知らない。山形での地域留学を経て、経験格差のない社会を目指す大学生【ゆの・18歳】

「気になる10代名鑑」1307人目は、ゆのさん(18)。高校2年生での山形の地域留学をきっかけに、地域と関わる喜びに目覚め、現在はコミュニティ支援に携わっています。満点の星空や畑仕事など、山形でかけがえのない出会いを経験したゆのさんに、当時のエピソードや将来の展望を聞きました。

ゆのを知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?

若者のための地域活性化プラットフォーム『Rural Labo』の運営に携わっています。全国から300人弱のメンバーが集まる団体で、地域に一歩踏み出したい若者の支援をおこなっています。

最近では、わたしが経験した親元を離れて地域の高校で生活し、学びを深めることができる留学制度『地域みらい留学』のプラットフォームの人を招いた対談イベントを東京で開催しました。

地域と若者をテーマにした、これからの地域のあり方について考えるイベントだったんですが、地域に興味があるRural Laboのメンバーだけでなく、教育に関心がある大学生たちが集まってくれて。実際、ふたつの異なるジャンルのつながりが生まれる瞬間を目の当たりにできて、やりがいを感じましたね」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

「高校2年生のときに経験した、山形県小国町での1年間の地域留学が大きな転換点でした。

それまでは学校と家を往復する毎日で、関わるのは同い年の子たちばかり。でも、山形では大人たちが高校生のわたしたちに対して、自分の経験を真剣に、そして楽しそうに話してくれる姿がすごく印象的だったんです。

そんな充実した日々が終わりに近づいたとき、『地元に帰ったら、この生活がなくなってしまうんだ』と、すごく寂しく、もったいない気持ちになって。

そんなときに、高校の発表会で地域おこし協力隊の村上悠剛さんに出会って。村上さんはわたしの地元近くの埼玉・横瀬で、協力隊をやりつつ、『Rural Labo』の当時の代表をしていました。

実際に相談をしたところ、団体のことを教えてもらったんです。村上さんとの出会いがあったからこそ、山形での経験を思い出で終わらせず、いまの活動につなげることができました」

Q3. 活動するなかで印象的だった出会いは?

山形で出会った地域留学生の同級生は、わたしの価値観を大きく変えてくれました。

彼女は自分の軸をしっかり持っていて、いい意味ですごくマイペースなんです。『自分が嫌だと思ったらやらない』とはっきりしている彼女を見て、わたしも自分の考えを大切にしていいんだと思えるようになりました。彼女とは、泊まりがけでさくらんぼ農家を手伝ったり、夜にいっしょに星を見上げたりと、かけがえのない時間を過ごしました。

ほかにも、山形県小国町の伝統である『くま祭り』で出会ったおじいちゃんとの縁も不思議なものでした。

お祭りのときは隣に座ってお喋りしただけだったのですが、後日、街のコンビニで偶然再会したんです。そこから定期的にダイコンやキャベツをおすそ分けしてもらっていたのは、都会では絶対にできない経験でしたね」

Q4. 活動を通して、実現したいビジョンは?

「子どもや若者の経験格差をなくすことです。

山形で暮らす中で、地元の小学生が『スイミングに行きたくても、近くにスクールがないから通えない』と言っているのを耳にして。一方で、田舎の子には当たり前の川遊びを、都会の子は全く知らなかったりもします。

住んでいる地域によって、体験できることや将来の選択肢に差が出てしまうのは、すごくもったいない……。だからこそ、どんな環境にいても、自分のやりたいことに素直に挑戦できる社会をつくっていきたいです。

地域と若者をつなぐ活動を通して、そのきっかけをひとつでも増やせればと思っています」

Q5. 将来の展望は?

将来は、地域に住む人や関わる人、すべての人たちが笑顔になれるまちづくりに貢献したいと考えています。そのためにも、大学での学びを深めながら、まずは目の前の一期一会の縁を大切にして、自分にできるアクションを積み重ねていきたいです。

それと、これは個人的な小さな夢なんですが、将来は星が綺麗なところに住みたいです。

山形での生活で、玄関を一歩出れば天の川が見える環境が、わたしにとってはいちばん幸せな瞬間でした。あのみんなで夜道を歩きながら星を見上げた豊かな時間を、いつかまた自分の生活の中に取り戻せたらいいなと思っています」

ゆののプロフィール

年齢:18歳
出身地:埼玉県秩父市
所属:青山学院大学大学コミュニティ人間科学部、Rural Labo、元一般社団法人こどものまちプロジェクト
趣味・特技:読書、剣道
大切にしている言葉:一期一会

Photo:Nanako Araie
Text:Selna Iwasa

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Seruna Iwasa

ライター

2004年生まれ、埼玉県出身。立教大学コミュニティ福祉学部コミュニティ政策学科在学。カナダの高校に通っていた際に「セントリベル」を立ち上げ、現在も代表を務める。中高生のキャリア教育に関わる「ディスカバ!」でもメンターも担う等、幅広く活動している。

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