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誰の弱さも取り残さない。過去の自分のような人に希望を与えるために「自分らしさ」に出会う合宿プログラムを開催【黒川悠眞・19歳】

誰の弱さも取り残さない。過去の自分のような人に希望を与えるために「自分らしさ」に出会う合宿プログラムを開催【黒川悠眞・19歳】

「気になる10代名鑑」1281人目は、黒川悠眞さん(19)。本音を胸にしまい込んできた人が自分らしい人生に気づくための合宿型教育プログラムを運営しています。「人を変えるのは人の生き様だ」と過去の経験から語ってくれた黒川さんに、活動を始めたきっかけや印象的だった出来事、活動の中で抱える悩みについて話を聞いてみました。

黒川悠眞を知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?

一般社団法人少年PROJECTの事業を受け継いで立ち上げた、合宿型の教育プログラム『林間合宿〜縁〜』の運営です。過去に辛い経験をしてきた人や、利他的すぎてつい自己犠牲してしまう人をターゲットに、自分の本音と向き合う2週間のメンタリングと2泊3日の合宿を開催しています。

メンタリング期間では、一歩先を歩いているメンターたちが、参加者の過去からパーソナリティを深掘りしていくんです。やりたいこと100を書き出してもらったり、自分の理念とビジョンをつくってもらったり。深掘りするうちに、過去にずっと悩んでいたことを参加者自身が自覚できるように、設計しています。

合宿当日は、軸をつくること、居場所をつくること、成功体験をつくること、この3つを大切にしています。10人くらいの大学生や社会人が集まって、自分が本当にやりたいことをプレゼンしてもらい、それを受け入れてもらう体験を届けたい。一見少ないようにも見えるかもしれませんが、参加者たちが深い人間関係を築くためにあえて人数を絞っています。全員が等しく持っている素敵な思いを、認めて受け入れる場にしたいんです」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

過去にわたしは、鬱やいじめ、不登校、などの挫折を経験しました。朝起きられない病気もあって、自分で自分を追い込んでしまうこともありました。そんなときに寄り添って、生かしてくれたのは、いつも人だったんです。人を変えるのは人の生き様なんだと、心から思いました。

決定的だったのは、高校で学生団体の代表をしていたころに出会った、ある財団の理事長です。単に資金調達に関してのアポイントを一度しただけでした。にも関わらず、私が精神的に参ってしまっていた時に、とても忙しいし大きなお金を動かしているはずの人が何時間も親身に話を聞き、それからもずっと気にかけてくれています。その誰かのために本気になってくれる姿に、憧れたんです。

それまでは人助けをすることがあっても、『自分には価値がないから、唯一得意な勉強で価値を届けないといけない』と焦る気持ちでいました。でも、勉強を教えていた友だちが面と向かって『ありがとう』と言ってくれたとき、その思想家の人のようになれた気がしてすごくうれしくて。不安からじゃなく、心からこの人のために動きたいと思えた。自分のやりたいことは生き様で人を助けることかもしれない、と気がついたんです

Q3. 活動をしている中で、印象的だった出来事は?

第1回の『林間~縁~』に参加してくれた、一人の中学生のことが忘れられません。彼は若くして個人事業主のフォトグラファーをしていて、すごい、すごいと業界で持ち上げられていた子でした。

わたし自身、学生団体の代表をしていたときに、ちやほやされることへの違和感があったので、この子には対等に接しようと決めて向き合ったんです。そうしたら『実は……』と、大人たちに揉まれて苦しんだ経験や、明るく見せている裏で抱えていた悩みを話してくれた。

そのあと彼は、辛い経験から目を背けずに向き合いながら、ほかの人の魅力を引き出すフォトグラファーとして、いまも生き様を見せ続けてくれています。こういう人を増やしたいとぼんやり思っていたものが、目の前でかたちになった瞬間でした」

Q4. 活動の中で、悩みがあれば教えてください。

辛い、苦しいと思ってしまう瞬間は、正直たくさんあります。隣で走っていると思っていた仲間が、いつしか手の届かないくらい成長していて、喜ばしいと思いつつも自分には才能がないんじゃないかと焦って不安になったり。自分の理想とほぼ同じサービスを、何億倍ものヒト・モノ・カネで僕が赤ん坊のころから始めている企業を見つけて、『本当に自分がやる意味あるのかな』と疑問を持ってしまうこともあります

この活動をするまえには、数学に熱中していたんですが、数学はやめたんですよ。でも、いまのこの活動はやめたくないんです。誰かより優れているからやりたいのか、たとえ周囲に劣っていたとしても成し遂げたいことなのかだと思っています。

数学は今振り返れば、得意だから好きだった側面が大きいなと思います。だから、自分より得意な人と出会ったときにやめようとおもったんです。でも、いまの活動はどんなに自分よりすごい人にあっても、それでもやりたいんですよ。自分のやったことが誰かの希望になると知ってしまったからかもしれません。

この活動は、誰かと比較してやりたいことなのではなく、たとえ劣っている部分があったとしても人生を懸けて成し遂げたいことなのだと、最近やっと腹落ちしてきました」

Q5. 将来の展望は?

将来は、『縁』のプロジェクトを発展させ、財団を含む人材育成機構をつくりあげたいです。『この人の想いや生き様を世に実感してほしい』と思える人たちが、資本主義の荒波の中でも想いを実現していけるような土台をつくりたいんです。どんなに素敵な気持ちを持っていても、お金が足りないと仕組みにはならないし続かない。だから結果が出るまでの環境を整える、仕組み化の人になりたい。

それと同時に、自分自身がいちばん本気で生き様を見せ続ける人でありたいとも思っています。人を支えるなら、まず自分ができていないと説得力がないので。どんな人の中にも、弱さがあります。見せていないだけで、気がついていないだけでこっそりと悲しんでいる人がいるんです。僕は、誰の弱さも取り残さない。全ての人に本気で向き合っていきます。

私が苦しい時に手を差し伸べてくれたあの理事長のように、日本の人たちが誰も壊れない社会を、希望の連鎖でつくっていきたいです」

黒川悠眞さんのプロフィール

年齢:19歳
出身地:大阪府大阪市城東区
所属:一般社団法人少年PROJECT
趣味:銭湯、サウナ、白湯、日向ぼっこ
特技:人の本音を引き出すこと
大切にしている言葉:「愛なき力は暴力、力なき愛は無力」「悩める才能たちの、生き様を作品に」

黒川悠眞さんのSNS

Photo:Nanako Araie
Text:Rinna Koike

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