Teen's Snapshots

いろんな選択肢を知ってほしい。障がい者の一人暮らし支援と学生支援に奔走する大学生【岩崎美怜・19歳】

いろんな選択肢を知ってほしい。障がい者の一人暮らし支援と学生支援に奔走する大学生【岩崎美怜・19歳】

「気になる10代名鑑」1217人目は、岩﨑美怜さん(19)。知的障害者の一人暮らしを支援する活動と、学生の海外ビジネス研修をサポートする団体の運営に携わっています。どちらの活動でも、相手に選択肢を持ってもらうことが大切だと語る岩崎さんに、活動をはじめたきっかけや、印象的な出会いについて詳しく聞きました。

岩﨑美怜を知る5つの質問

Q1.プロフィールを教えてください。

インターンとして所属する会社が運営する、知的障害者が親と離れて生活できるようになることを目指す『一人暮らし支援』のリーダーをしています。

障がい者の人が、作業所という就労訓練や他者との交流を目的とする施設から自宅に帰ってきたあと、食事や寝るまでのサポートをするのがおもな仕事です。親の負担を減らすだけでなく、本人や従業員含め、ケアに関わる人全てを幸せにするという会社理念のもと動いています。

ほかにも、学生が海外に2週間渡航してビジネスに挑戦するプログラムの運営にも携わっていて。過去に参加者としてベトナムで飲食店の経営を任された経験を活かし、事前研修の設計や参加者の伴走支援を担当しています。ただ単に海外に行くだけで終わりにしてほしくないので、そこで何を成し遂げたいのか、どんな自分になりたいのかをいっしょに考え、学生が挑戦を通して進路観や価値観を変えていく過程を支えてきました」

Q2.活動をはじめたきっかけは?

中学2年生のときに、道徳の教科書で西岡京治さんを知ったことです。

彼は、ブータンの貧困地域の発展と仕組みづくりにゼロから貢献した人ですが、わたしも西岡さんのように、他者の人生に深く関わりたいと考えるようになって以前から母と、『世の中にはやりたいことをやれない環境にある人がいるよね』という会話をしたり、わたし自身が低身長障害のグレーゾーン当事者で『もっと背が高ければこれができたのに』『これを言われなくてよかったのに』と悩んでいたことから、西岡さんの話に強く惹かれたのかもしれないです。

そこから活動をはじめたのは、大学1年生のときにフィリピンに短期留学をしたことがきっかけでした。物質的には日本よりも貧しい環境でしたが、心から笑って家族と時間を楽しんでいる姿が印象的で。それまでは『貧困=不幸』という偏見を無意識に持っていましたが、価値観が変わりましたね。

本当に危機感を持つべきは、豊かであるはずの日本の幸福度が低いことだと気づいて。まずは国内の問題に意識を向け、自分ごととして考えることができる『障がい』と『学生』に関わる分野を選びました」

Q3.活動する中で、印象的だった出会いは?

活動とは直接関係が無いのですが、昨年の夏に訪れた和歌山で素敵な出会いがありました

ひとりでいる時間を大切にするタイプなのですが、ある日、山に行きたいと思っちゃって(笑)。漠然としたイメージで和歌山を選び、次の日には新幹線のチケットを片道分だけ買って行きました。

山奥の田舎を訪れると、よそから来た人間はすぐにわかるんですよね。何しに来たの?と聞かれて、『狩りをしてみたくて、一旦山を見に来ました』と言うと、きこりの人が案内してくれて。

きこりのお仕事やシカ狩りを体験して、その肉を食べたり寝泊まりまでさせてもらったりと、見ず知らずの人間なのにすごく親切にしてもらえて。一週間お世話になったあと、東京に帰ってから網猟免許を取ったんです」

Q4.活動するうえで、大切にしていることは?

どちらの活動にも共通するのは、相手のために何ができるかを考えるということです。具体的には、いろんな選択肢を知っている状態になってもらいたい。

就活で迷う学生がいたのですが、話を聞いていくうちに、やりたいことは就活じゃなきゃいけないのかというところに行きついて。起業しても、山暮らししてもいいかもしれない。最終的に就職するにしても、いくつもの選択肢を知ったうえで就活をするほうが人生が豊かになると思っています。より多くの提案ができるようわたし自身も勉強していますし、先ほど話した和歌山での経験なども、相談に乗る上で間接的に活きています。

『一人暮らし支援』で考えると、親は子どもよりも先に死んでしまう。だからこそ、家族にとっては不安かもしれないけれど、人生の選択肢を広げるために、一人暮らしを推奨しています

Q5.将来の展望は?

『一人暮らし支援』をほかの事業所や会社も取り組むような大きな取り組みにしていきたいです。この活動は、支援者が手を離した瞬間にダメになってしまう可能性を持っているので、継続的に取り組めるような仕組みをつくりたくて。障がい者支援は日本だけじゃなくて、途上国でも先進国でも大事な問題だと思うので、国内外に広めていきたいと考えています。

最近は国内の問題を軸に活動してきましたが、海外への興味もまだ残っていて。この取材のあとすぐに、タンザニアに行きます。現地の様子を見て、新しい視点を持って帰りたいです。

将来は就職を考えているのですが、最終的には山で一人暮らしして、自給自足の生活を送ってみたいですね。そのためにも、お金を貯めることが当面の目標になりそうです」

岩﨑美怜のプロフィール

年齢:19歳
出身地:東京都大田区
所属:早稲田大学政治経済学部、武者修行プログラム
趣味:狩猟、1人散歩、おしゃべり
特技:圧倒的コミュ力、演技(演奏)
大切にしている言葉:これからの人生でいちばん若いのは今

岩﨑美怜のSNS

★Instagram


Photo:Nanako Araie
Text:Yuzuki Nishikawa

SNS Share

Twitterのアイコン

Twitter

Facebookのアイコン

Facebook

LINEのアイコン

LINE

Yuzuki Nishikawa

View More