Steenz Breaking News

世界中の若者が集まり社会問題を考える「One Young World Summit」とは?【Steenz Breaking News】

世界中の若者が集まり社会問題を考える「One Young World Summit」とは?【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、世界各国から若者が参加し、交流を深めながらさまざまな社会問題について議論・提案をおこなう「One Young World Summit」についてご紹介します。

ドイツで「One Young World Summit 2025」が開催

11月3日から6日にかけて、ドイツ・ミュンヘンで「One Young World Summit 2025」が開催されました。


「One Young World Summit(以下、OYW)」とは、次世代リーダーの育成と国際交流を目的に開催される地球規模のサミットのこと。参加者は、18歳から32歳までの若い世代の人たちです。毎年秋ごろに開催され、世界の190を超える国と地域から2000名以上が参加しています。会期中、参加者たちは気候変動から持続可能なビジネスの構築、最新テクノロジーの活用、紛争問題まで、さまざまな社会問題についてディスカッションやワークショップ、講演会などを通じて考えます。

サミットには、若者だけでなく、各国の要人やノーベル平和賞の受賞者、グローバル企業のCEOらも参加。次世代を担う若者たちにアドバイスをしたり、若者が考えた課題解決のアイディアに耳を傾けたりと、世界の政治やビジネスの最前線に立つリーダーたちと次世代リーダーたちの交流・意見交換の場にもなっています。

OYWは2009年に世界経済フォーラムで開催が宣言されてから、2010年2月にイギリス・ロンドンで第1回がおこなわれました。その後、開催国を変えながら継続的に実施。次世代リーダーが国境を越えて集まり、より良い世界を目指した議論をおこなうことから、「ヤングダボス会議」という別名もあります。

エンタメ企業の支援で、日本からも若者が参加

OYWへの参加者は、日本からも派遣されています。大学生から若手ビジネスパーソンまで、これまでに多くの若者がOYWに参加し、社会問題について考え、自身の活動や仕事に結び付けてきました。

特に2022年からは、俳優や歌手のアーティストマネジメントなどを手がけるエンターテインメント企業、株式会社アミューズが参加者の募集・派遣を担当。

同社はさらに2023年に一般財団法人みらいエデュテインメント財団を設立し、OYW参加者への参加費や渡航費、宿泊費、食費などの支援もおこなっています。

今年のOYWでは、どんなテーマが扱われた?

今年のOYWでは、どのような議題が取り上げられたのでしょうか。

サミットの公式プログラムを見てみると、環境問題から人種差別問題、平和の実現、ビジネス関連の話題まで、多岐にわたるテーマで講演会やパネルディスカッションなどのスケジュールが組まれていました。

その一部をご紹介すると、例えば以下のようなテーマで、講演会やディスカッションがおこなわれたようです。(日本語訳は筆者が実施)

  • Reflections on three decades since the end of Apartheid(アパルトヘイト終結から30年を振り返る)
  • Danone: Building A Sustainable Business Combining Economic Performance And Positive Impact.(<ダノン後援>経済的パフォーマンスとポジティブな社会インパクトを両立させる持続可能なビジネスの構築)
  • Peace through enterprise: can business be a force for peace?(企業が取り組む平和:ビジネスは平和をもたらす力となりうるのか?)
  • How to use Gen AI’s unlimited potential – Amplify your mission, tell your story with creative content, raise awareness (& funds)!(生成AIの無限の可能性をどう活用する? ミッションを拡大し、創造的なコンテンツであなたのやりたいことを世の中に伝え、認知度を(資金も)高めよう!)
  • Unicef Panel: Learning Without Boundaries: Advancing Education Access While Protecting Children in Learning(<ユニセフによるパネルディスカッション>境界なき学びー子どもの学習環境を守り、教育へのアクセスを拡大する)
  • Energy Resilience in an Energy-Hungry World: The Critical Role of Nuclear in Europe’s Future(エネルギー不足の世界の復旧力:欧州の未来における原子力の決定的役割)

OYWでは初日の開会式のあと、閉会式がおこなわれる日まで、朝8時半ごろから夜7時~8時ごろまでほぼ隙間なくスケジュールを組み、上述のようなテーマで参加者の学びや議論を促していくのです。

2027年、ついに東京で開催へ

2026年のOYWは、南アフリカ・ケープタウンで11月に開催されます。

 

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そして、その翌年、2027年の開催地は、東京となることが発表されました。開催期間は2027年9月28日から10月1日まで。東京・有楽町にある「東京国際フォーラム」をメイン会場として、OYWがおこなわれます。アジアでの開催は、2015年のタイ・バンコクに続き2都市目とのこと。東京には多様な企業が集まっていることから、世界各国の若者たちと共に未来を見据えた深い議論がおこなわれることが期待されます。

日本ではまだあまり知られていないOYW。東京での開催をきっかけに、多くの若者や企業がこのサミットに注目し、日本からも今以上に社会問題の解決に向けたグローバルな動きが多数生まれることを願いたいものです。

Text:Teruko Ichioka

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Teruko Ichioka

ライター・編集

フリーライター。好奇心の強さは誰にも負けない平成生まれ。得意領域もスタートアップ、ビジネス、アイドルと振れ幅が広い。

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