
こんにちは。2025年8月からアメリカに留学しているAiです。新生活がスタートしてから2ヶ月が経ち、あっという間に11月を迎えました!
こちらニュージャージーは、日本よりずっと寒くて、湿度も低いので10月からかなり冷え込んでいます。しかも、暖房をつけるとさらに乾燥するので、ハンドクリームは手放せません。
そんなニュージャージーはニューヨークのベッドタウン的な存在ですが、11月4日に行われたニューヨーク市長選挙では、ゾーラン・マムダニ氏が当選しました。BBCの報道によれば、同市史上最年少で、南アジア系かつイスラム教徒としても初の市長だそうです。
2001年のアメリカ同時多発テロから24年。イスラム系過激派組織による事件で多くの命が失われ、以後、イスラム教徒への偏見が根強く残ってきたはずですが、そんな街で、イスラム教徒のマムダニ氏が市長に就任したことに、アメリカ社会の変化の速さに驚きを感じました。
アメリカで驚いた7つのこと
そんな感じで、日本と歴史も文化も異なるアメリカでは、驚くことばかり。今回は2ヶ月間のアメリカ生活で特に驚いた7つのことについてお話しします。

① 体型維持の難しさ
アメリカで生活を始めたわたしを悩ませているのは、「体型維持」。現地の友人によると、「大学1年生は15パウンド(約7kg)太る」と言われているそうです。思い当たる節しかありません(泣)。
ビュッフェ式の学食、1日3回のアイスクリーム、夜中のスモアやチップス、ラーメン、そして外食ではポテト、お肉、バーガー……。体型の変化が表れて当然です。
友人たちは「大学に入ったら誰でも少しは体型が変わるものだし、それは悪いことじゃないよ」と励ましてくれました。確かに、アメリカでは”健康”の基準が日本とは少し違うように思います。例えば、私が体型管理を気にしてカロリーを確認していた時には、友人から「太ってもいいんだよ! 悪いことじゃないんだよ!」と言われ、健康を考えているのに……。と少しモヤモヤ(泣)。
日本人のわたしにとっては、体調や体型の変化に戸惑いながら、改めて「自分に合った健康のあり方」を考えるきっかけになりました。
しかし、アメリカは油分や糖分の多い食事ばかり。ここは「食事制限だけで体型を維持できない場所」なんです(泣)。健康を求め毎日サラダとフルーツだけを食べる生活にも挑戦してみましたが、わたしは1週間で飽きて、またジャンクフード生活に戻ってしまいました。
体型維持でいちばん問題なのは、ひとりで運動することが嫌いだということ。友達がいればモチベーションになりますが、ひとりで鍛える孤独な時間が本当に苦手で⋯⋯。そうは言っても、食いしん坊のわたしが食欲を抑えられるわけもないので、最近は、孤独な夜ジムを泣く泣く始めました。

② 部活やサークルにも選考がある!
日本の大学には気軽に入れるサークルと、ハードな部活がありますが、こちらでは基本的に部活のみ。しかも入部するためには本格的なオーディションに合格する必要があるのです。
わたしが実際に参加した、ダンス部のオーディションでは、ゼッケンをつけてその場で振りを覚えて踊るだけでなく、ウォームアップや柔軟まで審査対象でした。
アカペラ部では音域テストに加え、指定曲を4日以内に覚えて歌う課題も。模擬国連ではスーツ着用の面接で、突然政治に関する質問に2分でスピーチを求められました。どれも真剣勝負で、緊張感たっぷりでした。
結果、ダンス部とアカペラ部には合格、模擬国連は2次審査まで突破しました!! なんと模擬国連は第4次審査まであるということで、引き続き頑張ります(泣)。
授業スケジュールの兼ね合いで、現在はダンス部にのみ所属しています。アカペラ部は来年度からの参加予定です。敬語がない英語だからこそ、気軽に先輩に話しかけることができ、振り付けを考える時間がとても楽しいです。
一方で、10チームに分かれてダンスを練習していることもあり、振り付けを担当している友人らは他チームより良い作品をつくらなければならないプレッシャーを感じていました。1年生の段階から他の上級生と一緒に練習に参加するので、最初は先輩たちに意見をはっきり言うことに抵抗がありましたが、年齢や部活内での地位を気にせず話せるのはアメリカの良さだなと思いました。
③ 恋愛文化の違い
アメリカに来て感じたのは、「日本人女性はモテる」ということ。ですが、アニメ好きな男性が理想を押し付けて、話しかけてくるケースもあり、少し疲れてしまうことも。
日本人だと知られると、アニメの話をされたり、「日本の女の子はみんな可愛くて優しい」と言われたりします。うまく説明するのは難しいのですが、時々、相手が「わたし」という人間ではなく「日本人」という国籍に興味を持って話しかけているように感じて、少し不快に思うことがあります。
また、アメリカでは「一緒にご飯に行く=脈あり」という認識が一般的で、日本のように“ただの友達として遊びに行く”という感覚はあまりありません。そのため、恋愛の進展も早く、新学期開始2週間程度で付き合い始める人も多い印象です。
さらに、LGBTQ+への理解も進んでおり、同性間でも距離の取り方に少し気を使う必要があるんです(汗) 自分のアイデンティティをしっかりと主張する国ということもあって、距離感を間違えないように気をつけるようになりました。

④ ダイバーシティ(多様性)
わたしの通う大学では、白人がマジョリティで、次に黒人・ヒスパニック系、そしてアジア人は全体の6〜7%ほど。アジア人の中では、約70%が南アジア出身者で、日本人や韓国人、中国人はほとんど居ません。
「自由の国・多様性の象徴」と思っていたアメリカでしたが、実際には人種ごとにコミュニティが分かれていて、交わることは少ない印象です。ヒスパニック系の友人からも、「肌の色による差別がいまもある」と聞き、衝撃を受けました。地域差はあると思いますが、日本の方が多様性を自然に受け入れている部分もあるのかもしれないと感じました。
⑤ セキュリティの甘さ
日本の大学と比べて驚いたのは、大学施設のセキュリティの緩さ。プライバシー保護のため防犯カメラがほとんどないのですが、留学初期に、寮のお風呂場で隠しカメラが発見され、警察が出動する事件が発生……。
結局、犯人は見つからず、全学生に注意喚起のメールが届きました。ほかにも停電や火災警報の誤作動など、日本ではあまり起きないトラブルが多くあります。ただ、キャンパス全体の治安は思っていたより悪くなく、夜にひとりでジムへ行ける程度の安全は確保されています。
⑥ アスリートへの優遇
大学に通うアスリートに対しては、なんと、テストの日や、課題の提出日、授業の出席規定にまで柔軟な対応が認められているのです。これはわたしが通う大学だけでなく、アメリカでは一般的なものです。日本の大学でも運動部の学生への優遇はありますが、大会の規模が大きくなければ承諾されないことが多いと思います。
そうした違いを見ると、アンフェアだなと思う一方で、「アメリカでいかにスポーツが重要視されているか」を実感します。しかし彼らもスポーツだけをしているわけではありません。生徒の身分証明書カードを図書館のゲートでタッチして、図書館での学習時間を記録できる制度があり、アスリートたちはそれを活用して学習時間を管理しているそう。スポーツと勉強の両立を支えるこの仕組みはとてもユニークだなと思いました。
⑦ 事務手続きの非効率さ
最後に驚いたのは、大学事務の連携体制が整っていないことです。特に入学初期は授業登録や奨学金、保険の相談など、さまざまな事務的な手続きが発生しますが、大学の事務内での情報共有がスムーズではないようで、わたしもキャンパス中をかなり走り回らされました。
それに輪をかけて、メールの返信を2日間待つことになったり、手続きの担当者を探すだけで3日かかったり、日本の大学なら10分で済むようなことが、なかなかスムーズに進みませんでした。対面で話に行くと「〇〇さんに聞いて」とたらい回しにされたことも何度かありました。
合理的な国だと思っていたけれど、効率の悪さに日々、驚かされています。
まとめ
留学生活は楽しいことばかりではなく、このように、文化や習慣の違いに戸惑ったり、悩んだりすることもあります。ここに書いたこと以外にも、電車の汚さやお風呂の習慣の違い、雨が降っても傘をささないことなど、多くの驚きに出会いました。それでも、そのひとつひとつが貴重な経験。自分の将来を広げてくれていると感じています。これからもアメリカでの挑戦を大切にしながら、日々を楽しんでいきたいです。
Ai(渡邉亜衣)のプロフィール
北極に魅せられた国際活動家であり、音楽を軸に生きる表現者。17歳で訪れたグリーンランド最北のカナック村での経験をきっかけに、気候変動や地域社会への関心を深め、2023年にはドバイで開催された「COP28」に登壇し、現地の声を国際社会に届けた。音楽の分野では、国内外でライブを企画・出演しながら、社会との接点を模索。現在は国際バカロレアの知見を活かし塾講師として働く一方、大学で自らの活動をさらに深めている。






