
こんにちは!現在カナダに留学中の安岡美月です。「Mizuki in Canada」では、カナダでの経験や発見をお届けしています。今回は9月中旬に訪れた、「ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園」についてお話しします。
世界初の「国境を越えた世界遺産」
「ウォータートン・グレーシャー国際平和自然公園」は、1995年にユネスコの世界自然遺産に登録されました。ロッキー山脈の真ん中に位置し、カナダとアメリカの両国にまたがっています。2カ国をまたいでの世界遺産登録はここが世界初。カナダ側を「ウォータートン国立公園」、アメリカ側を「グレーシャー国立公園」と呼びます。
公園を中心に東がカナダ・アルバータ州、西がカナダ・ブリティッシュコロンビア州、そして南東がアメリカ・モンタナ州です。
冬は寒さが厳しく積雪量も多いため、入場できるのは4月下旬から9月の約4ヶ月間のみ。まさに限られた季節だけ入れる特別な場所なのです。

2017年の悲劇が残したもの
2017年、この公園で大規模な山火事が発生し、 カナダ側の公園面積の森林の約40%が消失してしまいました。火災が発生してから8年経過した現在も、元の姿には戻りきっていません。ハイキングの途中には、焼けてしまった生々しい部分と、新しい植物が頑張って再生している部分の両方を目の当たりにしました。
このあたりは根が焼けてしまったためか、葉がついていない木が多かったです。また焦げた倒木もたくさんありました。地面の方には雑草や幼木が育ち始めていて、緑が取り戻されつつありました。
カナダでは、空気が乾燥しているため、毎年どこかで山火事が発生しています。山火事によって生態系に大きく影響を与えてしまったり、大気汚染から健康被害に繋がったりなど、大きなリスクを孕んでいます。。
ちなみに、山火事は古い木や落ち葉を燃やし、新しい生命が生み出され、植物の再生から生態系を健全に保つことができるなどの理由でカナダでは、延焼が大きくなりすぎない場合や、人命を含め価値ある資産が脅かされない場合に限り、あえて消化活動を行わないことがあるそうです。

美しい街並みと温もりのある時間
国立公園内にはダウンタウンがあります。北米というよりかはヨーロッパの街並みに似たデザインの建物や道路の舗装が施されており、とても素敵でした。

特に公園内にあるスタバでは、木の匂いと温かさを感じる内装と、自然を意識した店舗オリジナルカップでドリンクが提供されており、特別さがありました。留学生活が始まって3回目の土曜日。不規則で、慌ただしい毎日が続いていた中で、かわいい雰囲気の中のコーヒーはまさに至福のとき!やっと落ち着いた感じがしました。

このあたりには、犬と散歩に来ている地元住民も多数いて、公園内を思う存分楽しんでいる様子を伺うことができました。

また、インフォメンショーセンター付近で、レンジャーのおじ様がいらっしゃり、公園内に生息する少し危険な動物たちの紹介をしてくださいました。ヒグマやグリズリー、ピューマなどの剥製と骨格標本を触りながら、何を食べるのか、なぜ怖いのか、顎の仕組みなどたくさんお話を聞くことができました。

歴史を感じる「Prince of Wales Hotel」
公園の中にある建物は、どれも歴史とユニークさがあり、景色と調和していて魅力的でした。丘の上に建つ「Prince of Wales Hotel」は、公園を象徴する宿泊施設のひとつ。名前にPrince of Walesとついていますが、王子が泊まったことは一度もないのだとか。今回宿泊することはできませんでしたが、いつかゆっくり訪れてみたい場所のひとつになりました!

最後に
いちばん記憶に残っているのは絶景です!山の上からも、川辺からも、丘の上からも、360度大パノラマの美しい景色が広がっています。丘の上は驚くほど風が強く、体が何度か持っていかれそうになりましたが、きっと日本では見ることができないであろう迫力満点の自然を目に焼き付けることができました。山火事からの復興の様子も含め、とても素敵な思い出を作ることができました。

安岡美月のプロフィール
2006年生まれ、福岡育ち。9月から1年間、教育や社会学の勉強のため、カナダ・アルバータ州に留学中。大の動物好きで、実家では4種7匹の動物を飼っている。特技は言語習得と三線。3ヶ月もあれば日常会話くらいまではできるようになる。






