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雨が降ったら仕事は終わり? 天気に左右されすぎるウガンダの生活事情。Hao in UGANDA #17【Steenz Abroad】

雨が降ったら仕事は終わり? 天気に左右されすぎるウガンダの生活事情。Hao in UGANDA #17【Steenz Abroad】

今回の”Hao in UGANDA”は、天気によって影響されすぎるウガンダの生活事情について紹介します。

ウガンダに暮らす上でいつも生活を左右するのは天気。日本にいると台風や大雪などよほどの悪天候にならない限り、人々は日常生活を送れますが、アフリカで天気は1日でも生活を左右する要因になりうるのです。

そもそもウガンダは3ヵ月ごとに雨季と乾季を繰り返します。「アフリカは暑い」という印象を持たれがちですが、ウガンダは1年を通して日本の秋に近い気温で非常に過ごしやすい気候です。また、北部に行くとジリジリと暑く、西部の山周辺では冬のダウンジャケットが必要なくらい寒いため地域による寒暖差があります。

雨季では、週に何度か急なスコールが30分〜2時間ほど訪れるのですが、雨が降ると仕事を中断せざるを得ないことがあるのです。それは、高確率で停電が起こるからです。

街全体が停電すると、家でもカフェでも仕事場でも、インターネットに接続できず充電もできないので、オフィスワーカーは一旦休憩をしたり電気が復旧するまで待ったりせざるを得ません。私も停電してしまった時は読書するなど良い気晴らしにはなっていますが、大事なオンラインのミーティング中に停電してしまうと困っています。また、電気の復旧は6時間ほどで戻ることもあれば2日近く戻らないことがあるので、オンラインでの仕事は余裕をもって終えるようにしています。

また、オフィスワーカーだけでなく、バイクタクシーの運転手や農家、屋根のないマーケットでものを売る人、ストリートフードを売る人、路上の売り子さんなども仕事を中断せざるを得ません。彼らは雲の様子を見てスコールを予知するとすぐにお店をしまい始め、近くで雨宿りをします。

バイクタクシーがいなくなると不便なのは移動。雨が降っているとタクシーの需要が高まりますがなかなか捕まえられず、移動困難になることがしょっちゅうあります。そのため、仕事で対面のミーティングがある時に雨が降り始めると、ほぼ全員が遅刻しますがそれも当たり前のように受け入れられています。

そして雨が降ると毎度発生するのが洪水です。信じ難いですが、アフリカのほとんどの国と地域には排水溝がないのです。スコールが降るとたった10分ほどで道路は冠水し、現地の人は皮肉を込めて通称「プール」と呼んでいます。

とくに、ウガンダの首都カンパラでは丘のふもとは冠水しやすく土地が安いことから周辺にスラムもありますが、一方で丘の上は見晴らしが良い上、雨の被害を受けにくいことから地価も高くなっています。そのため、適度な雨は村の農家にとってはありがたいですが、首都のスラムの住人にとっては生活用水が汚れ劣悪な衛生環境になってしまうなどの被害もあるのです。

移住し始めた頃は、何をするにもスケジュールに影響が出てしまうから不便と感じていた雨ですが、最近は強制的にオフラインの時間がとれたり、家にこもったりするのも気ままでありがたいと感じるようになりました。

きっと、アフリカの人々が時間にとらわれず、今に集中して生きている性格や生活にこの天気が、影響しているのではないかと思います。

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Hao Kanayama

ライター

16歳、初アフリカ大陸上陸。19歳、アフリカ10か国放浪。20歳、ウガンダ移住。ウガンダの現地の会社とNGOの職員として、ストリートチルドレン、シングルマザー、薬物中毒者、孤児の支援を行う。不条理で不都合な世界だけど、その先にある希望を求めて歩き続ける、アフリカの人々の暮らしをわたしの目線から伝え続けたい。少数民族と木登りとテクノがスキ。

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