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各国で進む乗り物の自動運転実験。スペインでは公園内での試験走行が開始【Steenz Breaking News】

各国で進む乗り物の自動運転実験。スペインでは公園内での試験走行が開始【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、各国で進む乗り物の自動運転技術の実験や導入についてご紹介します。

現実のものとなりつつある乗り物の自動運転

運転手不足の解消や交通事故の減少と予防など、さまざまな理由から注目されている自動運転技術。現在、各国で研究および技術開発・導入が進められています。

スペインも、そんな国のひとつです。首都・マドリードにある「カサ・デ・カンポ公園」では、完全自動運転の電気ミニバスが9月15日〜10月24日まで試験走行を実施。自動運転技術を実際の道路状況でテストすることと、公共交通機関をどのように補完できるかを探ることを目的におこなわれました。バスは平日の正午から午後5時まで運行し、1.8キロメートルの環状ルートにある6カ所の停留所を行き来したそうです。

スペインの公園で試験走行中の電気ミニバス

今回、公園内を走行したミニバスは12人乗りの100%電気自動車です。車体には、センサーやカメラ、GPS、バスの「頭脳」にあたる中央処理装置などを搭載。速度や加速度、軌道、ドアの状態などをリアルタイムで監視する高度な装置も組み込まれています。また、今回のプロジェクトでは時速15キロメートルの制限をかけていましたが、通常時は時速40キロメートルでの走行が可能だそうです。


今回の走行中は、運行状況の監視や緊急時に対応するために、安全管理を担うオペレーターも常に乗車していました。とはいえ、道路や信号、歩行者などの認識、加速、ブレーキ、曲がるタイミングなどはバスが自動で決めて運行していたそうです。実際に導入されれば、ヨーロッパ各地で問題となっている運転手不足の緩和などに繋がるとして期待されています。

実験や導入はマドリード以外でも

自動運転の活用は、マドリード以外でもおこなわれています。フランス南東部の人口過疎地域では、2020年から自動運転シャトルバスが配備されました。移動を監視する管制官が常駐し、20分ほどかけて約5キロメートルの範囲を運行しているそうです。利用者からは、好意的な感想をもらっているとのことでした。

もうひとつはスウェーデン・ストックホルムの事例です。数年間、地元の通勤者に自動運転バスのサービスを提供しデータを集め、実験をしました。その他にも、大量輸送や貨物輸送を目的とした無人運転車両が、安全かつ確実に公道を走るための技術開発にも取り組んでいます。

技術と安全、両方のさらなる向上を期待

急速に進む自動運転技術の実験や導入。各国の事例を見ていると、運転手不足の解消や過疎地域の交通手段拡大などメリットが多いように感じます。その一方で、無人タクシーの商用サービスを開始している中国では衝突事故もおきているようです。技術面だけでなく、安全面でもさらなる向上を期待したいですね。

Reference:
Is this the transport of the future? Madrid tests first driverless bus ‘made in Spain’|euronews
This driverless shuttle is changing how people in rural France move around. Will it end isolation?|euronews
CTAG collaborates with EMT Madrid on the first autonomous bus running in Casa de campo|CTAG
Driverless electric bus on public transport seen in Madrid|telegrafi
Autonomous vehicles en route to the city|KTH

Text:Yuki Tsuruda

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Yuki Tsuruda

ライター

鹿児島県在住のフリーライター。販売職や事務職を経験後、2020年5月からフリーランスのライターへ。執筆ジャンルは、ものづくりやSDGsなど。

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