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チャドのお見合い祭りにナイジェリアの双子祭り。アフリカにはどんな祭りがある?【Steenz Breaking News】

チャドのお見合い祭りにナイジェリアの双子祭り。アフリカにはどんな祭りがある?【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、アフリカで開催されるユニークな祭りについて紹介します。

アフリカとアジアからの奴隷がアイデンティティを取り戻すパレード

南アフリカのケープタウンでは、毎年1月2日に「Tweede Nuwe Jaar」と呼ばれるケープタウン・ストリートパレードが開催されます。

 

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パレードでは20,000人以上のパフォーマーと60以上の異なる劇団や合唱団が、18世紀や19世紀の西洋ファッションから現代のハイブランドまで、豪華な衣装に身を包みます。

 

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祭りの発端は、奴隷制度初期にまで遡ります。1652年から1808年の間、当時オランダの植民地下であったケープタウンでは、モザンビーク、マダガスカル、アンゴラといったアフリカ地域の他に、インドや中国、インドネシアなどのアジア地域の子孫である60,000人以上が奴隷にされました。奴隷の中には名前を剥奪され、家族と引き裂かれた人もいました。

1834年に奴隷制が法的に廃止される前まで、1月2日は奴隷化された人々の、休日として認められた日でした。新年を祝うことが許されたその日、彼らは自分たちの文化を象徴する最も派手な服を着て、伝統音楽からジャズ、コンテンポラリーなどを演奏して踊りました。

奴隷制度が廃止された現在、パレードは、社会的および文化的な問題をテーマにしていることが多いそうです。多くの地元のコミュニティが参加し、人々の表現と対話のプラットフォームにもなっています。

独身女性が着飾った男性をパートナーとして選ぶ祭り

チャドやニジェールでは毎年、ボロロ族がパートナーを選ぶ「グレウォール祭り」が開催されています。

ボロロ族は遊牧民、もしくは農業も行う半遊牧民で、彼らの社会では一夫多妻制が認められています。

グレウォール祭りの目的は女性がパートナーを選ぶことで、数日間にわたって続きます。男性はダチョウの羽やビーズで飾られたアクセサリーやカラフルな衣装を見に纏い、化粧を施します。ボロロ族にとって美しさの基準は背の高さと、歯や目の白さであるため、男性は歯の白さを強調する天然の顔料も施しています。

 

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男性は夜明けまで踊り、女性に向けてアピールします。女性はパートナーにしたい男性を見つけると、踊りに参加し、好意を抱いている男性の胸に触れます。結ばれたカップルは結婚まで発展することもあるようです。

双子ばかり生まれる街のお祝いごと

ナイジェリア南西部のイボ・オラでは変わった祭りがあります。その名も「双子祭り」。祭りではあらゆる年代の双子がお揃いの衣装を身に纏って、踊りやショーを楽しみます。

この街では双子をもたない家族はいないと言われるほど、双子の出生率が高いことで知られています。双子の世界平均の出生率は1,000人あたり約12人ですが、イボ・オラでは50人と言われています。諸説ありますが、「オクラの葉と山芋、キャッサバ粉から作られた料理をよく食べること」が何らかのホルモンに影響しているのではないか、と地元では言われているそうです。

イボ・オラで双子は「最高の神オロドゥマーレからの贈り物」として考えられています。彼らにとって、双子を祝うことは伝統的、かつ宗教的な行為なのです。

アフリカにおいて、祭りは、抑圧や社会問題に苦しむ人々が、自分たちのアイデンティティと文化を守るために大きな役割を果たしていることが多いようです。みなさんもアフリカ各地で祭りがどう受け継がれ、どんな役割を果たしているのか調べてみてはいかがでしょうか。

References:
Twyg.「The living fashion history of the Kaapse Klopse」
BKIDS「Cape Town Minstrel Carnival」
Northeastern Global News「Mixed-race South Africans build cultural identity through musical groups, Northeastern research shows」
ALJAZEERA「Seeing double in Nigeria’s ‘twins capital of the world’」

Text:Hao Kanayama

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Hao Kanayama

ライター

16歳、初アフリカ大陸上陸。19歳、アフリカ10か国放浪。20歳、ウガンダ移住。ウガンダの現地の会社とNGOの職員として、ストリートチルドレン、シングルマザー、薬物中毒者、孤児の支援を行う。不条理で不都合な世界だけど、その先にある希望を求めて歩き続ける、アフリカの人々の暮らしをわたしの目線から伝え続けたい。少数民族と木登りとテクノがスキ。

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