
「気になる10代名鑑」の1105人目は、松本友弥さん(18)。フリーのカメラマンをめざして、建築写真やイベント撮影などに取り組んでいます。「好きな写真が仕事にできるなら、毎日だって働きたい」と語る松本友弥さんに、活動のきっかけや活動をするうえで大切にしていることをきいてみました。
松本友弥を知る5つの質問

Q1.いま、いちばん力をいれている活動は?
「カメラマンとして建築写真、イベント撮影、少年野球の撮影など幅広く取り組んでいます。
不動産会社カメラマンとして、投資用物件のマンションの外観やエントランスを撮影することも。投資家の目に魅力的に映るよう、広く見せるための構図作りをしたり、線が歪まないようにバランスを調整したりと、業界ならではの工夫があるんです。
いまは、日本大学芸術学部写真学科で学んでいて、大学では自分の表現に磨きをかける毎日です。1年生のうちはいろんなジャンルの写真に触れられるので、自分で買うにはハードルが高いカメラにも挑戦できます。特にフィルムカメラは、質感が普通のカメラとは違うので、すごく楽しかったです」
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Q2.活動を始めたきっかけは?
「もともと登山が好きで、山頂から見た絶景を写真で記録したいと思ったことがきっかけです。本格的なミラーレスカメラを買ったことで、だんだんと写真やカメラへの興味が強くなりました。
高校生になってからは、文化祭や体育祭で写真を撮影するようになりました。最初は先生に集合写真をとってほしいと頼まれただけでした。でも、せっかくだからと準備や当日の出し物や楽しそうなクラスメイトの様子も撮影したんです。行事のあとに、その写真や動画を編集してクラスメイトに見せたら、みんなすごく喜んでくれて。写真を通して人に喜んでもらえることが自分もすごくうれしくて、本格的に写真を学びたいと思うようになりましたね」
Q3.活動する中で、印象的だった出会いは?
「現在働いている不動産会社のカメラマンの先輩との出会いです。
フリーのカメラマンは週7で仕事をして、休みの日がないことが当たり前で。その事実をはじめて知ったときは、すごく大変な仕事だと衝撃を受けたことを覚えています。
だからある日、先輩に『カメラマンの仕事は辛くないですか』と聞いてみたんです。そうしたら先輩は、『休みがなくても好きな仕事だから、ぜんぜん辛くないよ』と教えてくれて。そうやって楽しそうに話す先輩の姿をみていたら、ぼくもそうやって週7でカメラマンとして働く人生を歩みたいなと思うようになりました。
いまは学業との両立もあって週に2回ほどの出勤頻度ですが、毎回8時間働くのは全く辛くないです。カメラが好きだからこそもっともっと上手くなりたいと思うし、何度も撮影したいと思うからかもしれません」
Q4. 活動するうえで、大切にしていることは?
「人とのつながりを保ち、広げていくことを大切にしています。フリーのカメラマンは、知り合いから仕事をいただくことが多いので、少しでも撮影の依頼につながるチャンスは逃さないように意識しています。
具体的には、初めて会った人にも『写真を撮ってみたいと思ったことはありませんか?』と声をかけたり、自作の名刺を渡して、いつでも連絡してもらえるようにしていて。さらに、報酬が発生しない誘いでも、写真につながるものであれば必ず参加するようにしています。カメラマンは同時に営業マンでもある、と実感しますね。
依頼につながるかどうかはわからなくても、とにかくいろんな人に会ってみる。これは時間のある大学生の今だからこそできることだと思います。一つひとつの出会いや機会をとても大事にしながら活動しています」
Q5. 将来の展望は?
「最終的な目標は、『フォトグラファー』として活動することです。
あくまで僕の中での区別ですが、カメラマンはクライアントの要望に応える写真が中心で、フォトグラファーは自分の写真そのものを求めてもらえる存在だと思っていて。写真だけでなく撮影者としての自分に価値があるのは、とてもかっこよくて、憧れるんです。
さらに、広告のポスターを撮影することも目標のひとつです。目的のある写真が好きなので、クライアントと近い距離で仕事をし、喜ぶ姿を直接見られることに魅力を感じています。撮影技術が上がるにつれて単価も上がっていきますが、それ以上に『この人に頼んでよかった』と思ってもらえる存在になりたいです。
最近はポートフォリオを見て直接依頼をもらえるようになってきていて、自分の写真に価値を感じてもらえる実感も出てきました。将来的には、その写真で生活を成り立たせられる未来を築いていきたいです」

松本友弥のプロフィール
年齢:18歳
出身地:東京都世田谷区
所属:日本大学芸術学部写真学科
趣味・特技:写真、動画編集、映画
大切にしている言葉:卵を一つのカゴに盛るな
松本友弥のSNS
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Photo:Nanako Araie
Text:Rinna Koike






