
「気になる10代名鑑」の1092人目は、 篠田曉 さん(14)。中学1年生のときに、旅行先へ持って行った古いデジカメをきっかけに、街中で目に留まった日常を、スナップ写真として切り取る活動を続けています。将来は、雲の上の世界を撮ってみたいとイキイキと話す篠田さんに、活動の原点や今後の展望を詳しく聞いてみました。
篠田曉を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「街を歩いていて目に入ったものを、写真にしています。スナップが中心で、週に1回くらい撮影に出かけますが、カメラ自体はいつも持ち歩いています。
何を撮ろうと決めているわけではなく、気になったものや好きな雰囲気に出会ったときに、シャッターを切ります。たとえば、商店街の景色に立ち止まったりすることもあれば、滝を撮りに行こうと出かけて、結局まったく違うものを撮っていたりすることもあって。
写真を撮るときは感覚重視で、ほかの人だったらどう切り取るかを考えながら、自分なりの方法や構図を試し続けています」
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「中1のときに行った沖縄旅行に、家に眠っていたコンパクトデジカメを持って行ったことがきっかけです。空港での待ち時間、何気なくそのカメラで飛行機を撮ったら、自分の目で見るのとは違う世界が写っていて。その瞬間から、カメラに夢中になりました。
その後すぐに中古のフィルムカメラを買って、いまは一眼のミラーレスも持つようになりました。光や影の具合をどう切り取れば綺麗に見えるかということを常に考えつつ、映画のような横長の比率で撮ってみたり、左右対称の構図にこだわってみたり、日々写真を通していろんな実験をしています」
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Q3. どんなことをテーマに活動をおこなっていますか?
「『個性』です。身長や目の高さが違うだけでも、撮れる写真ってひとそれぞれ変わると思っていて。だからこそ、『自分にしか撮れない写真』を意識しています。
これまで撮った写真のなかで、いちばん自分らしいと感じるのは、カフェで、何気なく目の前にあった椅子を撮ったもの。考え込んだわけじゃなく、ふと視界に入ったものを自分なりにかたちにして残せた瞬間だと思います。
レタッチは、SNSを見ながら独学で勉強していて。色味を微調整し、自分の感覚で『ここがしっくりくる』と思える仕上がりを探しています」
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Q4. 活動をする中でつらかったことは?
「中2のときに体調を崩して、不登校になったことです。強い頭痛で朝起きられなかったり、外に出られなくなることもあって。好きな写真を撮りに行くのも難しくて、しばらくは自宅にいる日々が続きました。
でもその分、家でカメラのことを考える時間は増えて、リハビリのように少しずつ撮影を再開しようと思ったんです。実際にカメラを構えているときは集中できて、頭痛も忘れられることに気づきました。最近では、地元の名古屋を飛び出して、静岡や東京まで活動の幅も広げられるようになって。カメラを通じてこれまで知らなかった世界に踏み出せるようになったのは、予想もしていなかった大きな変化でした」
Q5. 将来の展望は?
「専門的な写真の知識を学んでいないひとが見ても、心に残る写真を撮りたいです。
いつかは個展も開きたいし、雲海や、教科書で目を奪われたマチュピチュのような、雲の上の世界を撮ることも夢のひとつです。進学先はまだ迷っていますが、写真だけに限らず幅広く学びながら、オリジナルの表現を磨いていきたいと思っています」
篠田曉のプロフィール
年齢:14歳
出身地:名古屋市守山区
所属:名古屋市立守山東中学校
趣味:写真/映像撮影、バスケ観戦、ビートボックス
特技:(少しだけ)ビートボックス
大切にしている言葉:個性
篠田曉のSNS
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初めて自分以外のSNSに自分の写真が載るって経験をしました。
ありがとうございます。— m飴@(えむあめ) (@m_ame_bbx) July 21, 2025
Photo:Nanako Araie
Text:Mizuki Maeda