
「気になる10代名鑑」の1119人目は、山岸輪清さん (18)。今年5月に開館した民主主義博物館という施設で、運営を担当しています。対話の精神を持った主権者であふれる社会の実現を目指していると話す山岸さんに、活動のきっかけや今後の展望まで詳しく聞いてみました。
山岸輪清を知る5つの質問

Q1.いま、いちばん力を入れている活動は?
「今年5月に開館した民主主義博物館という施設で、運営を担当しています。現在所属している日本若者協議会が運営母体なのですが、おもにイベントや展示の企画をしています。
展示の企画は、オープン前の1月ごろから携わってきました、若者や政治に関心のない人にも触れやすい展示にしたいと思いながら、準備を進めました。
オープンしてからは、『政治家おしゃべり会』と題したイベントも実施して。政治家と若者の接点づくりをおこなっています」

Q2.活動するうえで、大切にしていることは?
「人の役に立つことと、社会をより良くすることを自分の軸にしています。
思えば、幼いころから人の役に立つことを進んでおこなってきて。中学生のころには、学級委員や班長のような集団をまとめる役職にも挑戦して、みんなが生活しやすい学級づくりもしてきました。
クラスメイトが登校するよりも早く学校へ行き、教室を掃除したこともあって。常に誰かの役に立ちたい思いが、生活の軸にあるんだと思います」

Q3.活動をする中でつらかったことは?
「自分がやっていることは社会にとって本当にいいのか悩んだことがあります。
学校の中での小さな気配りから、影響力の大きい団体での取り組みまで、さまざまな活動をしてきました。その中で、いまの自分の行動は本当に他者のためになっているのか、不安になることがあります。社会に対してまだ大きな力を発揮できていないと、無力さを感じて、ひとりで考え込んでしまう日もありました。
そんな日は、大好きなギターを自分の部屋で弾いてリラックスしています。あとは、いままで自分の行動で感謝された経験や、努力を認められた出来事を思い返すと、ほんの少しかもしれないけれど、誰かの役に立てたのだと元気をもらえて。そうした思いを胸に、これからも誰かのために行動し、いずれは社会をよくしていきたいです」
Q4.活動を通して、実現したいビジョンは?
「対話の精神を持った主権者であふれる社会をつくりたいです。
高校時代に熱中して取り組んだ生徒会では、議論が十分に尽くされないまま、意思決定が進んでしまう場面に直面することもあって。その経験を経たことで、誰もが納得できるように、対話を大切にする姿勢の大切を実感するようになりました。
そして、その思いを実現させるために、現在民主主義博物館で『政治家おしゃべり会』を実施しています。このイベントは都議会議員のもり愛さんとお話したときに着想を得たものなのですが、若者が、カフェでお茶を飲むような感覚で政治家と意見交換をすることを通じて、若者が政治に興味を持つきっかけになればいいなと考えています」
Q5.今後の展望は?
「教育に携わりたいです。
日々スピード感を持って、社会を変化させていく政治の力を感じながらも、地に足をつけて、未来の社会を作っていくためには、地道な教育の力は欠かせないと思っています。
若いうちから対話の姿勢を育むことで、未来の日本に、分断ではなく『共生』をもたらす存在になりたいと考えています。そのために大学では教員免許の取得にも取り組み、多方面から社会をより良くするためのアクションを起こしていきたいです」
山岸輪清のプロフィール
年齢:19歳
出身地:神奈川県鎌倉市
所属:玉川大学、日本若者協議会、どーする未来???、School Liberty Network
趣味:音楽
特技:口笛
Photo:Nanako Araie
Text:Taisei Sawamura






