
「気になる10代名鑑」の1098人目は、田所桜空さん(18)。幼い頃からの憧れであるアナウンサーを目指して、合唱団の広報活動や日本語ディベートなど、伝えることに注力した活動をおこなっています。興味をもったことにはなんでも挑戦したいと語る田所桜空さんに、活動のきっかけや背景をきいてみました。
田所桜空を知る5つの質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「アナウンサー志望の高校3年生です。
小さい頃からテレビっ子で、普段からテレビに映るアナウンサーという職業が身近にあって。将来の夢としてアナウンサーを意識したのは小学4年生のときです。災害時に自身も危険な状態でありながら、被害に怯える視聴者のことを第一に考え、冷静なアナウンスをする姿を見て、なんてかっこいいんだと憧れを抱いたんです。
それから、言葉で伝える・発信するといったことに広く興味を持つようになって。いまは小学3年生のときから所属している足利市の少年少女合唱団で広報をしたり、日本語ディベート部に所属して自分の意見を伝える力を磨いたりしています」
Q2.影響を受けた人物は?
「合唱団の指揮者の先生です。足利市少年少女合唱団は、幼稚園児から高校生まで、30人ほどの幅広い世代が所属している団体で。地域のイベントやデイサービスから、ウィーン少年合唱団とコラボするような大きな舞台もあります。
そんな合唱団の1人でしかないわたしに、先生は期待をしてくれたんです。難しいパートを任せてくれたり、もっとうまくなれると声をかけてくれて、困難を乗り越えるたびに褒めてくれて自分の可能性を信じてくれる人がいるという実感が、挑戦してみようという気持ちにさせてくれました。
先生と出会ってから、引っ込み思案でやりたいことに手を挙げられなかったわたしが、だんだんと積極的な性格に変わっていったと思います」
Q3.活動をしている中で、印象的だった出来事は?
「小学校5年生のときに、合唱で難民キャンプがテーマの曲に出会ったことです。その曲に出会うまで、わたしは難民キャンプという言葉すら知らなくて。でも、歌詞を読んでいくうちに、彼らの生活の悲惨さをだんだんと理解していきました。歌詞の重みを感じながら歌ったことを今でも覚えています。
その曲を改めて思い出したのが、高校2年生で出場した国際弁論大会で、世界の人権問題というテーマだったときです。当時は歌と捉えていたものを、改めて自分の言葉にして伝えていくことが面白くて、音楽と言葉のつながりを感じた経験でした。
また、当時の自分のように国際問題をまったく知らない人にも、しっかりと言葉にして伝える大切さに気がついて。そういった意味で、アナウンサーという仕事にもっと憧れを抱きました」
Q4. 最近、新しく始めた挑戦はありますか?
「学生団体連合UNIONというメディアをつくる団体で、アナウンサーとしての活動を始めました。夢のアナウンサー活動の第一歩を歩める場所に出会ったんです。その中で、社会で埋もれがちな学生の声を届けることを目標に、学生団体の宣伝をするニュース番組の作成を頑張っています。
いままでの活動は地元をフィールドにしていたので、地域を飛び出して活動することに最初は不安もありました。でも、志が高くて刺激をくれる仲間と出会たり、同じくアナウンサーを目指す仲間と出会えてやりがいを感じています。
ちょうど先日、学生団体ニュースを初収録して、人生で初めてカメラに撮られながら話す経験をしました。緊張もしたけれどすごく楽しくて、もっとアナウンサーとして経験を積みたいと思いました」
Q5. 将来の展望は?
「国際問題などの情報を、正確に伝達することができるアナウンサーになりたいです。そして、情報だけでなく、自分の思いや考えもしっかり持って視聴者の思いも汲み取れるアナウンサーを目指しています。
一人ひとりがどう考えているかを汲み取るのはむずかしいですが、まずは、問題の当事者の人たちを理解するところから始めたいと思っています。
そのためには、現場に行くことが必要です。大学では国際問題を専門にするので、世界各国に留学してリアルをみて理解を深めていきたいです」
田所桜空のプロフィール
年齢:18歳
出身地:栃木県
所属:栃木県立佐野高校、足利少年少女合唱団、学生団体連合UNION
趣味・特技:音楽を聴くこと、モノマネ、高い声を出すこと
Photo:Nanako Araie
Text:Rinna Koike