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グロテスクなものが「可愛い」を引き立てる。「相反するものの共存」をテーマに創作する大学生【髄・19歳】

グロテスクなものが「可愛い」を引き立てる。「相反するものの共存」をテーマに創作する大学生【髄・19歳】

気になる10代名鑑」の1075人目はずいさん(19)。自分の思う「可愛い」を追求し、イラストやハンドメイドアクセサリーの制作をしています。洋服作り・作曲・写真など多岐にわたって活動する髄さんに、活動のテーマとなっている「相反するものの共存」についてや今後の展望まで、詳しく聞いてみました。

髄を知る5つの質問

Q1.いま、いちばん力を入れている活動は?

「昔から好きなイラスト制作と、最近始めたハンドメイドアクセサリーの制作です。始めた時期は違いますが、どちらにも熱を込めて向き合っています。

あとは、作品を知ってもらう機会を増やすために、デザインフェスタなどのイベントにも参加しています。イベントに参加するにはかなりの準備が必要で、大変ではありますが、実際に作品を見てもらったり、感想を聞いたりできる貴重な機会なので、毎回楽しんで参加しています」

 

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Q2.どんなことをテーマにして、創作活動をおこなっていますか?

『可愛いものとその対極に存在するものを共存させる』をテーマにしています。

どんなに可愛いもの、美しいものでもどこかグロテスクな側面があると考えていて、そこを汲み取って表現することで、さらにそのものの魅力を引き出せるのではないかなと。例えば、生花は時間が経つと色が褪せ、しわしわになりますが、その枯れた姿に見出せる悲しさや儚さも、生花の魅力のひとつだと思うんです。

また、このテーマには世の中で当たり前とされている可愛さ、美しさへの反抗心も含まれています。100人に見てもらっても、100人全員に可愛い、美しいと評価してもらえるわけではないけれど、相反するものの共存によって生まれる魅力をもっと多くの人に感じてほしいなと思います

Q3.活動を始めたきっかけは?

イラストも、ハンドメイドアクセサリーも、『好き』という気持ちが出発点です。

幼少期から絵を描くことがとにかく好きで。最初はコピックペンというマーカーを使って、アナログで絵を描いていて、ラメやフリルを使った立体的な表現を楽しんでいました。中学生の頃に液晶タブレットを手に入れてからは。デジタルでの表現が中心になっていきました。

どんどん絵を描いているうちに、『わたしの信じる可愛い』を広めたいという気持ちが芽生えて、テーマを据えた作品を作るようになりました。

よく、自分の作品は不気味と言われることが多く、周囲になかなか理解してもらえませんでしたが、それでも自分の好きを詰め込んだ作品を作り続けていって。すると、SNSで作品を発信するうちに、それを好きと言ってくれる人に出会うことができたんです。

ハンドメイドの作品も同様に、好きなものを起点にしています。最近は、ただ可愛いだけではなくて、いろんなの使い方ができるというような実用面を保つこともテーマのひとつです。今日身につけているリボンも複数の使い方ができるんです」

Q4.活動をしている中で、印象的だった出来事は?

初めてイベントに参加したとき、わたしの作品を好きだと言ってくれる人に出会えたことです。

自分の一番のファンは自分であるという気持ちを常に持ってはいるのですが、右も左も分からない初めての状態だったので、あまり思うようにいかず、悩んでいました。

そんななかで、目の前で自分の作品の魅力に気づいてもらえて、そして購入してくださったことが、とても嬉しかったのを覚えています。

この出来事は、いまもイベント参加のモチベーションになっていて。作品というのは制作者の好きと、見てくれる誰かの好きによってつくられているのだと考えるようになりました。

世の中にはたくさんの素敵な作品があるし、その中でわたしを見つけてもらうことはとても難しいと思います。でも、手を止めずに作品を作り続けていれば、いつか誰かに見つけてもらい、良い評価をもらえると信じています」

Q5.将来の展望は?

「夢は『わたしの可愛いをみんなの可愛いにすること』です。王道からは少し外れた作風ですが、好きだといってくれる人を増やしてわたしにしか作れない可愛さを広めていきたいです。

具体的にはグループ展や個展などのイベントを開催したいと思っています。

世の中にはイラスト、アクセサリー、洋服、音楽など様々な表現がたくさんあります。自分で作品を作ることはもちろん好きですが、それと同じくらい誰かの作品を見ることも好きなので、素敵な作品達に出会える場や、コミュニティを作れるようになりたいです。

他にも、洋服作り、作曲、写真など創作活動全般が大好きなので、それらを大集合させて、わたしの可愛いが詰まった空間をつくりたいと思います

髄のプロフィール

年齢:19
趣味:お絵描き、裁縫、楽器演奏(バイオリン・ベース)
特技:意図的にお腹を鳴らせること
大切にしている言葉:「何も捨てることができない人には 何も変えることはできない」(『進撃の巨人』アルミン・アルレルト)

髄のSNS

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Photo:Nanako Araie
Text:Manami Tanaka

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Manami Tanaka

ライター

2003年生まれ。千葉県出身。立教大学文学部日本文学専修に在学中。「エモい」という言葉に違和感を持ったことをきっかけに、古きを懐かしみ、新しきに出会うためのZINE『Kaico』の制作を始める。大学では菊池寛が描いた少女小説を研究中。2024年より、ライターとして「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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