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国内にも存在するフェアトレードスクール認定校。北海道唯一の認定校・清田高等学校の取り組みをご紹介【Steenz Breaking News】

国内にも存在するフェアトレードスクール認定校。北海道唯一の認定校・清田高等学校の取り組みをご紹介【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、「フェアトレードスクール認定校」についてご紹介します。

日本でも増えているフェアトレードスクール認定校

スーパーなどで専用のコーナーがつくられたり、イベントが開催されたりするなど、以前よりフェアトレード製品を身近に感じる機会が増えています。フェアトレードとは、開発途上国の製品や原料を適正な価格で取り引きすることにより、その地に暮らす生産者や労働者の生活改善や自立をサポートできる貿易の仕組みです。

一般社団法人日本フェアトレード・フォーラム(以下、FTFJ)によると、近年は小学校や中学校、高校などでも、フェアトレードについて学ぶ機会が増えているとのこと。その中でも、FTFJのホームページに載っている3つの活動のうち、ひとつでもおこなっている学校は「フェアトレードスクール」に認定されるそうです。

認定の基準となる活動は「学校内外でフェアトレード普及を目指し、継続的に活動している」「学校内でフェアトレード産品の、利用または販売を継続的におこなっている」「フェアトレードに関する学習や研究を、継続的におこなっている」の3つ。ちなみに、2025年7月時点でFTFJの公式ホームページには、認定された10校の名前が掲載されています。

北海道唯一の認定校「市立札幌清田高等学校」の取り組みとは

2025年1月に、北海道初となるフェアトレードスクールに認定された高校があります。それが、市立札幌清田高等学校のグローバルコースです。同校は、フェアトレードに関する活動を10年前から続けており、「国際協力」という授業の一環で、学校祭にてフェアトレードカフェを運営しています。

カフェでは、さまざまな団体からフェアトレード製品を仕入れ、ポップを作成するなど工夫を凝らしながら販売しているのだそう。ただ売るのではなく、フェアトレードを知ってもらう、興味をもってもらうためのアクションも忘れない点が素晴らしいですね。これにより、学校祭後には多くの生徒がフェアトレードの仕組みを理解するようになりました。カフェの売り上げの一部は「公益財団法人民際センター」に寄付。「ダルニー奨学金」という、経済的な理由で中学生教育を受けられない子どもたちを支援するシステムに使用したそうです。

今年の学校祭ではフェアトレード紅茶の販売を実施

2025年7月12日に開催された学校祭「第50回清田祭」では、フェアトレード紅茶が販売されました。

今回販売されたフェアトレード紅茶は、札幌市のIT企業「プロテック株式会社」と就労支援施設が協働で製品化したもので、茶葉はダージリンとディンブラの2種類です。茶葉の調達は、サステナブルな商品企画・販売をおこなう株式会社エシカルタイムが担当。パッケージデザインは、就労継続支援B型事業所の利用者が描いたアート作品の中から、投票によって選ばれています。この投票には、清田高校の生徒たちも参加しました。

学校祭当日、生徒たちは商品を販売しながら、フェアトレードや、福祉施設を利用する方々の新たな仕事創出などについて、お客さんに丁寧に説明していたそうです。生徒たちは今回製品化に携わったことにより、授業だけでは得られなかった学びもあったはず。そこも含め、多くの来場者に自身の言葉で伝えられたのではないでしょうか。今後も、清田高校の活動を応援したいですし、フェアトレードスクールの広がりにも注目していきたいですね。

Text:Yuki Tsuruda

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Yuki Tsuruda

ライター

鹿児島県在住のフリーライター。販売職や事務職を経験後、2020年5月からフリーランスのライターへ。執筆ジャンルは、ものづくりやSDGsなど。

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