Fashion&Culture

中野で見つける“クセ”と暮らし。【東京フリマ事情】

中野で見つける“クセ”と暮らし。【東京フリマ事情】

― 誰かが手放したものは、誰かの宝物になる。

フリマで出会うアイテムってそれぞれにストーリーがある。服のシミやほつれから、前の持ち主の生活がわかったり、ハンドメイドのアイテムから、作り手の人柄や想いを感じたり……。そんなビハインドを想像したら、そこで出会ったモノをもっと大切にできる気がする。

そして何より、フリマって”宝探し”そのもの。

無造作に積まれたアイテムの中から、お気に入りを見つける瞬間がたまらなく気持ちいい。古着屋やリサイクルショップもいいけれど、トレンド関係なく、ジャンルや出展者も多種多様なフリマから、自分だけのお宝を探したいんです!

クセのある街の、クセのあるフリマ。

今回訪れたのは、中野セントラルパークで開かれていたフリーマーケット。中野といえば、古着屋や雑貨屋が点在し、高円寺と並んでディープなカルチャーの匂いが残る街。そんな場所だからだろうか、このフリマにもどこかクセのあるもの、ちょっと面白いものが多い気がする。

プロ不可の掲示の通り、並んでいるのは生活感のあるモノばかり。フリマゾーンとハンドクラフトゾーンに分かれていて、昼過ぎには撤収し始める出店者もちらほら。けれど人は途切れず、大学生グループや観光客がそれぞれ気ままに歩いていた。

出店者も他のフリマと違って若い人が多いのも今フリマの特徴かも。マーケット全体の緩やかで穏やかな空気感に包まれて、私たちもゆるくディグを開始。

主催ブースで見つけた100円のウサギ刺繍マフラー

マーケットを歩き始めてすぐ目に入ったのは、主催団体が出店している100円均一コーナー。ここは、出店者さんたちが売れ残ったものを団体に寄付して、次回以降のフリマで100円という破格で並べているそう。

売れ残ったから捨てよう、じゃなくて、それをまた次の人にリレーする。なんだかその仕組みがすごくフリマらしくていいなと思う。

雑多に積まれた中で手に取ったのは、柔らかなベージュのマフラー。端に入ったうさぎとY.Mの刺繍がなんだか気になってしまった。うさぎが好きなY.Mさんが使っていたのかな?

保存状態もすごく良くて、触り心地もとてもいい。大判すぎないから使いやすそうだ。最初はそんなにピンときたわけじゃないけど、使ってみたら意外としっくり。あとからじわっと好きになるものって、なんかいい。

チェックポイント

✅️素材感と軽さ
巻きやすくて心地よいか

✅️ワンポイントの遊び心
刺繍や小さなアクセント

✅️ほつれなどの状態確認

意外とない!どストレートデニム。

マーケットを一通り見ていると、雰囲気のいいお兄さんたちのシートが目に留まる。雑貨も古着もたくさん並んでいて、なんだかセンスありそうな空気感。

声をかけると、出店していたお兄さんはリサイクルショップ勤務の経験者だった。「これは自分がストックしすぎたやつなんですよね」と笑いながら教えてくれた。「デニムって、履くタイミングが難しくて溜まっちゃうんですよ。でも、このアメリカンイーグルは結構どストレートでいいと思うんです」と、おすすめしてくれた。

実際に見てみると、クセがなくまっすぐなストレートシルエット、程よい色落ち、裾の感じもいい。こういうなんでもないけどシルエットが美しい一本って、探すと意外とない。

モカも「こういうの探してた」と即決。500円というプライスがさらに背中を押した。こういう普通にいいデニムって、着こなしの余白を残してくれるから使えるんだよね。そのお兄さんの「溜めすぎた在庫」から、ちゃっかり一本お持ち帰り。

チェックポイント

✅️アウトシームの「耳」確認
赤耳(セルビッジ)があれば、60〜70s以前のディテール。裾をめくってさりげなく確認

✅️トップボタン裏の刻印
小さな“2”や“555”など、工場番号が刻まれていて、これだけでどこで作られたデニムなのかがわかる。ロマンが詰まっているディテールだから、ついチェックしたくなる!!

✅️ヒップポケットの形と位置
小さくて高めだと90s以降、やや大きめだとクラシックな印象。ここを見るだけで時代感がわかるから面白い。

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yu tanoi

ライター

2004年1月1日生まれ、東京都出身。ダンスやサーフィンなどカルチャースポーツに長く慣れ親しんできた。

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