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アメリカの大学受験は日本と一味違う?Michiho in New York #05【Steenz Abroad】

アメリカの大学受験は日本と一味違う?Michiho in New York #05【Steenz Abroad】

こんにちは、現在ニューヨークの大学で演劇を専攻しているみちほです。

現在留学をしている10代・20代のリアルをお届けする企画「Steenz Abroad」。先月から日本に一時帰国しているため、今回は受験生時代を振り返って、アメリカの大学受験についてお伝えします!

英語ができればいいわけじゃない

「英語ができればいいわけじゃない。」改めて文字にすると当たり前なのですが、受験準備を始めたころの私は、この点を甘く見ていました。「とりあえずIELTS(英語の資格試験)に向けて勉強して、良いスコアが取れればいいでしょ」と思っていましたが、実際にはそんな単純な話ではなく、想像の何倍も勉強する必要がありました。

まず学校の成績がとても重要で、可能な限り高い評定を取らなくてはなりません。幸い、高校2年生の時点でそれほど悪くはなかったのですが、それでも高3の1年間は、全てのテストで100点を狙う勢いで勉強していました。さらに鬼門だったのがSATというテスト。アメリカ版の共通テストのようなもので、数学と国語(英語)で構成されています。これがまあ大変……。

数学の内容自体は日本でいう中学〜高校2年生レベルなので、問題そのものはそこまで難しくないものの、英語で出題されるため、数学用語を覚えたり、問題文の意味を正しく理解するのに苦労しました。国語に関しても、英検1級レベル以上の単語がどんどん出てくるわ、シェイクスピアの原文(=古典英語)が出てくるわで、それはそれは苦しめられました。

そして、勉強だけできればいいわけでもない

では、勉強さえできればいいのかというと、そうでもないのが面白いところ。アメリカの大学では「Holistic Review」という選考方法が取られていて、学力だけでなく、エッセイでの表現力や課外活動や実績、パーソナリティなど、さまざまな要素を総合的にみられます。そのため、高2の後半からは勉強に加えて課外活動にも力を入れ始めました。

私は学内外での演劇の活動に加え、「校外プログラム大全」という学生団体の代表もしていたので、高校最後の1年半はずっと寝不足。どの思い出を振り返っても眠かったことを思い出します。また、あまり良い姿勢ではありませんが、作文コンテストにいくつも応募して受賞歴を稼ぐという荒技も使いました(笑)。

そして、大量のエッセイと格闘したことも忘れられません。各大学に提出する個別のエッセイとすべての大学に共通して提出するエッセイ、合わせて20本以上は書きました。しかもエッセイのテーマは単なる志望理由や自分のこれまでの経験についてではなく、「あなたの人生を本にするならどんなタイトルをつける?」などのトリッキーなテーマも多く、仕上げるまでに何週間もかかりました。結果的には、英語力・文章力に加えて、自己理解も深まったので、今となってはいい思い出ですが、当時は毎日ヒーヒー言いながら取り組んでいました。

ド緊張と睡魔と面接

色々と大変だった受験ですが、中でも、一番思い出に残っているのは面接です。私が受験した大学の多くで面接が必要だったので、面接準備にもかなりの時間をかけました。

時差の関係で、朝4時から面接という日もあり、緊張・睡魔・英語という三重苦の中でどうやって乗り切ったのか、自分でもよく覚えていません。それでも、面接自体はとても楽しかったし、勉強にもなりました。各大学の教授と1対1で話して、カリキュラムや学部の特徴などについて聞くことで、自分がどんな学びを望んでいるのかを再認識する機会にもなりました。私がこれまで日本で受けてきた面接は、「私」ついて聞かれることが多かったですが、アメリカの面接では「自分が大学を知る」ことも大事にしてくれていて、とてもやりやすかったです。

そして、受験中で一番ワクワクしたことは、面接用にポートフォリオ作り。これまで自分がデザインしたダンス公演の照明やポスター、書類などを1冊のパンフレットにまとめる作業は時間がかかりましたが、とてもやりがいがあったし、高校生活の集大成のようになりました。今でもたまに見返しては、「頑張ったなあ」としみじみします。面接した大学の教授たちも(お世辞かもしれないけど)褒めてくれて、とても嬉しかったのを覚えています。

今回は、アメリカの大学受験について振り返ってみました。次回は、ニューヨークのお気に入りスポットなどについて、より詳しくお話しできればと思います!

島﨑みちほのプロフィール

ニューヨークの大学に通う東京都出身の大学1年生。演劇の舞台制作、特に照明・舞台監督・プロデュースを勉強中。

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島﨑 みちほ

ライター

2005年生まれ。東京都出身。幼い頃から出演者・裏方として演劇に関わる。大学進学を機に渡米し、現在はニューヨークにあるフォーダム大学シアタープログラムに在学中。ステージマネジメントを専攻しており、学内外でステージマネージャー・照明デザイナー・プロデューサーとして活動中。

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