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「ウチナーンチュ」であることは誇り。沖縄と日本の政治に向き合う大学生【平安名秋・19歳】

「ウチナーンチュ」であることは誇り。沖縄と日本の政治に向き合う大学生【平安名秋・19歳】

「気になる10代名鑑」の994人目は、平安名秋へいあんな あきさん(19)。地元・沖縄や、日本の政治について、政策提言やボランティアを通して向き合っています。「ウチナーンチュ」のアイデンティティを誇りに活動を続ける平安名さんに、政治に興味を持つきっかけとなった友人とのエピソードや描く将来像について聞いてみました。

平安名秋を知る5つの質問

Q1.いま、力を入れていることは?

日本若者協議会という団体で、政策提言や地域ボランティアといった政治活動に取り組んでいます。活動の中でも、自分はとりわけ貧困や教育といったテーマに重点をおいています。

上京する前は、生まれ育った沖縄県で活動してきました。2023年の沖縄全戦没者追悼式では『平和の詩』を朗読して。大好きな沖縄の地の平和を尊び、守っていく大切さをあらためて認識した経験でした。

さらに、個人的な発信活動においては、地元・沖縄の情勢の複雑な歴史にも真摯に向き合いながら、合意形成を目指しています。

ときに対立や分断に繋がりかねない難しさを感じることもあります。でも、それだけたくさんの声が沖縄に宿っているということでもあると思うんです」

Q2.活動を始めたきっかけは?

地元の友人が、両親に代わって小さな弟の面倒をみるヤングケアラーだと気づき、自分もできる範囲で手伝いをしてみた経験がきっかけです。

その友人とは小学校以来の仲で。仲良くなっていくうちにヤングケアラーだという事実を知り、自分が少しでも手を差し伸べられたらと感じたんです。

幸せの基準は個人によって違うけれど、その人なりの幸せを掴める社会でなければいけない。同時に、その社会の土壌は政治の力によってつくられるべきだとも思います。

資料や文献では汲み取れない人の声に向き合ってみて、社会に対する解像度が高まった経験です」

Q3.活動で大切にしていることは?

一度決めたことには最後まで取り組むこと、ひとの思いを汲むことを大切にしています。

自分は昔から、できるところまでやったら諦めがつくかもしれないから、そこまでは徹底的にやるんだという哲学を持っていて。しかし、リアリスティックに結果にこだわるだけでは政治はできないと感じるようになりました。相手に寄り添い、聞き役に回りながら、他者に寄り添える人間でありたいと思っています。

同時に、どこまでいっても沖縄は自分の唯一の故郷で、自分は沖縄の人間『ウチナーンチュ』です。沖縄は、自分をかたちづくってくれている、大切なアイデンティティの一部。だからいっそのこと、本気で沖縄に向き合ってみたいです」

Q4.活動を通して、実現したいビジョンは?

現代を昭和的なあたたかさのある社会にしたいです。 

いまの日本社会では、ひと同士の相互関係が希薄化しつつあります。ですが、近所同士のささやかな歩み寄りや気遣いひとつでも、救われるひとはきっといると思っていて。

わたしは、そうした『光の届かない陰』で生きるひとに真っ直ぐ向き合うことができる政治家になりたいです。最終的には、そのようなひとたちにも光が届く社会を実現したいです」

Q5.将来の展望は?

これからも、政治に、沖縄に携わり続けたいです

そのために、大学では国際政治学を学びたいです。最近自分は、研究対象として中国の存在がおもしろいと思っていて。歴史的に良くも悪くも世界と隔絶されてきた中国が、これからの国際社会でどんな行動をとるのか、分析を通じて考えてみたいです。

正直、自分の将来はまだわからないことばかりです。でもだからこそ、飛び込む価値があると思います。嵐の中に自分で飛び込んでいくような感覚が、自分はすごく好きです。山あり谷ありでも楽しさに変えながら、二元論で解決できない問題に全力で向き合っていきます」

平安名秋のプロフィール

年齢:19歳
出身地:沖縄県中頭部西原町
所属:慶應義塾大学総合政策学部、日本若者協議会
趣味:一発芸の研究
特技:ネクタイを締めること、アラームなしで時間通りに起きること
大切にしている言葉:「運命が君に配る札を愛し、その札を紛れもない自分のものとして受け入れよ」(マルクス・アウレリウス・アントニヌス『自省録』)

Photo:Nanako Araie
Text:Taishi Murakami

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