Feature

【前編】私の卒業 第6期『80年後のあなたへ』公開記念。メインキャスト座談会インタビュー

【前編】私の卒業 第6期『80年後のあなたへ』公開記念。メインキャスト座談会インタビュー

今後の活躍が期待される、若手俳優/女優を発掘・育成する「私の卒業」プロジェクト。5月16日に全国の劇場で公開となる今作『80年後のあなたへ』のメインキャストをつかみ取った7名に「Steenz」では座談会形式のインタビューを実施。今年もクランクアップを前日に控えていた山川ひまり役・渡邉このみさん、中濱謙太郎役・中川翼さん、富田依子役・向井怜衣さん、戸村隆彦役・岩崎碧さん、前島優里役・滝口芽里衣さん、高橋芳人役・皆瀬翔さん、山中あゆみ役・村上なずなさんに作品のことやお芝居に対する熱い想いまで、和気あいあいとお話していただきました。今回は劇中の写真とともにその様子をお届けします!

重いテーマとキュンキュンする恋愛が「わた卒」の魅力

―さっそくですが、最初に脚本を読んだときの率直な感想はいかがでした?

渡邉:​​​​​​​​​​​​​​​​今作のテーマが”未来の平和”ということもあって、登場人物たちが戦争について考える描写があるんです。重いテーマでもあるから、身構えていたんですけど。実際に脚本を読み終えてみると、結構ライトに描かれていたから「こういう描き方もあるんだな」って。新鮮だった。

皆瀬:まずは、戦争についてもっと勉強しようって思ったかな。戦争といえば広島や長崎だったり、東京が被害を受けたイメージが強かったんだけど。脚本を通して、初めて名古屋の被害について知って。改めて、日本全体で戦争が起こっていた過去があるって実感した。ただ「シリアスになりすぎないように」とは監督から言われたよね。

中川:「これぞ、わた卒」って感じの青春っぽい描写もいっぱいあったもんね。

渡邉:多いよね。読んでてキュンキュンした!

―では、それぞれの役を演じるに当たって意識したことは?

皆瀬:僕が演じた芳人は、スマートで大人な雰囲気を持った男性で。関西人でとにかく人を笑わせるのが大好きな自分とは、ちがいすぎる性格だったんです。

中川:いい意味で真逆だよね。

皆瀬:あゆみとレストランで食事をするシーンがあって。それに向けた役作りじゃないですけど、女友だちに何回か食事に付き合ってもらいました。その日は、芳人のキャラクターに寄せて大人の男性を演じてみて(笑)。ちょっとでも「この人なんか変わったな」思ってもらえるように頑張った。

岩崎:そのシーン気になる!

皆瀬:あとはラジオ局のディレクターの役だったので「とにかくラジオを聴け!」って監督から言われて。時間さえあれば聴いてたな。

村上:わたしも味噌カツサンドを差し入れでもらって喜ぶシーンがあって。監督から「まずは味噌カツサンドを大好きにならなきゃいけないんだよ!」って言われたから、携帯のロック画面を味噌カツサンドにしてたなあ。わたしは、ふだん名古屋に住んでるんですけど、味噌カツサンドを食べることって、逆にないんですよ。

岩崎:ぼくと一緒! 矢場とんのわらじとんかつをロック画面にしていました(笑)。

滝口:わたしは、今までダークな役を演じることが多かったんです。でも、優里は祖母のことが大好きだったり、謙ちゃんに思いを寄せていたりと人間らしい感情をもった温かいキャラクター。柔らかい雰囲気を表現するのに苦労しました。演じていても「冷たい女の子に見える」って監督から何度も指摘をいただいて。

向井:わたしが演じる依子は一見、暗い役に見えるけど、過去が原因で人と距離を取るようになってしまっただけで、もともとは明るい女の子なんですよ。だから、根の明るさを表現しつつも、発言に重みを持たせるのは意識したな。

お芝居好きが集まったワークショップで俳優としての意識が変わる

―「私の卒業プロジェクト」は、オーディション合格後も、役が決まる前に演技について学ぶワークショップがありますよね。ワークショップについてはどうでしたか?

岩崎:ぼくは、お芝居が初めてだったので。最初はいろいろと不安もあって、ワークショップの前日は、正直、気が重たくなることもありました。でも、(中川)翼と帰りの電車が1時間くらい一緒で。翼が「まず、ここ直してみ」と一個ずつ、的確にお芝居のアドバイスしてくれたんです。その通りに練習したら、徐々に褒められるようになって。そこからお芝居が好きになりました。

中川:ぼくはお芝居の歴で言ったら、キャストの中ではそれなりに経験がある方ではあったから、その分プレッシャーもあったけど、新鮮さはあまりなくて。だから、みんなのお芝居を俯瞰で見ることを意識したんです。そうしたら「もっとここはこうしたらいいんじゃないかな」とか「あ、そうくるか!」みたいな発見がたくさんあって。逆に他の子からフィードバックをもらうこともあったし、いい関係だったよね。とにかくみんなお芝居が大好きだから。

皆瀬:そうね。大好きすぎる。僕と翼がよく、ワークショップ終わりに、2人で芝居の話をしてて。それに(岩崎)碧が入ったり、女子の何人かが入ったりしたんですけど。あるとき、それが10人くらいの輪になってたことあったよね。そんな環境って、すごい素敵だなって。

中川:次の日のワークショップで、みんな別人みたいに芝居が良くなってたりして。すごく嬉しいよね。

渡邉:うん。もちろん、みんなと意見がちがうこともあったし、うまくいかなくて凹むこともあったけど、俳優としての生き方や、自分自身の人生について、自分がどんな方向性で歩んで行きたいのか、改めて見直す期間になったなって思う。

―ワークショップ後、配役が決まったときの率直な感想を教えてください。

渡邉:ひまりは、登場人物との絡みも多いし、物語のテーマにも深く関わってくる中心人物。わたし自身、芸能活動を一時期ストップしていて、復帰して2作目がこの作品なんです。だから、重要な役を演じることは、責任を感じましたし、正直言って、強さもありましたね。ずっとワークショップでは依子役を選んで演じていたから、選ばれたときは「そうきたか」と思って。

向井:それこそ、依子は人気の役だったから、「わたしにしたことを後悔されないかな」みたいな心配がすごくあった。ちょっと辛い過去を抱えてる難しいキャラクターでもあるし。だから選ばれてからは、依子の過去を毎日想像して、辛い感情を心で覚えるようにしてた。

 

滝口:優里は脚本が出来上がっていくなかで、途中から加えられた役柄なんですよ。優里役ができてから、直感で「上手く演じられるかも」って思って。ずっと希望してきたから、不安もあったけど、嬉しい気持ちが勝ったな。最初から絶対メインキャストに選ばれたいって気持ちもあったし。

中川:オーディションからワークショップに進んだ時点でもまだ60人くらい残っていたから、そこから7人のメインキャストの役に自分が決まったときの達成感は、本当にすごかったよね。

皆瀬:うん。それに、一旦ホッとしたよね。僕は、今期のわた卒のオーディションが行われるって決まったときから、「自分はここで変わらないと」って目標をもっていて。いま、僕が23歳で、周りには就職した友達もたくさんいて。自分の生活をリアルに考えるようになってきた年齢なんです。だから、メインキャストに選ばれて、やっと今後のビジョンが見えてきて。みんなもそうだと思うけど、責任というか、私生活の部分から色々変えていかないとなって、意識が芽生えたな。

村上:わたしがやりたいと思っていたあゆみは大学生だから、高校生の役よりはちょっと年齢が上の子たちとオーディションをやってきてたんです。みんな「この役しかないんだろうな」って覚悟があったんですよね。選ばれてから同じ役を受けてた子たちから「頑張ってね」って連絡をもらうこともあって、嬉しいと同時に、半分プレッシャーで。でも、それを力にして精一杯自分にできることをやろうって覚悟を決めました。

私の卒業 -第6期-『80年後のあなたへ』概要

■公開日

2025年5月16日(金)全国ロードショー

■あらすじ

平和の日が制定できたが、果たしてこれで終わりで良いのだろうか? と考えを巡らせる生徒会長の女の子。
その彼女に想いを抱き、代々続く有松絞りの実家の跡を継ぐ決意をした男の子。
戦争時は疎開先として、戦争の被害にあっていない街、犬山市。
その犬山市に住み、訳あって心を閉ざしている女の子と、矢場とんが大好きな陽気な元野球部員との恋物語。お婆ちゃんからもらった大切なメガネをかけた女の子が、イメチェンをはかる成長物語。
夢を語れずにラジオ局でアルバイトしている大学生の女の子とディレクターの恋。
そんな7人の人物を軸に、戦後80年という節目に、この先の未来に残したいものは何か、という問いに向き合っていき、それぞれが一歩前に踏み出していく青春群像劇。

■予告編

■作品情報

私の卒業 -第6期- 『80年後のあなたへ 』

【私の卒業プロジェクト第6期 出演者】
渡邉このみ 中川翼 向井怜衣 岩崎碧 滝口芽里衣 皆瀬翔 村上なずな 寺島季咲 沢田京海 平田風果 千葉青八 鈴木夢 國分瑠真 瀧澤僚太 櫻井亜蓮 内山優花 野崎珠愛 Hitomi 山本藍 平川丈 川口飛雄我 斎藤さらら 松岡拳紀介

脚本・プロデュース:髙石明彦 音楽:平野真奈
監督:北川瞳 プロデューサー:宮﨑和明
主題歌:乃紫 「透明の楽譜」 (MR8/MIJ Quality Records)
製作:深川辰巳 浦出高史 飯田義典 服部徹
撮影:小野貴宏 映像:佐藤隆彦 照明:後藤史兆 録音:金子徹 美術:小林大輔 編集:伊豆光沙 選曲:泉清二
スタイリスト:上田摩耶 ヘアメイク:駒水友紀 磯﨑智香 音響効果:荒川翔太郎 制作担当:松橋典生
協賛:矢場とん コロナワールド  菅公学生服
企画・制作・配給:THE ICON  ◎私の卒業第6期製作委員会2025

公式ホームページ https://watasotsu.com/
公式X https://x.com/sotsupro
公式Instagram https://www.instagram.com/sotsupro/
公式TikTok https://www.tiktok.com/@watasotsu

Edit:Keisuke Watanabe

SNS Share

Twitterのアイコン

Twitter

Facebookのアイコン

Facebook

LINEのアイコン

LINE

Yui Kato

エディター

View More