
21歳、東京の郊外でぽけ〜っと暮らす、音楽ナードの渡辺青が日々のDIGりの中で出会ったさまざまな「これ聴いて!」な音楽たちを、新旧問わずに紹介していく企画「渡辺青のこれ聴いて!」
今K-POPの頂点に立っていると言っても過言ではないガールズグループIVE。今回は、2月16日に公開された、その妹分、KiiiKiiiのプレデビュー曲『I DO ME』を紹介します。
K-POPシーンに突如あらわれた彼女達。曲からMV、ファッション、PRまで、クリエイティブな音楽ファンにはドンズバなスタイルで、新たなトレンドセッター登場の予感!
I DO ME, I DO ma way !
全体的に少しノスタルジーな雰囲気を感じるこの曲では、シンセサイザーがふわっとキラめき、メンバー5人それぞれの、耳に残りやすい少しクセのある歌声が可愛らしく、時には美しく響いていてまるで空に向かって駆け出したくなるような開放感がとっても気持ち良い。
この曲の、ユース・チアアップな歌詞もとても素敵だ。
”이걸 해야 돼.’‘거길 가야 돼.’상관없죠,난 ‘내’가 될 거에여”
“「これをしなきゃ」「そこに行かなくちゃ」なんて関係ない!「私は私になります。」”
周りの視線を恐れたり、なんだか自信がなくなってしまった時。無理してがんばって背伸びをしなくても、あなたのままで良いじゃない?と言ってくれているように聴こえる。
時代は自然体なネオ・森ガール?
Youtubeのコメントでも少し話題になっていたが、この曲のMVでは、スマホやSNSなど、現代の大・必需品となっている電子機器が全く出てこない。
これは現在のK-POPシーンでは、実はかなり珍しいことだと言える。
New Jeans(現NJZ)のデビュー曲、『Attention』のMVはメンバーの1人が自分の投稿にいいねを押しているシーンから曲が始まっているように、インスタのストーリー風の演出など、スマホやSNSを想起させるシーンが含まれているMVは多い。
ファン層の大半がデジタルネイティブなK-POPシーンでは、SNSは日常にあるとてもリアルなもので、そのリアリティをMVの中のアイドルと自分たちファンの接点として、共感を生み、ファンたちは励まされ、時にメッセージを受け取ってきた。
そんな現在のK-POPシーンの中で、一線を画すKiiiKiiiの提示するガールズ像とは
大自然の中でメンバーが大勢の羊たちと一緒に野原を駆けるシーンから始まる「I DO ME」のMVはニュージーランドで撮影されたそう。ツリーハウスの上でおしゃべりをして、パズルをしたり馬に乗って遊ぶ。山の上で、風を感じながらダンスをする。
誰も彼女たちのことを見ていなくて、彼女たちはお互いを見ながら笑い合う。SNSや他人の目線に左右されない自分。
KiiiKiiiの公式インスタのアイコンは初期状態のシルエットのままになっていて、そのイメージ像を裏付ける。
自分で選んだ好きな場所で、自分にとってナチュラルな状態で、ただ友達と走り回る。
「こういなきゃ」「ああならなくちゃ」なんて関係ない!そう、「私は私」をするのだ。
世界で一番クールなインスタ
そんなKiiiKiii、インスタでのPRも面白い。
有名な動画クリエイターやアーティストとコラボし、日常の中でよく見かけるようなコンテンツや、スマイリーのステッカー、カラフルなネイル、遊び心のあるケーキの投稿など、まるでKiiiKiii版ピンタレストの様になっている。
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個人的にはメンバーの自撮りの代わりにグループの世界観を構築する内容になっているのが、とびきりクールだと思う。
自然体でいて!誰にも邪魔させないよ。私たちは最強の自分を持っている。私はそんなメッセージをKiiiKiiiから感じる。
今後の活躍も要チェック!
3/24には彼らのデビューアルバム「UNCUT JAM」が公開。タイトル曲の「BTG」は幻想的かつ、メンバーのラップセンスも光るエレクトロR&B路線で、個人的にはNew Jeansへの楽曲プロデュースでも話題になったポルトガル出身のアーティスト、Erika de Casierにも通ずる、オルタナティブなダンスミュージックさを感じた。
今後どう活躍していくのか、ミュージックラバーとしても、K-POPウォッチャーとしても見逃せない存在です!要チェック!!
Edit: Himari Amakata