
「気になる10代名鑑」の922人目は、九里匠音さん(19)。大学の同期と個性専門塾『NovaNxsas』を立ち上げ、中高生の学外の活動をサポートしています。高校時代のボランティアが活動の原点となっていると話す九里さんに、塾を立ち上げるにあたっておこなったアクションなどについて、あれこれ聞いてみました。
九里匠音を知る5つの質問
Q1. いま、力を入れていることは?
「大学の同期の4人で、個性専門塾『NovaNxsas』を立ち上げました。
埼玉県の幸手市を拠点に活動していて、起業について学ぶ『経営コース』、映像系の技術を身につける『メディアコース』、ドローンの資格取得を目指す『ドローンコース』という3つのコースを開講中です。まだテスト運用中ではあるんですけど、全体で10〜15人の生徒がいます。
ぼくは副塾長のほか、ドローンコースの講師も務めていて。この塾を通じて、生徒には普段学校では学べないことを学んでもらって、自分の個性や強みを見出していってほしいと思っています」
Q2. 活動をはじめたきっかけは?
「高校1年生のときからずっとボランティア活動をしてきたんですけど、学校側は学外の活動に否定的で……。先生から『それって、将来につながらないじゃん』と言われたこともありました。でも、大学進学や塾の活動で企業のひとと関わる中で、それまで自分が主体的に活動してきたことは間違っていなかったんだと実感したんです。
日本は学歴社会の側面が強いけど、勉強よりも自分で考えて行動できることのほうが大切なんじゃないかなって思います。そんな学生を、周囲の大人がフォローしてくれるような社会にしていきたいという想いがあって、この活動を始めました」
Q3.活動にあたってのファーストアクションは?
「まずは現状を分析することから始めようと考えて、実際に学外で活動している子たちに話を聞いていきました。すると、やっぱり学校側が必ずしも活動を認めてくれているわけじゃないってことが分かってきたんです。
それを踏まえて、いまは学校に足を運んで、校内の雰囲気を見学させてもらっています。学生の個性を育むだけじゃなくて、これからは学校側にも課外活動を認める考え方を浸透させていかないといけないと思っているからです。
並行して、自分たちが実際に講師として教える立場を経験しながら、塾の運営もよりよくしていくために取り組んでいます」
Q4.活動を通して、実現したいビジョンは?
「将来的には、日本の教育全体を変えていきたいです。
いまの教育は、社会の歯車にはまるような人を育てる教育だと思っていて。出る杭は本当に打たれるばかりで、新しく何かを創造していくことは難しいように感じて……。そういう教育を変えていきたいんです。
教員と生徒の関係に関しても、教員が上、生徒が下という上下関係ではない関係を目指したいです。教員だって、全知全能なわけではないし、だからこそ互いに切磋琢磨して、高め合えるライバル・仲間みたいな関係性になっていけばいいなと思っています」
Q5. 今後の展望は?
「まずは、塾の生徒数を増やしていきたいのと、ゆくゆくは拠点としている幸手市だけではなく、埼玉県の中で『あの塾なら安心できる』って思ってもらえるような団体にしていきたいと思っています。
そのために、生徒が『楽しい!また来たい!』と思えるようにすること、親御さんにも『周りに薦めたい』って言ってもらうことが目標です。地域の自治体のひととも直接お話しすることで、『学生でもここまでしっかりやっているんだ……この学生たちなら任せられるな』って思ってもらえるように、コツコツと信頼関係を築いていきたいと考えています」
九里匠音のプロフィール
年齢:19歳
出身地:富山県富山市
所属:武蔵野大学、個性専門塾NOVANXS 副塾長、アースデイ東京、アースデイとやま、Local Bridge学生局、パワーオブ富山 代表、富山こども遊便局、大学祭実行委員 広報局
趣味:写真を撮ること、温泉巡り、サイクリング
特技:適応能力が高い
大切にしている言葉:人生を楽しめ。人生は遊び場だ。
九里匠音のSNS
この投稿をInstagramで見る
Photo:Nanako Araie
Text:Fuka Hagai