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女子校・男子校の垣根を超えて。少数派の声に光を当てる『別学討論祭』の主催者【谷 源静・17歳】

女子校・男子校の垣根を超えて。少数派の声に光を当てる『別学討論祭』の主催者【谷 源静・17歳】

「気になる10代名鑑」の913人目は、谷 源静ぐ げんせいさん(17)別学に通う生徒同士で意見を分かち合える「別学討論祭」を主催しています。自身のグローバルな経験やバックグラウンド、女子校に通う立場から「少数派にも光を当てていきたいんです」と話す谷さんに、印象的だった出来事や今後の展望を聞いてみました。

谷 源静を知る5つの質問

Q1. プロフィールを教えてください。

「教育を軸に、イベントを主催したり、スピーカーとして登壇したりする活動をしたりしています。

いまは、男子校・女子校に通う中高生を集めて話し合うイベント『別学討論祭』の代表として、立ち上げ・企画をしています。自分が女子校に通うなかで、足りないと思っていたことを男子校の友人に話したら、『僕も参加する』って言ってくれて。そこから共同創設者としていっしょに立ち上げました。

共学化を推し進めていきたいというよりは、別学に通う人同士で交流することで、理解が欠けているところを埋める場にしたいんですよね。『男子校って、女子校ってこんなイメージ』という固定概念をみんなにもなくしてほしいし、男らしさ・女らしさの意識や、異性への理解について考えを深める機会となればいいなという思いでやっています」

 

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Q2. 活動を始めたきっかけはなんですか?

教育そのものに興味を持ったのは、中学生のころ、高宮杯のスピーチコンテストに参加したときです。英語も人前で話すのも好きだったので応募しました。そこで話したテーマのひとつが、いまの英語教育の課題だったんです。

また、両親が外国人で、日本で生まれ育ったけど、日本でも外国でもない感覚があって。そこに、共学がマジョリティのなかで、女子校に通っているっていう環境も重なって、『少数派』という立場にいることが多かったんです。

社会って、多数決が基本で、多い方にばかり目が向けられることが多い。でも、少数派のひとたちも対等に見られるべきだし、偏見を持たれない社会のほうがいいと思うんです。そういう意識があったから、別学討論祭の活動にもつながったんだと思います」

Q3. 活動をしている中で、印象的だった出来事は?

高1のときにアメリカに留学していた経験です。中学校の経験もあり、教育に注目して、留学生活を送ろうって決めて行ったんです。

実際行ってみると、アメリカの学校では、生徒が主体的に学ぶことを重視していて、授業もディスカッション中心。先生が一方的に教えるのではなく、生徒同士で意見を出し合ったり、先生に質問をぶつけたりするスタイルでした。テストの点数よりも、プレゼンや自分の考えを伝える力が求められる。

日本の学校とは全然違って、『自分で考えるってこういうことか』って実感できました」

Q4. これまでの活動のなかで、影響を受けた人は?

別学討論祭のメンバーの出会いは本当に大きかったです。いま、運営10人、幹部は5人で活動していますが、自分ひとりで考えていたら、気づけなかった視点がたくさんあったなって。別の団体でも活動しているメンバーもいて、その経験をここでも生かして新しい視点をどんどん投げかけてくれるのもすごく頼もしいです。

ときどき私はついていけなくてフリーズしちゃうことも(笑)。でも、代表として自分ももっと歩み寄っていかなきゃと気を引き締めなおしました。おかげで、イベントの理念をしっかり言語化して共有できて。チームで活動していて立ち行かなくなったら、いったん軸を固め直して、もう一度方向性を見出していくことが大切なんだと学びました。」

Q5. 今後の展望は?

まずは、別学討論祭を成功させたいです! 3月末に、初めての討論祭を予定しているので、どんなテーマなら話し合う意味があり、盛り上がる議論になるかを考えて、メンバーとディスカッションする日々です。

最終的には教育を通じて、ひとりでも多くのひとに幸せを届けることができたらいいなと思っています。教育って、そのひとの考え方や人生を大きく変えられるものだと思っているからです。

具体的にどういうかたちになるかはまだ模索中ですが、選択肢のひとつとして、政策提言をしてたくさんのひとに考えていただく機会を作ったり、起業して新しい教育をつくったりするのもアリだなと思っています」

谷 源静のプロフィール

年齢:17歳
出身:東京都
所属:大妻多摩高等学校、別学討論祭 実行委員長、SCE、日本若者協議会、TokyoEducationShow運営、学生団体連合UNION
趣味:海外旅行,アフタヌーンティー、プリクラ撮影
特技:お菓子作り、語学
大切にしている言葉:全ての経験に無駄は無い

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Photo:Nanako Araie
Text:Chihiro Bandome

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Chihiro Bandome

ライター

2003年生まれ、埼玉県出身。上智大学文学部新聞学科在学。自分の目で現場を見て、自分の言葉で人と話して、世界を知っていきたい。大学では、主にニュース記事の執筆を学んでいる。2023年より、ライターとして「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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