
「気になる10代名鑑」の875人目は、菊地聡太さん(17)。山形県米沢市の観光大使として、地元の魅力を発信しています。大好きな地元・山形をもっと盛り上げていきたいと語る菊地さんに、活動を始めたきっかけや、これからの目標について聞いてみました。
菊地聡太を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「『大好きな地元・山形を守りたい!』ということを軸に、観光発信や探究など、さまざまな側面から活動に取り組んでいます。
高校1年のとき、山形県が主催の『やまがた魅力発信アンバサダー』に応募して、SNSを活用した観光PRをしたのが最初の活動でした。今年度からは、山形県米沢市の観光大使として、観光PR活動をしつつ、アンバサダーのサポーターとして、高校生や大学生、社会人の方々に観光発信方法を教える活動もしています」
Q2. 活動を始めたきっかけは?
「小さいころは体が弱くて、病院によく通っていたんです。病院に行ったあとは近くのデパートに行くというのが恒例になっていて、楽しみのひとつでもありました。このデパートが、小学6年生のときに突然なくなってしまって。悲しさと同時に、地元の良いところを若い世代のわたしたちが守っていく必要があるんじゃないかと考えるようになりました。
それからしばらくは『地元を盛り上げたい』という思いを抱きつつ、何も動き出すことができずにいたのですが、中学3年生のときに留学ツアーに参加したのが転機になったんです。いろいろな活動をしている同世代の人たちに刺激されて、観光アンバサダーに応募することを決めました」
Q3. 活動をしている中で、印象的だった出来事は?
「『NHKのど自慢』に出場して、地元に路面電車を走らせるという将来の夢を宣言したことです。
小学生のころ、北海道の函館を訪れたときに、街がとても賑やかで、観光客も多く、山形市と同じ規模の街なのに、この差は何だろうと感じたんです。いろいろ考えて、函館にあって山形にはないものは路面電車だと気が付いて。このときから、山形に路面電車を作るという夢ができました。
そして、テレビ番組でこの夢を宣言したことで、自分の中で『言ったからにはやってやるんだ』という気持ちが芽生えました。また、番組のディレクターさんに、路面電車は商業を活発にさせる目的もあると教えてもらったのも、モチベーションにつながっています」
Q4. 最近、新しく始めた挑戦はありますか?
「昨年『トビタテ!留学JAPAN』に参加してドイツ・フランス・スイスに行きました。誰もが暮らしやすい社会について学ぶため、現地の鉄道会社やボランティア団体の方にインタビュー調査などを実施したんです。その経験を活かして、今年の3月に、山形駅でイベントを開催します。
海外で目の当たりにした地域のための取り組みを、どうやったら地元・山形でも実現できるのか、パネルディスカッションができたら面白そうだなと。同じ留学プログラムに参加した同年代の学生や、地元の企業の方などもお呼びして、話をしていただけたらいいなと思っています。
いまはまだ企画書を作っている段階ですが、資金や人材集めなども含め、成功させたいです」
Q5. 将来の夢は?
「まずは外交官になって、その後、山形市長、衆議院議員を経て、最終的には山形県知事をめざしたいです。
ただ、最近は、活動などで民間の企業の方とお仕事する機会があって、民間企業など、いろいろなことに目を向けて考えていきたいと思うようにもなりました。世界を知って、地元を盛り上げて、その成功例を国やほかの地域にも生かしていけるような人物になりたいです」
菊地聡太のプロフィール
年齢:17歳
出身地:山形県山形市
趣味:弓道、選挙、山形、一人旅
大切にしている言葉:なせばなる なさねばならぬ何事も ならぬは人のなさぬなりけり
Photo:Nanako Araie
Text:Haruhi Hirayama