「気になる10代名鑑」の866人目は、星野綾子さん(19)。献血を若い人たちにも身近なものにするために、団体を立ち上げて、宣伝やイベントの企画などの活動をしています。献血が当たり前になる社会をつくりたいと語る星野さんに、活動を始めたきっかけや、これからの目標について聞いてみました。
星野陵子を知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「学生に向けた献血の啓発活動です。
今年の9月には、『誰かのヒーローになる瞬間をあなたに届ける』ことをテーマに、『前人未トウ』という団体を立ち上げました。献血に興味がない人にも献血ルームや献血バスに訪れてもらえるように、献血ルームを舞台としたリアル脱出ゲームや、献血ツアーなどのイベント企画をおこなっています。
直近では、12月19日(木)〜26日(木)の平日に、池袋の献血ルームを会場としたリアル脱出ゲームを開催します」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「小学1年生のころ、先天性の心臓病の手術を受けたことから、献血に興味をもちました。高校時代には、青少年赤十字部に所属。献血について学んでいくうちに、わたしのために献血してくれていた誰かがいたのだと、気づかされて。当時の“誰か”への感謝と、『私も誰かのために貢献したい』という思いをもつようになって、献血を始めました。
献血が好きになって、SNSなどで啓発活動を続けているうちに、若年層の献血率低下という社会課題を知ったんです。わたしも何かできることをしたいという思いで、団体を立ち上げました。
また、もともとダンスをしていたというのもあって、エンタメが人に及ぼす影響に興味がありました。それを献血にもつなげられるんじゃないかと思って、最近では献血をエンタメをかけ合わせたイベントを企画しています」
Q3. 活動にあたってのファーストアクションは?
「わたし自身、献血をずっとしてきたので、『どうして若い人たちが献血しないのか、行かないのか』という、献血未経験の人の感覚が分からなくて。
そこで、20人くらいの、若い世代の人たちにヒアリングをしました。参加したことのあるプログラムで知り合った人や、弟の同級生など、できるだけたくさんの人に聞いてみました。具体的な話を聞いたことで、献血に行かない若者についての理解が高まって、活動しやすくなったと思います」
Q4. 活動を通して、社会をどう変化させたいですか?
「人々の日常的な行動の選択肢に、当たり前に献血があるような社会にできたらいいなと思っています。
デート中に、ひと休みしたいから献血行こうとか、放課後アイスが食べたいから献血しようとか。多くの人が知ってる献血をする場所って、献血バスというものだと思うんですけど、常設している献血ルームは、ホテルみたいに綺麗で、お菓子や飲み物を無料でもらえたり、漫画や雑誌も自由に読んだりできるんです。もっとたくさんの人に知ってもらって、気軽に足を運べるようになってほしいです。
献血って、誰かのために勇気を持って、一歩踏み出すことだと思っていて。そうした価値を感じられる人が増えていくように、活動を続けていきたいです」
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Q5. 将来の展望は?
「ふんわりですけど、社会起業家になりたいと考えています。
ただ、将来について詳細に決めてしまうと、そのことしか考えられなくなってしまって、視野が狭くなってしまう気がしていて。自分自身については、あまり決めないようにしています。
いまの大学生という自由な立場を使って、あえて興味のない分野を学んだり、普段参加しないようなプログラムに行ったり、知らない世界にたくさん触れて、視野を広げていきたいです」
星野綾子のプロフィール
年齢:19歳
出身地:栃木県
所属:前人未トウ
趣味:献血すること
特技:心身ともに柔軟なこと
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Photo:Nanako Araie
Text:Haruhi Hirayama