「気になる10代名鑑」の849人目は、瀨戸ゆず果さん(17)。「子どもの機会の不平等解決」をテーマに、経済や教育にアプローチする『学生団体Stars』を立ちあげました。将来は世界中の教育課題を解決し、笑顔であふれる世界にしたいと語る瀨戸さんに、活動を始めたきっかけや今後の展望について、詳しく聞いてみました。
瀨戸ゆず果を知る5つの質問
Q1. いまいちばん力を入れている活動は?
「『子どもの機会の不平等解決』をテーマに、子どもの教育やその母親となる女性の経済的支援をおこなう『学生団体Stars』を立ちあげました。
フィジーとアメリカへの留学を経験して、教育環境によって、夢の選択肢に変化があるように感じたんです。教育環境は経済状況にも影響されると気づいて、経済にも関心をもつようになりました。
立ち上げた学生団体では、子どもにキャリア教材を配布したり、何かに挑戦する体験や、学習の場を提供できるようなサミットを開催したりしています。ただ届けるだけではなく、市場にいる企業と子どもたちをつなぎ合わせて、持続的にサポートしていくことができるような仕組みを構築していきたいです」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「人の笑顔や楽しんでいる顔が大好きなのですが、コロナが流行したとき、笑顔がなくなった世界を見て、衝撃を受けたんです。
また、両親が観光業に就いていたので、コロナ禍で経済的な影響を受けて、弟の教育環境の選択肢が一時的に狭まってしまって。そのときから、経済と教育は人間の根底にある、とても重要なものだと思うようになりました。
当時のわたしにできることは限られていましたが、両親の手伝いをしたり、弟に勉強を教えたりしていて。そのうちに、程度は違っても、こうした経済的な障壁によって、何かを諦めてしまう人が社会にはたくさんいるのではないか、と考えるようになったんです。そうした人たちの笑顔を守るためにも、経済や教育について学んで、支援の道を探っていきたいです」
Q3. 活動にあたってのファーストアクションは?
「まずは、経済的アプローチや、社会起業精神について学ぶところから始めました。勉強していく中で、より実践的なスキル習得が必要だと気づき、『Stanford e-Entrepreneurship Japan』という、起業について実践的に学ぶプログラムに申し込みました。
全て英語でおこなわれるプログラムだったのですが、わたしは英語が得意だったわけではないし、不安も多くて。でも、挑戦してみないと始まらない! と思って、申し込みました。シリコンバレーで活動する起業家や、スタンフォード大学の先生、生徒……さまざまな人とディスカッションする機会があって、とても刺激的で、大きく成長することができたと思っています」
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Q4. 最近、新しく始めた挑戦はありますか?
「ARとVRを重ね合わせた遠隔技術『Mixed Reality技術』と、演劇をかけあわせた、『遠隔演劇』というものに挑戦しています。
2024年1月に起きた能登半島地震による被害は、まだまだ残っていて。教育機会や居場所を失って、支援やつながりを必要としている人は、多くいると思うんです。遠くに住んでいるわたしでも、何かできることがないか、と考えたとき、Mixed Reality技術を使って『つながっている』感覚を提供することを思いつきました。
私が大好きな演劇を、リモート演劇ではなく、遠隔で、演者側とつながれるようなシステムで届けられたらと思って。『石川と東京の高校生が心で繋がるプロジェクト』としてクラウドファンディング企画を立ち上げました。現在、湘南工科大学の人たちと共同で取り組んでいるところです。
また、この遠隔技術の基盤が、いつか質の高い教育を届けることなどに応用していけたら嬉しいです」
Q5. 将来の展望は?
「『教育開発』『女性と子どもの視点を持ったリーダー』『エンターテインメントの精神』の3つを軸に、行動していきたいです。
ただ学ぶだけでなく、現地に行って寄り添えるような教育開発をめざしていて。まずは大学で経済や教育など、自分の興味分野について学んだあと、教育経済関連のキャリアを積んだり、研究をおこなったりしたいです。
また、わたしが教育や演劇に興味をもってアクションを起こしているそもそもの目的は、『子ども』なんです。子どもの人生は、教育によって大きく変化します。より多くの人を救えるようなシステムの構築、基盤や制度の設計をおこないたいです。
人と話すのが好きなので、いろいろな人と関わりながらアクションを起こして、いつか世界中の国々の教育分野の課題を解決し、子どもや家庭の笑顔があふれる世界をめざしたいです」
瀨戸ゆず果のプロフィール
年齢:17歳
出身地:東京
所属:学生団体Stars創設者、Entertainment Xtended CEO、文部科学省トビタテ!留学Japan 8期生、Stanford e-Entrepreneurship Japan 2023 Fall 修了生
趣味:陸上、ダンス、水泳、演劇、野球、本屋さんに行くこと
特技:写真、昭和ドリフターズのネタ再現、プレゼン、人の素敵なところを見つけること
大切にしている言葉:「強く、優しくあれ。」「ありがとう」
瀨戸ゆず果のSNS
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Photo:Naoko Araie
Text:Chikiri Kudo