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高校生とボランティア団体のかけ橋になるメディアを運営。自らの足で取材して、安心できる情報を届けたい【渡部采音・18歳】

高校生とボランティア団体のかけ橋になるメディアを運営。自らの足で取材して、安心できる情報を届けたい【渡部采音・18歳】

「気になる10代名鑑」の847人目は、渡部采音あやねさん(18)。ボランティア団体を取材し、高校生に向けて紹介するメディアを運営しています。体験取材にこだわり、安心できる情報を届けていきたいと語る渡部さんに、活動を始めたきっかけや、これからの目標について聞いてみました。

渡部采音を知る5つの質問

 

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?

高校2年生の3月に立ち上げた『神奈川ボランティアNAVI』という団体で、高校生とボランティアをつなぐ活動をしています。

具体的には、神奈川県内の、高校生ボランティアを募集したい団体に体験取材をおこなって、募集掲示板として運営しているInstagramで情報を発信しています。

各地域の社会福祉協議会と協力しながら、高校生が参加可能なボランティアを探して、アポ取りから取材、ポスト作りまで、団体のメンバーである神奈川県内の高校生だけでおこなっていて。今年の6月には、取材の交通費を集めるクラウドファンディングを実施して、目標金額を達成することができました」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

高校2年生のとき、ボランティアをやってみたいと思って、近場で学習支援をおこなっている団体を探し始めたんです。でも、募集情報が古くて、まだ活動しているのか分からなかったり、ボランティアという名目なのに、時給が出たり、怪しい情報があったり……信用できる団体を探すのに、とても苦労して。そこで、安心してボランティア活動が始められる環境をつくりたいと思うようになりました。

また、ボランティア活動する中で、ボランティアの高齢化と人手不足に困っている団体が多いということと、ボランティアをしたいという高校生が増えていると知って。お互いにメリットがあるこの関係をつなげたいと思って『神奈川ボランティアNAVI』を立ち上げました」

Q3. 影響を受けた人物は?

障がい児入所施設の職員をしている、父です。物心つく前から、父と一緒に職場に行って、施設の子どもたちと一緒に遊んでいました。大変な現場ですが、働いているときの父はきらきらしていて、かっこよくて。とても尊敬しています。

福祉の仕事の大変さを小さいころから見てきて、入所している子どもたちにも、いろんな背景があることを父から学びました。父の存在が、社会問題やボランティアに興味を持ったきっかけだと思います」

Q4. 活動する上で、大切にしていることは?

信用できるメディアにすることを大切にしています。

体験取材をしているのは、そのためです。紹介するボランティア団体に実際に足を運んで、体験したことを自分たちの言葉で伝えることが、信頼につながると思っています。聞いたことを書くのではなく、自分の目で見て体験したことを書くほうが、より細かく伝えることができるし、見る人も安心してくれるんじゃないかなと。多くの高校生は初めてのボランティアで不安を抱えていると思うので、少しでもその不安を取り除いてあげられるようにしています。

また、win-winの関係であることも意識しています。お互いにお金以外のメリットがあれば、ビジネスではなくボランティアという形でも関係が続けられるはず。誰の、どこにメリットがあるのかというのも考えながら、活動しています」

Q5. 将来の展望は?

自分が立ち上げた団体を、全国に展開していけたらいいなと思っています。フランチャイズみたいな運営形態にも興味があります。

また、立ち上げたばかりのボランティア団体や、小規模な団体は、お金がないことを理由に活動が制限されてしまうことがあって。そうした団体が、のびのびと活動できるような支援モデルを確立していきたいです。困っている団体の人たちに対する、資金面でのコンサルティングみたいなこともできたらと考えています」

渡部采音のプロフィール

年齢:18歳
出身地:神奈川県秦野市
趣味:読書、アニメ、漫画
大切にしている言葉:適当に生きる、逃げるは恥だが役に立つ

渡部采音のSNS

★Instagram

 

Photo:Nanako Araie
Text:Haruhi Hirayama

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Haruhi Hirayama

ライター

2004年生まれ。埼玉県在住。青山学院大学総合政策学部在学。趣味は、登山。新しい出会いを大切にしていきたい。

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