「気になる10代名鑑」の730人目は、カカオバター2さん(18)。4月から美大に進学し、自身の解釈を踏まえた鮮やかな色の風景画を描いています。ポジティブな気持ちで絵の制作をすることを大切にしているというカカオバター2さんに、創作するうえでのこだわりやこれからの目標について、詳しく聞いてみました。
カカオバター2の活動を知る5つの質問
Q1. いま、力を入れていることは?
「自分の解釈を加えたオリジナルな描き方で、風景画を描いています。描き方としては、まず写真に撮った好きな景色を自分なりの描き方で描き起こすんです。さらにそこからかみ砕いて自分のものにしていく、というのが、基本的な制作の流れです。
例えば、コンクリートの灰色っぽい色を、自分が好きな鮮度のある色に置き換えたり、あえて奥行きなどをなくしてフラットに描いたり。ただ、見たままに描くのではなくて、自分なりの解釈を含めて描くようにしています」
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Q2. 活動をするうえで、大切にしていることは?
「描いていて気持ちいいと感じられるかどうかをいちばん大事にしています。そのうえで、かっこいいと思えたり、美しいと感じられたりする絵が描けるかどうかも大切にしています。鮮やかな色を使うのは、わたしが表現するかっこよさのひとつだと思っていて。フレッシュな世界観を表現するために、よく意識しています。
その他に意識しているのは、“広さ”です。小さいころからまわりに高い建物がたくさんあるところで育ってきたので、空の広さに憧れていて。窮屈に感じることがよくあるので、“広さ”という解放感に惹かれるんだと思います」
Q3. 活動する中で、印象的だった出会いは?
「芸術高校の友達との出会いです。高校に入って、友達と出会うまでは、なんとなく好きだから絵を描く……というような、明確な意志がない感じだったんです。でも、絵画だけじゃない、いろんな分野の子たちと一緒に学ぶうちに、その考え方とか情熱に影響されて、自分でも、思いを絵で表現していきたいと思うようになりました。
友達のおかげで、知らなかった世界の知識を共有できたのも大きいですね。例えば、服のデザインをしている子から、模様パターンや布の組み合わせによる色の見え方を教えてもらって、それを参考にしたりしていました」
Q4. 活動するうえで大切にしていることは?
「ポジティブな気持ちで絵の制作をすることです。描いているときの気持ちって、完成した作品や、それを見る人への伝わり方に大きく影響するんじゃないかと思っていて。アートって、ポジティブなものだけじゃなくて、いろいろな考えがあると思うけど、わたしは、自分も作品も見てくれる人も、ポジティブになれるものがいいと考えています。
病んでるときに描くことで、いいものが生まれることもあると思います。ただ、苦しんでなんとか描きあげたものよりも、気分が良くて明るい気持ちで描くほうが、いいものが生まれるんじゃないかなと、個人的には思うんです。なので、元気なときに絵を描くようにしています」
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Q5. 将来の展望を教えてください。
「どんな形であっても、絵を描き続けていきたいです。最近、美大を卒業してからも絵を描き続ける人が少ないということを知ったんです。社会に出ると忙しくて、絵が描く余裕がなくなってしまうんだろうなと思います。わたし自身は、絵を描かなくなるということを考えたこともなくて。わたしにとって、絵を描くことは生活の一部だし、本当に好きなこと。だから、何があっても描き続けていきたいです。
また、立体作品のような、いままでやったことのない分野にも挑戦していきたいです。絵を描くのでは得られない新しい刺激を受けて、違ったものの見方などを身につけて、創作の幅を広げていきたいと思います」
カカオバター2のプロフィール
年齢:18歳
出身地:横浜市
所属:東京藝術大学美術学部絵画学科油画専攻
趣味:音楽を聞くこと
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Photo:Nanako Araie
Text:Haruhi Hirayama