
「気になる10代名鑑」の687人目は、高橋さん(16)。中学生のときから、未成年と企業の共創を生み出すプラットフォームを提供する『一般社団法人Sustainable Game』のメンバーとして活動し、現在は代表を務めています。「社会に対して何かいいことがしたい」という純粋な気持ちから活動を始めたという高橋さんに、活動のことやこれから実現させたいビジョンについて、詳しく聞いてみました。
高橋を知る5つの質問
Q1. いま、力を入れて取り組んでいることを教えてください。
「共創しながら、サステナブルな未来に向けて歩んでいくチーム『一般社団法人Sustainable Game』で活動していて、代表を務めています。
この団体は、以前、Steenzに登場していた山口由人さんが立ち上げた団体で。僕の中学受験が終わってひと段落したタイミングで、先輩が団体を立ち上げたという話を聞いたんです。『よくわからないけど、何か社会に対していいことができたらいいな』と思い、参加することを決めました。チームに入ったのは中学2年生のころなので、もうかれこれ4年ほど活動していることになります。
活動を通して、同世代の中高生はもちろん、いろんな企業や大人とも出会うことができていて、いましかできない経験を積むことを大切にしながらアクションを続けています」
Q2. どんな活動をしていますか?
「『課題発見DAY』というイベントを開催しています。
イベントのプログラムは、大きくふたつあって。ひとつめは、課題を発見するためのフィールドワーク。課題って、人間の仕事の原動力になるものだと思うんです。ただ、僕自身もそうでしたが、普段生活していると、不自由を感じる機会は限られているので、解決したいと思う社会課題に直面することもあまりなくて。でも、視点を少し変えると浮かび上がってくるものだし、自分で見つけるからこそ、社会課題を自分と紐付けて考えられるようになると思っています。
ふたつめは、フィールドワークでの気づきをもとに、課題を自分ごと化するディスカッションです。課題が見つかれば、次に何をしなければならないのか、自ずと見えてくると思うんです。それを言葉にすることで、課題への理解を深めていきます。
このイベントを通して、“社会に対して何かアクションを起こしたい”という中高生の思いと、“若い世代の意見を知りたい”という企業の思いをつなぐことができる。この場所が、社会の在り方を共創できるような空間にしていければと思っています」
Q3. これまでに印象的だった出来事を教えてください。
「去年の夏に、文部科学省が行っている『トビタテ!留学JAPAN』でアイスランドに留学したことです。僕はもともと再生可能エネルギーに興味があって。アイスランドのボランティア活動に参加して、たくさんの刺激を受けました。
この経験から、勇気をもって、何にでも取り組んでみようという気持ちが強くなって。団体への向き合い方や活動内容にも生きていると思います」
Q4. 自身の考えや活動に影響を受けたものはありますか?
「大切にしている言葉がふたつあります。ひとつは、通っているミッションスクールのモットーである『Only One for Others』。“ひとりひとりがもつ、神からもらった賜物を、他者のために生かす”という意味の言葉です。
もうひとつは『Be a Social Tackler. (愛をもって社会に突っ込め)』という、『Sustainable Game』の理念です。正直なところ、最初のうちは『愛』が何を意味しているのか、よくわからなくて。誰に聞いてもしっくりきていませんでした。いまだにうまく言葉にできないのですが、でも4年目にして、なんとなくわかってきたような気がしています」
Q5. 実現させたい未来や社会ビジョンがあれば教えてください。
「世代を超えた共創を生み出して、社会課題に寄り添っていきたいと思います。社会課題を解決することは簡単なことじゃないからこそ、ひとりひとりが意識を変えて行動することが重要だと思います。
また、社会で話題になっていることだけじゃなく、小さな社会課題が多く存在していると思っていて。それぞれが日常の”当たり前”を問い直して、視点を変えて物事を考えることで、そういった課題にも寄り添うことができると信じています。
逆に、いろんなところに目を向けすぎると、モヤモヤすることもあって。そういった個人のモヤモヤも、みんなで分かち合っていきたいと思っています。そして、社会が少しでもよくなるようなアクションを、長期的に続けていきたいと思います」
高橋のプロフィール
年齢:16歳
出身地:東京都大田区
所属:聖学院高等学校、一般社団法人Sustainable Game代表
趣味:人間観察
特技:コミュニケーション
大切にしている言葉:課題は行動の原動力である
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Photo:Nanako Araie
Text:Ayuka Moriya