若きクリエイターによる企画展「ままならなさを生きるからだ Bodies/Multiplicitous」が12月19日より開催【Steenz Breaking News】
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、次世代を担うクリエイターによる企画展「ままならなさを生きるからだ Bodies/Multiplicitous」をご紹介します。
「ままならなさを生きるからだ」のあり方を見つめる展示
次世代を担うクリエイターの育成に取り組んでいる公益財団法人クマ財団。若い才能が投げかける新しい価値に共鳴し、大きな波紋へと変えていく原動力になるべく、25歳以下のクリエイターに対する奨学金制度を創設するなど、人間のもつ無限の創造性を支援しています。
今回、クリエイター奨学金7期生による企画展の第3弾「ままならなさを生きるからだ Bodies/Multiplicitous」が、東京・六本木の「クマ財団ギャラリー」にて、2023年12月9日(土)から12月24日(日)まで開催されます。
「病にあるからだ」「人以外の生物のからだ」「異なるセクシュアリティを生きるからだ」……さまざまなバックグラウンドをもった命あるものの“からだ”は、ままならなさを生きています。この展覧会は、そんな“からだ”のあり方と、どのようにしてその“からだ”のあり方に働きかけることができるのかを試行をするもの。異なる領域で、未来を見据えて創作する6名の若手クリエイターが、それぞれの取り組みを発表します。
6名の若手クリエイター
安藤尚哉
視覚が重視されがちな現代社会への疑いから、視ることよりも触れることを大事にする、建築クリエイターの安藤尚哉さん。具体的に物質を受け止め、地球と向き合うことから建築が始まると考えます。
川上さわ
劇映画の中に、実験的な手法や個人映画のエッセンスを混ぜることで、独自のスタイルの劇映画を生み出している映像クリエイターの川上さわさん。今回の展示では、複数人でつくる日記映画のシリーズで、固有の身体感覚を捉え直しています。
のもとしゅうへい
詩、農作、写真、小説、デザインなど、手法にとらわれず、さまざまな手段で表現活動をおこなっている、マルチクリエイターののもとしゅうへいさん。現代社会の不条理を架空の風景で描き、実際の出来事を異なる視点から記録しようとしてます。今回の展示では、自作の小説と、その小説にまつわるアートワークを発表しています。
Maya Erin Masuda
メディアアーティストのMaya Erin Masudaさん。「サイボーグ」を、人間とテクノロジーの融合として見るのではなく、モノや動物など、あらゆるものがその脆弱性によって開かれて混合する場所から再定義しています。今回の展示では、親密さや近接性という概念を、more-than-human(脱人間中心主義)との境界領域から見つめなおしています。
Moche Le Cendrillon
ドラァグ・パフォーマーの実践を経て、クィア・フェミニズムの観点から、安全な場づくりを試行するMoche Le Cendrillonさん。今回の展示では、セーファー・スペースを考えるアーティスト・コレクティブ「ケルベロス・セオリー」で制作された映像作品とZINEが展示されます。
遊舞舎慶子
「魂の姿は途切れない連なりである」というメッセージを舞踏で表現する、パフォーマーの遊舞舎慶子さん。今回の展示では、異郷を纏う身体について、舞踏譜から紐解いていきます。実際にパフォーマンスがおこなわれるの、興味がある方はチェックしてみてください(ギャラリーパフォーマンスの日時は、12月10日(日)15:00〜15:30、12月17日(日)15:00〜15:30、12月21日(木)18:00〜18:30)。
“からだ”とはままならないもの
からだというのは、しっかりフィックスされているようで、実はそうでもないもの。自分たちのからだのことを、わたしたちはまだよく知らないのかもしれません。6名の作家が向き合った、異なる感覚の複数からなる集合体としての“からだ”への思索を通して、自分や異なる他者の“からだ”について、思いをめぐらせてみませんか。
「ままならなさを生きるからだ Bodies/Multiplicitous」概要
会場/クマ財団ギャラリー
住所/東京都港区六本木7-21-24 THE MODULE roppongi 206
TEL/03-3570-9151
開館時間/12:00~19:00
休館日/火・水曜日
入館料/無料
URL/https://kuma-foundation.org/gallery/event/kuma-experiment23-24_03/
Text:Itsuki Tanaka