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中国で研究が進められる「雨を使った新エネルギー」とは?太陽光発電との併用で未来が変わるかも【Steenz Breaking News】

中国で研究が進められる「雨を使った新エネルギー」とは?太陽光発電との併用で未来が変わるかも【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、中国で開発された「雨粒発電」についてご紹介します。

雨の日でも発電可能な「雨粒発電」

太陽光や風力だけでなく、地熱を活用したものなど、さまざまな研究やイノベーションが続く新エネルギーの分野。世界的に、さまざまな研究が進められていますが、中国でいま注目されているのが「雨粒発電」。

これは、2023年6月号の雑誌『iEnergy』で研究成果が掲載されたもので、雨粒が空から降ってくるときの運動エネルギーを「摩擦電気ナノ発電機(TENG)」という設備を使って電気に変換する技術です。これまでの研究では、瞬間出力は高いものの、継続的な電力供給が難しいことが課題とされていました。

それを解決するために、ソーラーパネル型のソーラーアレイ発電機が開発されました。太陽光発電の際に複数のソーラーパネルを組み合わせるときと同じ方法で、TENGパネルをつなげることで、継続的な電力供給ができるといいます。

太陽光発電は、太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を生む再生可能エネルギー。この発電機は、太陽光発電のデメリットである、雨の日のエネルギーの弱さを解消することができるのです。

すでに広がっている太陽光発電と、この雨粒発電を組み合わせれば、天気に左右されることなく、継続的な発電が可能になるかもしれません。それが普及すれば、石油を使う火力発電や原子力発電に頼る割合も減っていくでしょう。

現在は開発段階であるため、日常生活で「雨粒発電」が行われるのはまだ先かもしれません。しかし、雨粒発電の開発・普及が進めば、日本の梅雨の季節や台風でも発電可能となります。また、熱帯地域や亜熱帯地域など、年間を通して降水量の多い国・地域での活躍も考えられます。

世界で注目される新しい再生可能エネルギー

日本の国内エネルギー自給率は、2020年度時点で11.3%ほど。他のOECD諸国と比較しても低く、エネルギー自給率ランキングでは37位でした。カーボンニュートラルや持続可能な社会の実現のために、再生可能エネルギーの普及やエネルギー自給率の向上は必要不可欠です。

世界では、さまざまな新しい再生可能エネルギーの研究が進められています。例えば「宇宙太陽光利用システム」は、宇宙空間で集めた太陽光をマイクロ波やレーザー光線などで地上に送り、電気や水素を作つくるという技術です。現時点ではまだまだ課題が多く、実用化には高いハードルがありますが、2030年代には実証実験も予定されています。

今後も増えるであろう再生可能エネルギー。どのようなものが使われるのか、注目していきたいですね。

Reference:
SPRING WISE「HARVESTING ENERGY FROM RAINDROPS」
資源エネルギー庁「日本のエネルギー エネルギーの今を知る10の質問」

Text:Tommy

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Tommy

ライター

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