「気になる10代名鑑」の535人目は、こうへいさん(17)。学会やシンポジウムに積極的に参加し、大学の機関で研究することをめざして、教育問題についての論文作成に励んでいます。将来は経済学や公共政策学などの分野も学び、社会にインパクトを与えたいと話すこうへいさんに、活動をはじめたきっかけや将来のビジョンを語ってもらいました。
こうへいの活動を知る5つの質問
Q1. どんな活動をしていますか?
「教育問題について研究をしながら、ワークショップなどを通して、解決活動を行っています。
小学生のときから学校でSDGs教育を受けてきた中で、教育に関する課題について問題意識を強くもって。高校生のうちに教育について専門的に学ぶ時間をつくるために、高校2年からN高に編入しました。
いまは教育学の中でも、比較教育学という分野に取り組んでいて、特に『未来の教育をどう変えるか』を研究テーマにしています。具体的には、海外と日本の大学の制度の違い、たとえば奨学金や入試の方法、公的支出などを材料に研究を進めています。早く大学の機関で研究したくて、それを示すためにも自分の論文を完成させたいんです」
Q2. 具体的なアクションを教えてください。
「論文をより深い内容にするために、学会やシンポジウムに参加して講演を聴いたり、教授や専門家と話す機会をつくるようにしています。参加してみると、たくさんの経験や知識を持った人との出会いがあるので、積極的に質問を投げかけたり、話しかけることができるのがすごくありがたいです。しかも高校生はほとんどいないので、気にかけてくださる方も多いです。
大学によっては高校生向けに講義を公開していたり、放送大学で単位が取得できたりするので、そういうシステムも使って勉強しています」
Q3. 活動をはじめたきっかけは?
「海外大学への進学を視野に入れたとき、海外の入試制度や大学について調べました。そのときに、あまりに日本とシステムが違うことに驚いて、本格的に研究してみようと思ったんです。
海外の大学入試では、テストの成績だけではなくて、これまでどんな課外活動をしてきたのかが重要な審査ポイントになるということもあって、ちょうど良い機会だと感じたのも理由のひとつですね。あと、まわりの友だちが校外活動で活躍している姿を見て、後押しされました」
Q4. 影響を受けた人物はいますか?
「ユーグレナの代表である出雲充さんに影響を受けました。今年の8月参加した、文科省主催の『EDGE‐PRIME Initiative』というシンポジウムでお会いしました。出雲さんには『いまのうちから行動しているんだから、将来なんだってできるよ』と鼓舞していただいて。いまでも、不安なときや悩んだときにはこの言葉を思い出して励まされています。
もしまたお会いできる機会があれば、自分ももっと成長したうえでお話ししたいと思っています」
Q5. 将来の展望を教えてください
「現在は教育について勉強しているのですが、今後学んでいきたいのは経済学や公共政策学なんです。まずはそれらの分野に強い海外の大学への進学をめざしています。そして、高校までで学んできた教育のことや、勉強する上で生まれた疑問も含めて、包括的に学んでいきたいと思っています。
将来はまだ、具体的なやりたい仕事は決まっていませんが、新たな学問を勉強していくうちにやりたいことが見えてくるんじゃないかなと思っています。学んできたことを社会に還元して、なにかインパクトを残せるような人になりたいです」
こうへいのプロフィール
年齢:17歳
出身地:東京都世田谷区
所属:N高研究部、Actioning
趣味:読書、研究、TEDをみること、水泳
特技:ディベート、笑うこと
大切にしている言葉:夢を捨てるとき、この世は存在しなくなる。
こうへいのSNS
Photo:Kaori Someya
Text:Minori