「気になる10代名鑑」の489人目は、前田悠翔さん(16)。ハイリ―・センシティブ・パーソン(HSP)によって教育機会を損失している人を救うために活動する団体『HsP’eers』で、HSP・HSCという言葉を知ってもらうための活動を行なっています。今年の7月から、団体の代表に就任した前田悠翔さんに、活動を始めたきっかけや将来の展望などについて、お話をお聞きしました。
前田悠翔を知る5つの質問
Q1. 今取り組んでいる活動について教えてください
「『HSPさんの教育をより良いものにするために』というモットーを掲げた高校生の団体『HsP’eers』で代表をしています。いまはまず、HSPやHSCという感受性の高い人の気質を表す言葉の知名度を上げるために、SNSでの発信などの活動を行なったり、小学校で出前授業をしてHSPを知ってもらったり、HSPとはどういうことかをディスカッションを通じて覚えてもらったりしています。
他にも、『100banch』という若者と100年先を豊かにする未来を創造することを目標にしている団体に所属し、HSPの人の視点をメタバースで再現して、没入して体験することができるVRの作成も行なっています」
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Q2. 現在の活動をはじめたきっかけを教えてください
「僕は学校が大好きで、小学生から高校2年生のいままで、無遅刻無欠席でした。それもあって、不登校の人たちがどう考えているか、その原因は何なのかが気になって、調べてみたんです。そこでHSPという言葉を見つけ、興味を持ったんです。
HsP’eersにジョインしたのは、たまたまメンバー募集を行っていたのをインスタグラムで見かけて応募しました。HSPについて興味を深めていたことと、大学受験が来年に迫っていることもあって、課題の解決にチャレンジする時間がもあまり残されていないなと感じていたので、思い切って行動できました」
Q3. 活動の中で苦しかったことはありますか?
「今年の7月からHsP’eersの代表に就任したのですが、代表としてどうあるべきかは、いつも悩んでいます。やっぱり学年が上がれば上げるほど勉強は大変になるし、夏休みもけっこう忙しくて……。それでも後輩たちには、楽しんで活動していることを感じてもらいたいし、みんなのボスになるのではなくて、親しみを持って接してほしい。
なので、予定表を管理するときに、『予定があるから〇〇はできない』ではなく、『空いている時間を重視して、これだけ空いているから〇〇はできる』みたいに、“できる”を基準に考えるようにしています。いま頑張って予定をこなすことで、未来の自分が楽になるっていうふうにポジティブに捉えて、時間を大切にしています」
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Q4. 好きなものや興味があることはありますか?
「漫画の名シーンを模写するのが好きなんです。作者がどうしてその画面構成を選んだのか、とか、なぜこの場面でこのキャラクターを前面に出したのか、とかを考えながら模写しています。そうすると、HSPじゃない自分がHSPの人の気持ちを考えたり、他者に思考を寄せたりするトレーニングにもなっています。
MARVELもすごく好き。スパイダーマンの『大いなる力には大いなる責任が伴う』という言葉を大事にしていて、それはいまの活動にも影響していると思います」
Q5. 将来の展望について教えてください
「まずは日本の大学に入って、人脈を広げたいと考えています。大学に入ってからも、HSPやHSCの人が生きやすい社会にするために、同じ目標を持つ仲間と一緒に活動を続けたい。そして、自分に経営の知識がついて、運営の軸が定まったら、団体を法人化することも考えています。
他にも、院内学級という病院の中に開かれた学校に通う子どもたちに、メタバースを使用して、一般的な学校生活を経験してもらうための活動をしたいという目標を持っています」
前田悠翔のプロフィール
年齢:16歳
出身地:埼玉県所沢市(産まれてすぐにイギリスに行って、0〜2歳半までイギリスで過ごす)
所属:HsP’eers、東京学芸大学附属国際中等教育学校
趣味:模写
特技:スキー
大切にしている言葉:大いなる力には大いなる責任が伴う(スパイダーマン)