世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、食品ロスの削減や支援のために企業が行っている「フードドライブ」について、ご紹介します。
ファミリーマートのフードドライブが47都道府県に拡大
日本でも大きな問題となっている、食品ロス。農林水産省によると、本当は食べられるけれど捨てられている食品は、令和3年度だけで523万トンも。そのうち、家庭から発生した食品ロス量は244万トン。もちろんその中には、購入したにもかかわらず、食べずに捨ててしまった食品も含まれています。
こうした食品ロス問題を放っておくと、たくさんの食べ物を無駄にしてしまう以外にも、環境破壊や人口増加が原因で食糧危機が起きたとき、適切な対応ができなくなるという恐れがあります。このような事態に陥らないためにも、食品ロス量はいまから減らしていくことが大切なのです。
そのため、食品ロス量削減のための活動が、さまざまな企業に広まっています。大手コンビニエンスストアである株式会社ファミリーマート(以下:ファミリーマート)では、食品ロス量削減と食料支援を同時に行える「ファミマフードドライブ」を2021年4月からスタート。2023年8月18日には、実施店舗が47都道府県、2,410店舗にまで拡大しました。
食品ロスの削減と支援につながる「フードドライブ」
「フードドライブ」とは、家庭にある、食べきれない食品やおすそ分けしたい食品を集め、必要としている人や施設などに寄付する活動のこと。
ファミリーマートがおこなっている「ファミマフードドライブ」では、全国にある2,410店舗を食品の回収拠点とし、活動に協力してくれる各地域のパートナーに届けてもらいます。回収拠点が全国にあるため、寄付する側もアクセスがよく、買い物のついでに気軽に行えるなど、コンビニエンスストアチェーンの強みを活かした取り組みとなっています。
ファミマフードドライブでは、2023年2月時点で92.2トンもの食品が集まり、食品を受け取った人からは「物価や光熱費の高騰により、家計が圧迫されていたため、本当に助かった」や「自分では買えない物も入っていてありがたい」などといった、喜びの声が届いているそうです。
モスバーガーにも常設のフードドライブがあります
稲沢市社協はモスバーガー稲沢天池店・稲沢アクロスプラザ店との協働で、7月15日から常設型のフードドライブ始めます。集まった食品は生活困窮者への食支援に活用します。詳しくはこちらhttps://t.co/0eIWq1fCyB#フードドライブ #フードロス #SDGs #モスバーガー #社協 #稲沢 pic.twitter.com/TsMBLOaT6s
— 稲沢市市民活動支援センター・ボランティアセンター (@inazawashien) July 12, 2022
またフードドライブの取り組みは、ファーストフード業界にも広がっています。株式会社モスフードサービスが展開する「モスバーガー」は、愛知県稲沢市の「社会福祉法人 稲沢市社会福祉協議会」と協力し、2022年7月15日から、常設型のフードドライブを実施しています。
モスバーガー稲沢天池店と稲沢アクロスプラザ店の2店舗を回収拠点としていて、2022年11月時点で、105人の支援者から食品262.72キロ(1,005点)の提供がありました。その後も、地元新聞に掲載されたり、店内にPOPを設置したりしたことによって、さらに提供者が増えているそうです。
稲沢天池店や稲沢アクロスプラザ店を訪れたときは、フードドライブがどのように行われているのかを覗いてみて、よければ参加することも考えてみてくださいね。
アメリカでは郵便配達員がフードドライブを行っている
10人にひとりが毎日飢餓に直面している、と言われているアメリカ。そういった人々を支援するために、毎年5月の第2土曜日に行われるフードドライブが、「NALC Stamp Out Hunger National Food Drive」です。アメリカの1,000以上の都市や町で働く郵便配達員が参加し、顧客から食品を集め、支援を必要としている人に届けます。
The #StampOutHunger Food Drive is less than two months away! Please join @NALC_national on Saturday, May 13 to help make this one of the most successful food drives to date. Help spread the word, and let’s work together to stamp out hunger in America. 📬🥫 https://t.co/T9uCqCWXym pic.twitter.com/PDCjDiZR75
— Stamp Out Hunger® (@StampOutHunger) March 22, 2023
食品の提供はとっても簡単で、5月の第2土曜日に、保存食の入った箱や缶を、郵便受けの横に置いておくだけ。あとは、郵便配達員が郵便物を配達するときに、一緒に回収してくれます。
この活動は、1993年から行われており、過去30年間で18 億 2,000 万ポンド以上の食品を届けてきました。新型コロナウイルスの影響により、近年は活動を休止していましたが、2023年に再開され、18,898ポンドの食品が集まったそうです。
日本では、家計が厳しく、十分な食事がとれてない家庭がある一方で、食品ロスの問題が起きていることも事実。食品ロス量削減のためには、必要以上に買わないことは当たり前の心がけですが、それでも買いすぎてしまったときは、捨てるのではなくフードドライブの利用も考えてみてください。
Reference:
最新の食品ロス量は523万トン、事業系では279万トンに|農林水産省
食品ロスの現状を知る|農林水産省
Stamp Out Hunger food drive|United States Postal Service
Text:Yuki Tsuruda