タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「新時代のSNS」と呼ばれる「BeReal」について。1日に1回、フィルターなしの写真を投稿することで、ありのままの姿を見せることを促すことを目的にしたソーシャルアプリです。Z世代に人気と世間で言われていますが、10代は「BeReal」をどのように使っているのでしょうか？ 多様化する最近のSNS事情とあわせて、聞いてみました。
1. nodokaさん「盛れない状況で、どうしたら盛れるかを考えるのは楽しい！」
19歳。文化服装学院に通いながら、オリジナルブランド『nocca』の運営・デザイン・制作を行う。
「『BeReal』、よく使っています。フィルターもなく、無加工なので顔は盛れないけど、それがよりリアルで新しいです。
逆に盛れない状況でどれだけ盛れるかを追求していく感じは、SNSを更新することが大好きな私にとって、すごくワクワクするし、更新するのを楽しみにしているときもあります」
2. 寿樹さん「友達がやっていてインストールしたけど、更新頻度は減りました」
18歳。秋田県湯沢市でクリエイティブ制作を手掛ける会社を立ち上げる。
「『BeReal』は、Twitterの友達がやっていたので、僕も始めました。 最初はたくさん更新していましたが、だんだんと更新する頻度は減って、いまではたまに開くくらいです。 SNSが増え続ているので、定番化する前に飽きやすくなった気がするし、『インスタでいいや』って思ったりすることも。友達が更新しなくなると、急に面白くなくなってしまいますね。
僕にとってSNSは、自分のテリトリーみたいなもの。別に虚構なものでもいいと思うし、どんなアプリをどれだけ使っていてもいいかなとは思います」
3. 津野邉碧さん「まわりの流れで仕方なく使っていますが、できれば使用するSNSは減らしたい」
19歳。文化服装学院ファッション流通科に在学し、映像表現を軸に活動。
「『BeReal』は使っていますよ。とはいっても、使いたくて使っているというよりは、情報がいろんなメディアで流れてくるので、仕方なく使っている感じです。本当はできればスマホやSNSはやめたいなと思っているんですが、いまの時代だとなかなか難しくて、困っているところもあります」
4. 美羽さん「クローズドなSNSを使う理由があまりわかりません」
18歳。中学時代よりDJとして活動をスタート。現在は楽曲制作など、幅を広げて活動中。
「『BeReal』は使っていません。なんとなく得られる情報の質が低そうかなっていうイメージがあって……。メインで使っているInstagramやTwitterよりもクローズドなイメージがあります。情報収集や、普段出会えないような新たな人とつながるための手段としてSNSを使っているわたしにとっては、他の人が何のために『BeReal』を使っているのか、いまいちよくわからないです。たぶんこの先、使うこともないかなって思っています」
5. SHU-TO.さん「使ったことはありません。ありのままの自分を見せることって怖いと思います」
19歳。昭和邦楽に魅了され、ミュージシャン、研究者として昭和の音楽の魅力を伝える。
「『BeReal』のこと、正直知りませんでした。調べてみたけど、僕はあまり『自分のありのままの写真』などを見せたい人間ではないので、使わないかなと思います。自分のリアルな写真を世に出せるほど、かっこよくないと思っているし、外に出したり、SNSに投稿したりする写真は、必ずメイクや修正をするようにしています。そうしないと怖いというか、『かっこよくない』と思われるんじゃないかと不安になってしまうんですよね……。
だから『BeReal』を使用している方々のような、かっこよさや自己肯定感には憧れます」
賛否両論、いろんな意見が寄せられた『BeReal』への向き合い方。一方、最近ではテキストでつながる新しいアプリ「Threads（スレッズ）」もローンチされ、ソーシャルメディアはますます多様化しています。ツールがあふれる中で、何のために、何をどう使うか、この機会に見つめ直してみるのもいいかもしれません。
Photo：Eri Miura
Text：Ayuka Moriya
