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「多死社会」を迎える2040年…どんな埋葬が望まれる?【Steenz Breaking News】

「多死社会」を迎える2040年…どんな埋葬が望まれる?【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、未来に向けた、新しい埋葬の方法についてご紹介します。

「お墓問題」から生まれた、新しい埋葬の考え方

10代にとって「死」というのは、あまりイメージできない、遠くにある事柄かもしれません。しかし誰にでも訪れるものであり、亡くなった後の「埋葬」というのも、見逃せない問題です。

厚生労働省の調査によると、高齢化社会を迎える今後、死亡者数は増加していき、2040年における年間死亡者数は約168万人となる「多死社会」が訪れるとされています。それに伴い、問題となるのは「埋葬」の問題。99%以上が火葬される日本では、「お墓不足」「後継者問題」が度々話題にあがり、従来の埋葬方法ではなく、新しい埋葬の提案がなされています。

at FOREST株式会社が始めた、日本初の「循環葬」サービス「RETURN TO NATURE」もそのひとつ。これは、日本全国の寺院が所有する森(墓地)を拠点に、墓標などを残さずに、遺骨を細かくパウダー状にして、土に還すというもの。

また「RETURN TO NATURE」がおこなわれる森林には、生きているうちから、森林浴の場所として訪れることが可能なので、本人の生前は森林浴によるリラックスの場として、そして循環葬のあとは、ご遺族の森林欲の場となるのです。その第一弾として、大阪・能勢町にある関西の霊場「能勢妙見山」の予約が開始されました。

墓標もなし。後継者もなし。人にも自然にもやさしい埋葬

お墓への埋葬に比べて、こうした埋葬方法は、人にも自然にもやさしいと謳われており、遺骨はゆっくりと自然に還っていきます。そしてそれがやがて、豊かな森の保全につながるというのが、「RETURN TO NATURE」の特徴。国土の約7割が森林で覆われている森林大国である日本ですが、高齢化や過疎化などが原因で、荒廃している森が多いのが現状です。そんな森を再生させるひとつの取り組みとして、注目が集まっています。

「RETURN TO NATURE」の売上の一部は、森の保全に充てられるとともに、国内外の森林保全団体に寄付されます。また、後継者や管理費は不要。墓標も立てられません。遺族の負担も少ない埋葬方法です。

自分らしい埋葬のカタチが選べる世の中に

日本ではまだまだ火葬を選ぶ人が多いですが、近年は、さまざまな葬送の方法が選べるようになってきました。木の根元に埋める樹木葬や海に遺骨を撒く散骨などはよく知られていますが、めずらしい葬送もあります。

例えば宇宙葬。これは、遺骨を納めたカプセルをロケットに載せて、宇宙空間に打ち上げるというもの。人工衛星や月、宇宙探検などさまざまなプランがあります。

 

 

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またアメリカでは、2020年5月より「堆肥葬(有機還元葬)」という埋葬方法が始まっています。棺ごとコンポストされ、微生物やバクテリアによって遺体は土に還ります。分解後の土は、森林の育成に使われたり、遺族が持ち帰って植物などを植えることも可能なんだそう。

多死社会に向けて、広がり続ける埋葬の選択肢。自分らしい埋葬のカタチが選べる世の中になりつつあります。数年後、数十年後にはどんな埋葬方法があるのか、気になるところです。

Text:Tommy

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Tommy

ライター

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