2023.03.30 Feature

角心菜インタビュー！『18歳、つむぎます　私の卒業 -第4期-』公開記念

今後の活躍が期待される、若手俳優／女優を発掘・育成する「私の卒業」プロジェクト。これまでの作品はYOUTUBEで280万回以上も視聴され、昨年は劇場公開もされました。昨年に続き、1000名以上の応募者の中から選ばれたキャストに、「Steenz」が単独インタビューを実施。インタビューの第11弾は、初主演映画の公開も控えている角心菜さんをフィーチャーします。

将来について考えなきゃいけない時期に背中を押してくれるような作品

今回の作品「18歳、つむぎます」で、うわさ話が大好きのミーハーな女の子、佐藤唯役を演じた角心菜さん。今回の「私の卒業」プロジェクトを通して得られたことやメンバーとの関係性、女優としての今後の展望などについて聞いてみました。

ー早速ですが、最初に脚本を読んだときの感想を教えてください！

「作品のタイトルにもある18歳っていうのは、成人する年であると同時に、恋愛だったり、友情だったり、さまざまな悩みを抱えながら、何かしらの決断をしなきゃいけない、とっても大切な時期だと思うんです。そんな悩みを持った人の背中を押してくれるような作品だなぁって思いました。

脚本を読んだとき、ちょうどわたしも将来について考えないといけない時期で、けっこう悩んでいて。特に最後の台詞にすごく心を動かされたので、ぜひみなさんにも見てほしいです」

ー役を演じる際に意識した点は？

「わたしの演じた唯ちゃんは、うわさ話が好きで、クラスの誰かが話しているところを見たら『なになに〜！』って聞きに行っちゃうような子なんです。クラスの友達と大勢で集まるシーンが多かったので、まわりの子たちとキャラクターが被らないように意識していました。

わたし自身は、話を聞くのが好きなのは唯ちゃんと似ていて、感情移入しやすい部分もありつつ、そこまで積極的に人に話を聞きに行けるタイプでもないので、唯ちゃんはすごいなぁと思っていました」

ーお芝居をするのに、心がけていたことはありましたか？

「教室のシーンが多かったのですが、意識しすぎちゃうとリアルじゃないから、普段はどういう仕草をしているんだろうとか、話を聞くときに、どういうタイミングで相槌をうったりしているんだろうとか、日常生活の細かい部分を気にして、演技の中にも活かすようにしていました」

撮影が終わったあとも、みんなと撮った写真を見返す……そんな仲になれた

ー今回は、厳しいオーディションやワークショップを乗り越えた28人ものメンバーと一緒に、2週間の撮影に挑んだとお聞きしました。メンバーとはどんな関係でしたか？

「日に日に仲良くなっていって、撮影期間の後半は、みんなで集まってごはんを食べに行っていました。わたしは比較的年下だったんですけど、年上のメンバーから優しく話しかけてもらえて、嬉しかったです。

ただ、最初から打ち解けられたわけじゃなくて。オーディションのときは、誰かと話した覚えがないくらい、誰とも話せなくて。みんな寡黙なタイプなのかな、今後仲良くなっていけるかな、ってすごい不安だったんです。

私の卒業の3期のみなさんがとても仲が良かったと、去年のインタビューを読んで知っていたので、同じようになれるか心配で……。そのあと少しずつ話せるようになって、ワークショップを何回か受けたあたりから、自分からも話しかけられるようになって。

あとから聞いたら、他のみんなも、仲良くなれるか不安だったみたいです（笑）。撮影が終わったあとも、みんなと撮った写真を、ずっと見返しています」

ーオーディションで大変だったことはありますか？

「オーディション中、過去の『私の卒業プロジェクト』の台本をもとに、演技をする機会が何回かあったんですけど、作品として既に完成しているものを演じるのがとても難しくて。イメージトレーニングをたくさんしました。

でも、過去の作品を見れば見るほど新しい発見があって。それに、他のみんなも同じ映像を見ているはずなのに、それぞれが違う演技になるのがすごく面白かったし、学びになりました」

ー私の卒業プロジェクト全体を通して、ご自身が変わったと思う部分はありますか？

「オーディションに強くなった気がします。実はいままでは、人に演技を見せることに対して、不安のほうが大きかったんですけど、今回の経験を通して、演技って楽しいな、って思えるようになりました。特に、エチュード（即興劇）に対する苦手意識をなくすことができました。

自分が出演していないシーンの撮影もよく見学に行っていたんですけど、オーディションのときに自分が練習した役をやっているメンバーの演技を見て、『こうやって演じるんだ』っていう、答え合わせみたいな感覚があって。たくさん学んで、刺激を受けました」

ー舞台となった福山市で、何か印象に残っていることはありますか？

「山と海に囲まれた自然豊かな街で、素敵でした。特に鞆の浦は、タイムスリップしたみたいな古風な街並みが印象的で。撮影しているときも、地元の方が『がんばってね』って声をかけてくださって、とても優しかったです。

あと、ロケ地になったパン屋さんに、撮影が休みの日にメンバーで行ったんです。『撮影でお邪魔してます』っていう話をしたら、いろいろなお話を聞かせていただいて。別の場所で撮影していたときも、パン屋さんがわざわざ来てくださって、エキストラとして参加してくれたんです」

空手の経験を活かして、アクションもできる女優になりたい

ー今度は、角さん自身のことについても質問させてください。演技の道を志したきっかけは？

「5歳のときからモデルのお仕事をしていました。ドラマが大好きだったので、中学生になったときに、演技をしてみたいって思って、今の事務所に応募して、演技のレッスンを始めました。

わたしは空手をしていたこともあって、清野菜名さんのアクションにすごい憧れがあるんです。いつか清野さんとご一緒することを目標に、がんばっています」

ーお芝居の楽しさはどんなところに感じていますか？

「一緒にお芝居をする相手によって、自分のお芝居も変わるので、どんな化学反応が起こるのかを想像するのが楽しいです。あとは、いつもとは違う自分になる感覚も楽しい！　普段はあまり怒らない性格なので、怒る演技をしたときは、新しい自分に出会えたみたいでした。

これまでは、よく笑う明るい子の役が多かったので、ちょっと影のある役とか、不良の役とかに挑戦してみたいですね。あとは、やっぱりアクションがある役をやってみたいです！

演技のお仕事は、大変だと感じたことがないぐらい楽しくて。大人の方と話すのがすごい好きなので、大人の人に囲まれてお仕事ができる現場が楽しいです」

ー最後に、どんな人にこの作品を見てもらいたいですか？

「テーマになっている18歳の人はもちろん、まだ18歳になっていない人や、ずいぶん前に18歳を経験した人……それぞれに感じることがある作品になっていると思うので、幅広い世代の人に見ていただきたいです。

あと、ドキュメンタリーがYouTubeに公開されているので、作品と一緒に見ていただけると、より楽しめると思います。『この部分がこのシーンになったんだ！』みたいに、比べて見てみてほしいです。

個人的には、オーディションを受けるとき、去年のメンバーのインタビューを読んで、たくさん背中を押してもらったんです。だから、4期のメンバーのインタビューを読んで、お芝居に興味を持ってくれた人がいたら嬉しいです」

―ありがとうございました！

『18歳、つむぎます　私の卒業 -第4期-』

2023年3月24日（金）より、新宿バルト9ほか、全国の映画館にて限定公開

高校卒業という節目のタイミングは、誰もが人生の岐路に立ち、そこには数々のドラマがある……。そんな18歳の思いや悩みを題材に、若者たちが前向きになれる物語を紡いでいく「私の卒業プロジェクト」の第4期作品。今回は、広島県・福山市を舞台に、同市でロケを敢行。卒業とともに新成人を迎える高校生たちが、大人になることや将来に不安を抱えながらも、前に進んでいく姿を描いている。

3月24日公開劇場