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フランスで若者のコンドームが無料化!背景にある性感染症の拡大は日本でも深刻化【Steenz Breaking News】

フランスで若者のコンドームが無料化!背景にある性感染症の拡大は日本でも深刻化【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、フランスから届いた、若者を対象に「コンドームを無料化する」というニュースについてご紹介します。

フランスで若者のコンドームが無料に

フランスのマクロン大統領は昨年末、2023年1月から18~25歳の人は薬局でコンドームを無料で入手できるようにすると発表しました。

フランスではすでに、2022年1月1日以降、26歳未満の女性は、緊急避妊薬(アフターピル)を始めとした避妊法に、無料でアクセスできる制度を導入していました。コンドームに関しても以前から、医師や助産師の処方箋があれば社会保険でコンドーム購入費の還付を受けられたのですが、今回の政策で、より入手が容易となりました。

世界中で対策が強化されている「性感染症」

このコンドーム無料化という施策の背景には、欧米を中心に深刻化している性感染症(STD)の対策があります。

フランスでもここ2年で、感染者数が急増しており、早急な対応が求められていました。こうした増加傾向の背景には、経済的な理由によって診断や治療の遅れ、コロナ禍の反動で性行為が急増したこと、そして何よりも、性教育の不足があると言われています。

日本の現状は?性感染症と性教育のこれから

日本でも、性教育の見直しや正しい知識の普及が少しずつ進んでいます。性交同意年齢の引き上げも記憶に新しいですね。しかし、避妊や感染症対策のリテラシーは、十分とは言い難いのが現状です。

 

特に性感染症でいえば、日本で急増しているのが「梅毒」。昨年、厚生労働省より、梅毒患者の拡大についての注意喚起がなされました。

梅毒は、神経症状や発疹といった深刻な健康被害を及ぼすだけでなく、母子感染の可能性もあり、無関心ではいられない病気。梅毒に感染した母親の子どもは、難聴・失明などの健康障害や、場合によっては死に至る恐れもあるのです。

より安全な性行為(Safer sex)のためには、社会と個人が足並みを揃えて、正しい知識を学ぶ姿勢や、コンドームをはじめとした感染防止策にアクセスしやすい環境づくりは、これからもっと求められるでしょう。フランスでの先進的な取り組みをきっかけに、建設的な議論が始まるといいですね。

Text:Kei Hayashi

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Kei Hayashi

ライター

1997年まれ。2020年〜新卒でフリーライターに。興味関心:Z世代・メンタルヘルス・ジェンダー・消費社会 など。獨協大学外国語学部英語学科卒業。he/they。

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