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富裕層のイメージが強いドバイで「パンの無料配布」がスタート。その理由とは?【Steenz Breaking News】

富裕層のイメージが強いドバイで「パンの無料配布」がスタート。その理由とは?【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、ドバイで始まったパンの無料配布についてご紹介します。

ドバイで始まったパンの無料配布

2022年9月、アラブ首長国連邦(UAE)の首都・ドバイの街中にある10か所のスーパーマーケットに、温かいパンを提供する機械が設置されました。しかも、パンの料金は不要! サンドイッチ用のパンやピタパン、インドのチャパティなど数種類の中から選ぶことができ、希望する人は無料で温かいパンが食べられます。

UAEは産油国として知られていますし、ドバイというとリッチな街だというイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。しかし、UAEの全人口1000万人のうち、9割は外国籍の人々。出稼ぎ労働者として、アジアやアフリカから来ている人が多いのが現状です。

出稼ぎ労働者の多くは、建設現場などで働いており、安定的な収入が得られない場合が多いです。また、近年はロシアのウクライナ侵攻などによる物価高の影響もあり、なかなか十分な食料を買うことができず、生活困窮者となる人もいるようです。

今回行われたようなパンの無償配布は、彼らのような生活の苦しい人々に向けて施行されたものでした。

 

 

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こども食堂、生理用品など…日本でも広がる支援の輪

日本でも似たような取り組みとして、「こども食堂」があります。2012年ごろから始まり、いまでは全国各地で実施されるようになりました。こども食堂は「十分な量の食事が食べられない」「ひとりでごはんを食べている」などといった問題を解決することを目的としていて、無料で食事を提供しているところや、300円程度の低額で食べられるところなどがあります。また、子どもだけでなく大人も利用可能です。

また今年、スコットランドが無償化したことが話題になった「生理用品」の無償提供。日本においても、企業単位での無料配布が少しずつ広まりを見せています。オイテル株式会社が提供するサービス、OiTrオイテルは、MIYASHITA PARKやららぽーとの一部店舗のトイレにディスペンサーを設置。無料アプリからQRコードを読み取ることで、生理用ナプキンが1枚無料で使うことができます。

 

 

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無料配布だけでは解決しない貧困問題

このように世界中で行われている、貧困に対する支援。こうした支援によって救われる人が増えるのは、一時的に見れば喜ばしいこと。

しかし、目の前の貧困を解決するだけでは、根本的な問題解決は望めません。例えば、貧困が原因で路上生活を送る人々に対して、「家がないなら家を提供すればいい」……そう考える人もいるかもしれません。しかし住む場所を彼らに提供するだけでは、根本的解決にはなりません。

適切な補助の受け方を知らない、親類や親族などのつながりが薄くて頼れない、気軽に相談できるコミュニティがない……などなど、そこにはさまざまな理由があるかも。そういったことを知らせるアクションも必要になってくるでしょう。

今回紹介したような支援をきっかけに、どのような社会問題があるのか、そしてそれらを抜本的に解決するためにはどうすべきなのか、考えてみてはいかがでしょうか。

Text:Tommy

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Tommy

ライター

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