タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「最近気になるニュース」。エンタメ、ジェンダー、災害、事件……、日々さまざまな報道がされていくなかで、いまを生きる10代は、実際にどんなニュースに強い関心を持っているのでしょうか。5人のティーンに聞いてみました。
1. Cocoaさん「元陸上自衛官の五ノ井里奈さんの行動にとても勇気づけられました」
「自衛隊のセクハラ問題です。署名フォーマットがTwitterで流れてきて、事件のことを知りました。五ノ井さんの行動は本当に勇気があって、とても素敵だと思います。
同時に、五ノ井さんの行動をきっかけに、さまざまな業界でのセクハラ告発が増えたというニュースも見ました。このようなハラスメントの実態は、本当に氷山の一角なんだなということを実感し、とてもやるせなくなりました」
2. 足浮梨ナコさん「パートナーシップ制度が始まったけど、求めているのは同性婚の法制化」
「東京都でパートナーシップ制度が始まったことです。私自身、LGBTQ+当事者でもあるので、パートナーシップ制度が東京都で始まったことはとても嬉しいし、新たな一歩だと思います。ですが、やっぱりパートナーシップ制度と結婚では、できることは全然違います。
当事者としていちばん嬉しいのは、同性婚が法制化されること。それが実現されるまでは、これからも声をあげ続けなくてはいけないと、あらためて思いました」
3. Navisさん「梨泰院での痛ましい事故。他人事と捉えずに、向き合うべき問題だと思いました」
「韓国・梨泰院での雑踏事故。たくさんの人が亡くなられたという報道を見て、とてもショックでした。ハロウィンで人が大勢来たため、路地で圧迫死してしまった人が絶たなかったといいます。
このニュースを見たとき、日本でも起こりうる問題だと思いました。他人事ではなく、自分も気をつけなければとも思いますし、渋谷などでのハロウィンイベントで、この先、こういう事態にならないようにする対策が必要だと思いました」
4. Hao(金山葉緒)さん「アフリカの公衆衛生問題。保健の勉強をしてきたからこそ考えたい」
「ウガンダのエボラ出血熱の蔓延に関するニュースです。ウガンダは、私がアフリカの国の中で最も長く暮らしていた地域で、人々の苦労や衛生環境について直接目にしていたので、とても気になっています。
私がスラムで出会ったストリートチルドレンの高校生も、マラリアや腸チフスを発症していました。彼らは重い病に罹っているにもかかわらず、衛生環境の悪い雨季のストリートで倒れていました。
アフリカの国々では、保健の教科がほとんど扱われていないんです。そんな国で致死率の高い病気が蔓延したときに、どのように公衆衛生の知識を広めるかは、保健を当たり前に学んできた私たちにとって、考える必要がある課題だと思っています」
5. SERUCHOCOさん「イーロン・マスクの謎すぎる行動とツイート内容。見ずにはいられませんでした」
「アメリカの起業家、イーロン・マスクが、Twitter本社に洗面台を持って訪問してきたというニュースを見ました。このトピックを見て、気にならない人はいないんじゃないでしょうか。
実際に記事を読むと、イーロン・マスク本人のTwitterアカウントで『Entering Twitter HQ – let that sink in! (やってきました、Twitter本社。じっくり考えてみる)』というツイートをしていたそうです。洗面台のシンクとThinkを絡めたただのダジャレだったので、内容はしょうもなかったんですが(笑)。でも、たまにはそういうニュースがあってもいいですよね」
日々さまざまな報道がされる中で、日本の問題はもちろん、世界で起きている問題にも目を向けているティーンたち。遠い国で起こった出来事であっても、自分事として向き合っている回答がそろっていたのが印象的でした。
Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya