
タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「最近よく聴いている曲」。通学中に聴いたり、心が疲れたときに寄り添ってくれたりする音楽について、10代にその愛を語ってもらいました。
1. アンナさん「努力の姿勢と音楽が、元気をくれる」

高校の友人とZINEを制作し、小さな挑戦や自分の思いを発信しながら活動中の19歳。
「最近ハマっている曲は、NEXZの最新アルバムに収録されている『O-RLY?』です。
もともとK-POPに興味はなかったのですが、昨年の夏に友達が連れて行ってくれたライブで一気にファンになりました!平均年齢が18歳とは思えないほどのパフォーマンスと表現力で……努力する姿勢と、成長のスピードに刺激をもらっています」
2. そらさん「気分に合わせて音楽をチョイス」

『伝え方』を大切にして楽しい舞台づくりを目指しながら、舞台づくりに関わるひと全員が楽しいと感じられるようにサークルを立ち上げた19歳。
「INIの『DILEMMA』と『Potion』、藤牧 京介の『PLAY BACK』。この3曲をよく聞いています。
最近は、応援ソングで気分を上げてほしいわけでもなく、バラードで落ち着きたいときでもないという感情の時間が多くて。そんなときに、落ち着きもありつつ、アップテンポでおとなな雰囲気の3曲を聞いています。通学中や支度中、音がほしいときの筆頭となっている曲たちです」
3. 大神祐理さん「自分をまるごと“解放”してくれる一曲」
「最近、よく聴く曲は、Furui Rihoさんの『ABCでガッチャン』。
寝起きで意識朦朧としながらベッドの上で聴いたり、寝る前に目をつむりながら流したりと、1日の始まりと終わりによく聞いている気がします。最初のイントロ部分が、絶妙にアンバランスな感じで、とても心地よくて、自然と体が身を任せられるんです。
『すべてシャワーで流して ABCでガッチャン』という歌詞に共感しつつ、良いことも、悪いことも全部忘れて、その曲を聞いている瞬間に集中できます。何故だか、色々なしがらみから解放された気になるんです。
最近の自分はよくがんばっているなってひと、ぜひこの曲に『抱きしめられて』ほしいです。
4. かずやさん「どんな気分のときでも寄り添ってくれる」

高校時代のセブ島留学で教育格差に衝撃を受け、カンボジアの子どもたちのために、募金活動や国際協力をテーマとした授業の企画などの活動をしている19歳。
「中学生のころ、米津玄師さんの『LOSER』に出会って、曲のカッコよさに一気に引き込まれました。それ以来、ずっと米津さんの音楽を聴いています。
恋愛ソングから、誰かを応援する曲、自分の個性を認めてくれるような歌まで本当に幅広くて、どんな気分のときにも寄り添ってくれるのが魅力的です。
なかでもおすすめは『がらくた』という曲。『例えばあなたがずっと壊れていても 二度と戻りはしなくても 構わないから 僕のそばで生きていてよ』の歌詞が、大切なひとに伝えたい自分の気持ちをそのまま表してくれているようで、何度聴いても心に響きます」
5. 美月さん「テンションを上げたいときは、この一曲」

高校生のころに拒食症で一時期バレエを離れ、踊りにふたたび向き合うことに決め、3歳から始めたクラシックバレエを軸に、さまざまなジャンルの踊りに挑戦している19歳。
「『花になって/緑黄色社会』のカバーが最近のお気に入りです。
原曲も好きでよく聞いていましたが、成人男性三人のカバーを見つけて、パワーがある男性ボーカルに新鮮味を感じて驚いています。曲のテンポが速くて、急いでいるときに聴くと自然と足が速くなる感覚で、通学のときによく聴いています。テンションを上げたいときにおすすめです」
6. 本間巴菜さん「背中を押してくれるラスサビ」

「好きを大切にしてほしい」という思いを軸に、来年からダンスのインストラクターとして生徒にダンスを教えるためのダンスや振り付けづくりに力を入れている19歳。
「BLUE ENCOUNTの『幻聴』という曲です。
通勤中や身支度の最中など、音楽を聴けるタイミングがあれば聴いています。インストがとてもかっこよくて、聴くたびに気分が上がります。歌声・楽器の音・メロディー、全て好きですが、ぜひ歌詞に注目していただきたいです。
とくにラスサビの『ありえない絶望にだってエピローグがある 変わりたい やっと誓ったその手に幸あれ』という歌詞。背中を押されたい、前を向きたい、今の自分に自信を持ちたい、そんな全ての人に聴いてほしいです」
7. Kanameさん「ひとり時間に満ちていくような感覚」

誰もが環境問題をじぶんごと化できる世の中を目指ざし、「社会を変えたい」という一心で気候変動へのアクションに参加している13歳。
「藤井風の『満ちてゆく』をいつも聞いています。
藤井風さんの音楽は、落ち着くし、癒やされる。疲れていても、学校からの帰り道とか、なにかやりきったときとか……目覚ましの代わりにもしています。この歌で伝えたいことって、『足るを知る』だとお思っていて。 変わりゆくことや思い通りにならないことに執着するのではなく、手放す。 手放すことによって、本当に大切なものが見えてくるんじゃないかなって。
満ちている生活をしているなかで、手放すという行為は、すごい大事なことなんだなと本当に感動しました」
8. 森永理子さん「迷っているひとに、そっと寄り添ってくれる」

高校生の頃から食品ロスの課題に取り組み、社会課題に関心を持つ学生同士がつながるプラットフォームの構築を進めている19歳。
「幾田りらさんの『answer』です。
自分の進んでいる道に、自信が持てなくなった時に聴きたくなる一曲。自分自身を肯定してくれる曲で、人生のキャリアの変曲点や、通過点に悩んでいる人へ、おすすめです」
好きなアーティストの新曲から、昔から聴き続けている定番ソングやカバーソングまで。ひとりひとりの「この曲が今の自分にぴったり」という感覚が、リアルに伝わってくるラインナップでした。これからも「10代リアルVOICE」では、若者たちの関心ごとやリアルな視点を発信していきます!
Photo:Nanako Araie
Text:Serina Hirano