人見知りシンガーソングライター・みゆはん「ギターを握ったのは高校生」マルチクリエイターの青春時代は、案外普通?
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人見知りシンガーソングライター・みゆはん「ギターを握ったのは高校生」マルチクリエイターの青春時代は、案外普通?

Steenz(スティーンズ)

憧れのあの人は、どんな10代を過ごしたんだろう。きっと自分とは似ても似つかないような、ドラマの主人公みたいなティーンだったのかな。憧れの先輩たちに話を聞く「あの人に聞く”私の10代”」。今回のゲストはマルチクリエイターのみゆはんさん。シンガーソングライターとして作詞作曲を行うだけでなく、動画配信、声優活動、テレビ番組でのMCなど、幅広く活躍している。 

そんな彼女は、メディアで「コミュ障」と認定されるほどの人見知り。かつては人を目を見て話すこともできなかったという彼女の人生は、どこからサクセスストーリーに転換していったのだろう。今回は、そんなみゆはんさんの「10代のころ」を振り返ってもらった。 

コンプレックスだった、超絶人見知りな性格

―ゆるっとしたTシャツに、ツートンカラーが目立つウルフヘア。中性的でミステリアスな雰囲気を持つ彼女だけど、とにかく人見知りが強くて、初対面の人はめっぽう苦手。今回の撮影でも、初対面のカメラマンさんから矢継ぎ早に話しかけられて、困った様子で苦笑い……なんていう場面も。

もともと口数も少ないし、人に会う機会も多くないので、初対面だと緊張しちゃうんです。だから、こっちを気にせずに喋ってくれる口数の多い人のほうが仲良くなれるので、逆に助かります(笑)」

―アーティストとして活動する傍ら、SNS発信も精力的に行ってきたみゆはんさん。YouTubeチャンネルを覗いてみると、総再生回数は約2200万回! アーティストとしての楽曲動画だけでなく、おしゃべり配信やゲーム実況なども。どうやら人見知り具合は、10代のころよりもだいぶマシになったそう。

昔はヤバかったよねって、周りの人にはよく言われます(笑)。慣れるまでは、人と目を合わせられなかったし。動画を撮っているときも、ひとりでカメラに向かって喋るのは大丈夫なんです。ただ人と話すとなると、嫌われることが怖くて、口をつぐんでしまうことも多くて……。

家族の前ではおしゃべりだし、たぶん本当は人と話すのが嫌いじゃないんですけど、人見知りゆえに、”余計なことを言ってしまいそう”って思うと、言葉が出なくなってしまって……」 

ギターを握ったことすらなかった、ごく普通の中学生時代

―今でこそ、TV番組のMCなど「話すことが中心」のお仕事もするようになったみゆはんさん。しかし自ら「ヤバかった」と語る10代は、どんな過ごし方をしていたのだろう。

「四国の田舎で生まれたけど、放課後に友達とプリクラを撮ったり、マックでおしゃべりしたり……。友達が多いタイプじゃなかったけど、まったくいないっていうわけではなかったし、特に変わったことはしていませんでしたね。

ネットも人並みな使い方しかしていなくて、『前略プロフィール』をみんなで作ったり、友だちとみんなでホームページを作ったりとか。本当に、ごくごく普通の学生時代を過ごしていたと思います」

―中学生時代は音楽にもあまり触れてこず、周りに合わせて、流行の曲を聞くことが多かったそう。 

「音楽活動らしいことを始めたのは、高校1年生のときですね。父がギター職人だったこともあって、家にギターがたくさんある環境ではあったんですが、不思議と弾いてみたいと思わなかったんですよ。ただ、歌うのは好きだったので、高校で合唱部に入ったんです。

その新歓の自己紹介のとき、カッコつけて、ギター弾けるぜ!みたいなことを言っちゃったんです。そうしたら、同級生の子に一緒にバンドを組もうって誘われて……。ギターが弾けないのに、バンドを組むことになっちゃったんです。秋に文化祭があって、そこまでにどうにか弾けるようにならないと……って思って、それで猛練習を始めたんです」

―今では自分で作曲まで行っているみゆはんさんがギターを始めたきっかけが、日常系の青春アニメみたいなライトさだったことは、意外な感じ。高校生くらいになると、かっこいいからとか、友達に誘われたからとか、そのくらいの理由で楽器を始める人は少なくないけど、ライトに始めると離れるのも簡単。だから、大人になっても続けているという人は少なかったりもする。 

「私の場合、いい意味で、普通の青春の一部として音楽活動が始まっただけでした。でも、文化祭ではじめて人前で歌を歌ったときの、あの快感が忘れられなくて。人見知りだけど、目立ちたがり屋でもあるんだなあって気づいたんですよね。それから、音響の仕事もやっていた父に勧められて、近所の居酒屋さんを回って、弾き語りをする活動を始めたんです」 

音楽と出会って気づいた「認められたい」という思い

―内向的ではありながらも、目立ちたいという自己顕示欲もあったというみゆはんさん。おとなしくて口数が少ない人って、一見欲が少ないように見られることもあるけど、その欲を口に出さないだけで、心の中にはデカイ炎が燃えている人もいる。みゆはんさんにとっては、そのアウトプットが音楽だった。 

とにかく誰かから褒められたい、認めてほしいという思いは、小さいときからあったと思います。歌を歌って、居酒屋のお客さんに褒められて、それが嬉しくて……という気持ちがモチベーションになっていました。

―今の仕事する転機になったのは、大学生のときに何気なく応募した地元の歌手発掘オーディション。そこでは最終審査で落ちてしまったんですけど、『もしかしたらこんな私でも、歌手になれるんじゃないか』と思って、自主的にいろんなオーディションを受けるようになったんです。

もともと臨床心理士になりたくて、大学で勉強していたんです。でも、自分には無理そう……と諦めて就活したんですけど、面接が無理すぎて(笑)。人見知りにとっては、高すぎる壁でしたね。それで就活も諦めて、芸能関係の事務所に入ることを目標に、本格的に活動を始めて……それで、デビューすることが決まったんです」

―みゆはんさんが高校生として過ごしていた時代は、ニコニコ動画やボーカロイドなど、ネットでの音楽創作の黎明期でもあった。新しい方法で創作をする人も増えていた中で、みゆはんさんがやってきたのは、あくまでも地道な自己アピール。歌を歌って、それを誰かが評価してくれる。その嬉しさをモチベーションに、オーディションを受け続ける。歌いたい、歌手になりたいという根本の気持ちを大切に、折れずにオーディションを受けた。 

人見知りな自分に対し、コンプレックスもあったという彼女。事務所の面接だって、就活と同じようなつらさがあったかもしれない。けれど「好き」「楽しい」と思えるものがあるという気持ちは、ときに人をすごく強くする。極度の人見知りというビハインドを乗り越えて、みゆはんさんがアーティストという生き方を選べたのは、その強さを手に入れたからかのかもしれない。

次回は、そんなみゆはんさんが、マルチなアーティストとして活動している理由と、ぶち当たったSNSとの向き合い方を聞いていく。(第2回に続く)

みゆはんプロフィール

シンガーソングライター、声優、デザイナー、モデルなど、多岐にわたって活動するマルチクリエイター。香川県出身。2017年2月、ミニアルバム『自己スキーマ』でメジャーデビュー。また、Adoなどへの楽曲提供も行う。昨年10月に7枚目のアルバム『かいこ』がリリースされた。

Photo : Ryo Usami
Edit : Shiori Mikuni


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