世の中に溢れる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今回は、10代の間でも広まっている「レモネードスタンド活動」についてご紹介します。
レモネードの売り上げが小児がん治療の寄付金に
文化祭や学園祭、あるいはイベント会場などで、レモネードを販売している光景を見たことはありませんか? 実はいま、小児がん治療への支援を目的とした「レモネードスタンド活動」を行う学生が増えているんです。
この「レモネードスタンド活動」とは、小児がんの治療方法の開発や患者さんへの支援などを行うための資金を、レモネードを販売して集めること。レモネードは、レモン果汁と砂糖、水があれば簡単につくれるという手軽さもあり、注目されるようになりました。
最近では、この活動を全国に広めるために、「レモネードスタンドジャパン」や、「レモネードスタンド普及協会」などが、レモン果汁を無料で提供しています。
はじまりは小児がんと闘う少女が開いたレモネードスタンド
このレモネードスタンド活動が日本の学生に広まった理由のひとつとして、英語の教科書が関係しているんです。
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高校英語の教科書である『New Treasure』に、『Alex’s Lemonade(アレックスのレモネード)』という、小児がんと闘う4歳の少女・アレックスの物語が紹介されています。
アメリカでは夏になると、子どもがお小遣い稼ぎや社会勉強のために、自宅の庭先でレモネードを販売するというイベントが行われます。そこでアレックスは、自身もレモネードスタンドを開き、そこで集めたお金を、自分と同じく小児がんに苦しむ仲間のために使いたいと考えたのです。
アレックスの活動は、瞬く間に全米に広まりました。2004年に彼女が亡くなった後も、大勢の人が想いを引き継ぎ、活動を続けています。
日本各地で広がる活動の輪。学生が中心となって開催することも
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アレックスの物語の影響もあり、日本でも注目されはじめたレモネードスタンド活動。群馬県の高校では、『#YELLOW FOR THE FUTURE レモネードスタンドプロジェクト』というイベントを学生が企画しました。
そんな学生たちの活動に、企業や地元のプロバスケットボールチームも賛同。2021年10月には「群馬クレインサンダーズ」のホーム開幕戦が行われた会場で、レモネードスタンドを開きました。2日間で約850本のレモネードが売れ、170,776円の寄付が集まったそうです。
現在も学生たちの活動は続いていて、その活動の様子はInstagramでチェックすることができます。
日本では、子どもが死亡する原因として、最も多い病気が「小児がん」であるといわれています。しかし、患者を支援する予算がアメリカやヨーロッパよりも少なかったり、研究開発が遅れていたりと、まだまだ課題が多い状態です。
こうしたアクションは、ハードルが高そうと感じてしまうかも知れませんが、意外と取り組みやすいもの。何かイベントに参加する際は、レモネードスタンドの出店を考えてみるのはどうでしょう。そして、自分で開くことが難しいという人でも、レモネードスタンドを見かけたら、購入してみるのはどうでしょう。その1杯のレモネードが、子どもたちの笑顔につながるかもしれません。
Reference:
レモネードスタンド活動とは|レモネードスタンド普及協会
レモネードスタンドジャパン
ALSFについて|アレックスレモネードスタンド財団
Text:Yuki Tsuruta