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気候変動に負けないビールをつくるために・・・サッポロビールが発見した新しい大麦とは?【Steenz Breaking News】

気候変動に負けないビールをつくるために・・・サッポロビールが発見した新しい大麦とは?【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、サッポロビールが発見した、これからの気候変動にも耐えられる大麦についてご紹介します。

気候変動の影響はわたしたちの食卓にも

猛暑や大型台風などの自然災害、干ばつ、熱波などを引き起こしている気候変動。日本でも、自然災害の発生頻度が上がってきたり、猛暑日の増えてくるなどといった影響が見られます。

また気候変動の影響は、日常生活にも及んでいます。例えば、野菜の高騰。気候変動によって降水量の増加したり、気温の上昇したりで、野菜の収穫量が落ち込んでしまい」、値段が上がってしまいます。また病気になったり、味が落ちてしまったりすることも増えます。そうした野菜は流通させられずに廃棄されてしまい、食品ロスに直結する問題にも……。

日本のビール会社が気候変動に負けない大麦を発見

このような現象は、直接口に入るような野菜や果物だけの問題ではありません。ビールの原料となる大麦でも起きています。

大麦の収穫は通常5月〜6月ごろ。しかし、収穫時期に雨が降ると、収穫する前に穂が発芽してしまうのです。穂の状態で発芽してしまった大麦は、品質が著しく落ちてしまい、ビールの原料として使えなくなってしまうことに。気候変動で雨の量が増えれば、この被害も増えることが考えられます。

今はまだお酒が飲めない10代にとっては、直接関係がないかもしれませんが、いつか飲めるようになったとき、大麦の生産量が落ち込んで、価格が高騰……。結果としてビールの値段も高くなる、という未来がやってくる可能性もあるのです。

こうした問題の解決策になりうるのが、サッポロビールが発見した大麦。以前から、雨量耐性が高い麦芽はありましたが、麦芽品質の低下までは解決できていませんでした。しかし今回発見した大麦は、雨量耐性があるだけでなく、品質の低下も防ぐことができるとのこと。

また今回発見された大麦は、通常の大麦よりも短い期間で発芽でき、短期間で収穫が可能。生育期間が短ければ、そのぶん、使用する水や電気を減らせるため、エネルギー使用量や二酸化炭素排出量の削減が期待できます。

この大麦の安定的な生産が実現すれば、廃棄される麦芽が減るだけでなく、おいしいビールを安定して供給できるようになります。企業にとっても、生産者にとっても、そして消費者にとっても嬉しい発見になりました。

気候変動による食料危機に立ち向かうために

今回ご紹介した大麦の登場は、アルコール業界にとって、気候変動対策の大きな一歩になるでしょう。また大麦以外でも、気候変動に備えた品種の発見や開発が進められています。雨量耐性、高温耐性、強風耐性……来るべき食料危機を乗り越えるためには、さまざまな品種改良も必要になってくるかもしれません。

農作物の改良というのは、消費者からは目に見えにくいもの。しかし、企業や農家の方々は、安定した供給を行うため、日々努力しています。この機会にぜひ、気候変動に対する食品企業の研究に注目してみてはいかがでしょうか。

Reference:
温暖化による降雨量増加への耐性と ビールのおいしさを両立できる大麦の発見|サッポロビール

Text:Tommy

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Tommy

ライター

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