世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今回はイギリスで開発され、売り切れが続出しているというチョコレート、「カカオフリーチョコ」についてお届けします。
まさかのカカオフリー⁉衝撃的な「代替チョコ」が登場
英国のスタートアップ起業「WNWN（ウィンウィン・フードラボ）」が、カカオ不使用の「カカオフリーチョコ」を開発しました。
共同創業者でCTOのジョニー・ドレイン氏が、カカオの代替物として着目したのは、英国産の大麦とイタリア産のキャロブ（イナゴマメ）。キャロブには、カカオと同様にポリフェノールの抗酸化物質が豊富に含まれています。
ドレイン氏は「チョコレートのような味わいで、チョコレートのように溶け、チョコレートのように折れ、チョコレートのように焼くこともできます」と話しています。
カカオフリーチョコは美味しい？
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「大麦とキャロブを発酵させることで、チョコレートに含まれる風味成分を作り出せるようになった」とドレイン氏は語ります。
そんなカカオフリーチョコは、公式サイトで売り切れるほどの人気。2022年5月に発売した新商品はなんと1日で完売し、購入した人からは「これが本物のチョコレートじゃないなんて信じられない」という声もあったそうです。
「WNWN」は今後、より精密に風味をコントロールし、豊富なフレーバーの展開を目指しています。日本に上陸する日も、そう遠くないかもしれませんね。
チョコレートの甘くない現実
そもそも、なぜカカオを使わない代替チョコが開発されたのでしょうか。その背景には、チョコレート生産の甘くない現実があります。
チョコレートの原料となるカカオの原産国の多くは、発展途上国です。そのためカカオ栽培では、児童労働や、生産過程で使用する農薬が及ぼす健康被害、そして環境破壊などが問題となっています。
世界中で食べられているカカオの約75％を生産しているガーナでは77万人、コートジボワールでは79万人が児童労働しているそうです。全世界で見ると約1億5,200万人（10人にひとり）にものぼります。
またガーナとコートジボワールは、世界で最も森林破壊が進行している国でもあります。コートジボワールでは森林面積の90％が失われたといわれており、その3分の1はカカオ栽培のために行われた熱帯雨林の伐採によるものです。
「WNWN」によると、同社のチョコレートは、従来のチョコレートよりもCO2排出量が80％少ないそうです。
しかし、カカオ栽培が、現地の人々の生計を支えている側面があるのも事実。「この商品を選べば100%正解」と言い切れない難しさはありますが、環境保護や労働環境の改善のために、こうした商品の存在をきっかけに、チョコレートがもたらす社会的な影響について調べたり、適正価格のフェアトレードチョコを選んだりするのも、私たちひとりひとりにできる大切なアクションです。
Reference：
WNWN Food Labs
WNWN Food Labs Debuting Cacao And Palm Oil-Free Ethical Chocolate On London Shelves
This Cacao-Free Chocolate Startup Is Ready to Show ‘Big Chocolate’ a Sustainable Way Forward
Top 5 cocoa-producing countries in Africa
Cote d’Ivoire CFI Report Presentation: First Two Years of Implementation
せっかくならエシカルにチョコを買いたい。地球にも人にも優しいチョコを紹介【5選】
FAIR TRADE JAPAN
Image：WNWN Food Labs
Text：Kei Hayashi
